MSP430G2553 - USB

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概要



使用可能なUSBコントローラ

MSP430G2553やMSP430F149はUSBコントローラを内蔵していないため、USB通信を実装するにはPDIUSBD12等の外付けのUSBコントローラチップが必要となる。

# MSP430マイコンとPDIUSBD12 (USBコントローラIC) は SPI / I2C接続

[MSP430G2553 / MSP430F149] <--> [PDIUSBD12] <--> [USBコネクタ]


ただし、PDIUSBD12は現在入手が難しくなってきており、新規設計では推奨されない。
そのため、USBコントローラ機能が内蔵されているMSP430 / MSP432シリーズに移行、あるいは、USB-UARTブリッジIC (FT232RL等) を使用する。

特にUSB-UARTブリッジICを使用する方法は、実装が容易であり、MSP430のUART機能を利用できる。
また、USB-UARTブリッジICでは、ホスト側のドライバも広くサポートされている。

入手可能な主なUSBコントローラチップを以下に示す。

Microchip

  • MCP2200
    USB-UARTコントローラ
  • MCP2221/A
    USB-UART/I2Cコントローラ
  • USB2512B / USB2513B
    USBハブコントローラ


FTDI

  • FT232RL / FT232H
    USB-UARTコントローラ (産業標準的な製品)
  • FT2232H
    デュアルUSB-UART/FIFO
  • FT4232H
    クワッドUSB-UART/FIFO


WCH

  • CH340
    低コストのUSB-UARTコントローラ
  • CH375
    汎用USBインターフェースコントローラ


Silicon Labs

  • CP2102N
    USB-UARTブリッジ
  • CP2130
    USB-SPIブリッジ


※注意

  • インターフェース要件
    UART接続が必要な場合は、FT232RLやCP2102Nがよく使用されている。
    SPI / I2C接続が必要な場合は、MCP2221AやCP2130が適切である。

  • 価格帯
    CH340は低コスト
    FTDI、Microchipの製品は信頼性重視の中価格帯

  • 入手性
    FTDI、Microchip、WCHの製品は世界的に流通が安定

  • 開発サポート
  • FTDI、Microchipの製品は豊富な開発ツールとドキュメントが利用可能であり、サポート体制が充実している。



USBコントローラIC

PDIUSBD12

PDIUSBD12は、フィリップス社 (現NXPセミコンダクターズ) が開発したUSBペリフェラルコントローラICである。

このICは、特に、マイコンベースのシステムにUSB機能を追加する時のインターフェースコントローラとして使用されてきた。
ただし、このICは古い世代の製品であり、現在は新しい設計には一般的にUSB機能を内蔵したマイコンを使用することが多い。

  • USB 1.1規格に準拠しており、フルスピード (12[Mbps]) をサポートしている。
  • シリアルインターフェース (I2CやSPI) を介してマイコンと接続可能。
  • 内蔵のUSBトランシーバ
  • エンドポイント・バッファメモリを搭載
  • 低消費電力設計



USBコントローラ搭載のMSP430マイコン

TIのMSP430シリーズには、USB機能を内蔵したマイコンがいくつか存在する。

MSP430F5xxxシリーズ

  • MSP430F5527 / MSP430F5528 / MSP430F5529
    USB 2.0フルスピード (12[Mbps]) 対応
    USBブートローダ機能搭載
    内蔵LDO (USB用の3.3[V]電源回路)
    豊富なペリフェラル (ADC、タイマ、UART等)


※注意
MSP430シリーズは古いマイコンであるため、新規設計ではTIのMSP432シリーズや他のARMベースのマイコンを検討することを推奨する。


VBUSラインの電源フィルタ

USBコネクタにおいて、VBUS端子にLCフィルタ等の電源フィルタを構成する場合がある。
これは、入力電源のリップル除去、負荷変動による電圧変動の抑制、デカップリング (高周波ノイズの除去) が目的である。

MSP430G2553 USB 1.png


  • USB 1.1 / 2.0の場合
    フルスピード (12[Mbps])、ハイスピード (480[Mbps]) では比較的低周波であり、電源ノイズの影響が比較的少ないため、数10[uH]程度。
  • USB 3.x
    電源の応答性確保および大きな電流 (900[mA]以上) に対応する必要があり、高速信号 (5[Gbps]以上) のため、より小さい値 (数十〜数百[nH]) を選択する。
    インダクタの自己共振周波数 (SRF) にも注意が必要となる。


インダクタ選定の注意

  • シールドインダクタまたはフェライトコアを使用したインダクタを選定する。
  • EMI規制への適合
  • 寄生容量による影響