QMLのコントロール - Settings
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概要
Settings
タイプは、アプリケーションの永続的な設定データを保存、読み込み、変更するためのコンポーネントである。
これは、QtのクラスであるQSettings
クラスのQML版である。
主な機能を以下に示す。
- 設定値の保存と読み込み (キーと値のペアで設定を保存と読み込み)
- 異なるタイプの値 (文字列、数値、ブール値等) の扱い
- 異なる設定グループの管理
- 設定の自動保存
- 設定ファイルの場所の自動管理
- 異なるプラットフォーム間での一貫した動作
Settings
タイプの利用例を、以下に示す。
- ユーザ設定の保存 (テーマ、言語等)
- アプリケーションの状態の保存 (ウィンドウサイズ、位置等)
- 最後に使用したファイルやパスの記憶
- アプリケーションの設定オプションの管理
Settings
タイプは、これらの設定を自動的にファイルシステムに保存して、アプリケーションの再起動時に読み込む。
これにより、開発者は設定の永続化について心配する必要がなくなり、ユーザ体験の向上に集中できる。
このような機能を使用することにより、アプリケーションはユーザの好みを記憶して、より個人化された体験を提供することができる。
Qt 5 / Qt 6のSettingsタイプの違い
Qt 5のQt.labs.settingsモジュールのSettings
タイプと、Qt 6のQtCoreモジュールのSettings
タイプには、いくつかの違いがある。
- モジュールの場所
- Qt 5 : Qt.labs.settingsモジュール
- Qt 6 : QtCoreモジュール
- 安定性
- Qt 5 : Qt.labsは実験的なモジュールで、APIが変更される可能性があった。
- Qt 6 : QtCoreは安定したモジュールで、APIの変更は少ない。
- 機能
- Qt 6では、いくつかの新しいプロパティや機能が追加されている。
- 例えば、
settings.contains
メソッド等が追加されている。
- パフォーマンス
- Qt 6では、パフォーマンスの改善が行われている可能性がある。
- 使用方法
- Qt 5 :
import Qt.labs.settings 1.0
- Qt 6 :
import QtCore
- Qt 5 :
- 互換性
- Qt 6の
Settings
タイプは基本的にQt 5のSettings
タイプと互換性があるが、いくつかの細かい違いがある可能性がある。
- Qt 6の
Qt 6
Qt 6において、Qt.labs.settingsモジュールのSettings
タイプを使用すると、以下に示すような警告が表示される。
QML Settings: The Settings type from Qt.labs.settings is deprecated and will be removed in a future release. Please use the one from QtCore instead.
これは、Qt 6において、Qt.labs.settingsモジュールのSettings
タイプが非推奨となり、将来のリリースで削除される予定である。
代わりに、QtCoreモジュールのSettings
タイプを使用することが推奨されている。
まず、QMLファイルの先頭に以下のimport
文を追加する。
// QtCoreモジュールをインポートする
import QtCore
// 削除またはコメントアウトする
// import Qt.labs.settings
// Materialデザインを使用する
Settings {
id: settings
property string style: "Material"
}
Settingsタイプの特徴と使用方法
Settings
タイプの基本的な機能を、以下に示す。
- キーと値のペアとして設定を保存
- 異なるプラットフォームに適した方法で設定を永続化 (例: Windowsではレジストリ、Unix系ではINIファイル)
- 階層的な設定構造をサポート
Settings
タイプの主要なプロパティを、以下に示す。
- category
- 設定のカテゴリを指定
- fileName
- 設定ファイルの名前とパスを指定
Settings
タイプの主要なメソッドを、以下に示す。
- setValue(key, value)
- 指定したキーに値を設定する。
- value(key, defaultValue)
- 指定したキーの値を取得する。 (デフォルト値も指定可能)
- contains(key)
- 指定したキーが存在するかどうかを確認する。
- clear()
- 全ての設定をクリアする。
サンプルコード
以下の例では、Settings
タイプを使用してアプリケーションの情報を保存している。
- Settingsタイプを使用して、ユーザ名、ダークモード設定、フォントサイズを保存している。
- ユーザがUIを通じて設定を変更すると、自動的にSettingsタイプの対応するプロパティが更新される。
- アプリケーションを再起動すると、前回の設定が自動的に読み込まれる。
// Qt 6の場合
import QtQuick
import QtQuick.Window
import QtQuick.Controls
import QtCore
// Qt 5の場合
import QtQuick 2.15
import QtQuick.Window 2.15
import QtQuick.Controls 2.15
import Qt.labs.settings 1.0
Window {
width: 640
height: 480
visible: true
title: qsTr("Settings Example")
Settings {
id: appSettings
category: "MyApp"
// Linuxでは、~/.config/<組織名>/<アプリケーション名>/mysettings.iniに保存される
fileName: "mysettings.ini"
property string userName: ""
property bool darkMode: false
property int fontSize: 12
}
Column {
spacing: 10
anchors.centerIn: parent
TextField {
id: nameInput
placeholderText: "Enter your name"
text: appSettings.userName
onTextChanged: appSettings.userName = text
}
Switch {
id: darkSwitch
text: "Dark Mode"
checked: appSettings.darkMode
onCheckedChanged: appSettings.darkMode = checked
}
SpinBox {
id: fontSpin
from: 8
to: 24
value: appSettings.fontSize
onValueChanged: appSettings.fontSize = value
}
Button {
text: "Load Settings"
onClicked: {
var savedUsername = appSettings.value("username", "")
var savedTheme = appSettings.value("darkMode", false)
var savedFontSize = appSettings.value("fontSize", 12)
console.log("Username :", savedUsername)
console.log("Theme : ", savedTheme)
console.log("Font Size :", savedFontSize)
}
}
Button {
text: "Save Settings"
onClicked: {
appSettings.setValue("userName", nameInput.text)
appSettings.setValue("darkMode", darkSwitch.checked)
appSettings.setValue("fontSize", fontSpin.value)
console.log("Settings saved")
}
}
Button {
text: "Clear Settings"
onClicked: {
appSettings.clear()
console.log("All settings cleared")
}
}
}
}