Hyper-V Server 2016の構築

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概要

ここでは、Hyper-V Server 2016の構築方法を記載する。

  • 準備するもの
    • Hyper-V Server 2016(メモリが3.5[GB]程度消費するので注意すること)
    • Windows 10 Pro PC(Server ManagerでHVSをコントロールするため)


なお、ネットワーク越しにHyper-V Server 2016を操作する環境を構築する。
また,Hyper-V Server 2016はUSBメモリなどに展開して起動することもできるが、長期的な運用には向かないので、HDD / SSDを使用することが望ましい。

構築方法を大まかにまとめると下記の通りになる。

  1. Hyper-V Server 2016をDVDメディアからインストール
  2. Hyper-V Server 2016のセットアップ
    管理者パスワード設定
    ローカル管理者の追加
    ネットワーク設定
    リモート管理の構成
  3. Hyper-V Server 2016のファイアウォールの設定
    >netsh
    >advfirewall
    >firewall
    >set rule group=”リモート デスクトップ” new enable=yes
    >set rule group=”ファイルとプリンターの共有” new enable=yes
    >set rule group=”Windows リモート管理” new enable=yes
    >set rule group=”リモート イベントのログ管理” new enable=yes
    >set rule group=”リモート ボリューム管理” new enable=yes
    >exit
  4. Windows 10 ProがインストールされたクライアントPCのセットアップ
    サーバマネージャとHyper-Vマネージャのセットアップおよび動作確認



Hyper-V Server 2016をDVDメディアからインストール

  1. 下記のURLより,Hyper-V Server 2016のISOファイルをダウンロードする。
    https://www.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/evaluate-hyper-v-server-2016
     
  2. ISOファイルをDVDに書き込み、サーバへのインストールを開始する。
    (Hyper-V Server 2016のインストール手順)
    1. インストール画面が起動する。
    2. オプションを確認して、[次へ]ボタンを押下する。
    3. [今すぐインストール]ボタンを押下する。(セットアップが始まる)
    4. [同意します]チェックボックスにチェックを入れて、[次へ]ボタンを押下する。
    5. インストールの種類では、新規インストールするため[カスタム : 新しいバージョンの ...]項目を選択する。
    6. 必要ならば、パーティションの設定を行い、[次へ]ボタンを押下すると、インストールが始まる。
    7. インストール完了後、自動的に再起動する。



Hyper-V Server 2016のセットアップ手順

再起動後、Hyper-V Server 2016をセットアップする。

  1. 管理者パスワードを設定する。(2回入力する)
  2. パスワードの設定完了後、Sconfigが自動的に起動する。

    ここでは、ネットワーク越しにHyper-V Serverを制御することが目標のため、
    最低限の設定項目として、ローカル管理者の追加とネットワーク設定を行う。
    また、更新プログラムのダウンロードとインストール、リモートデスクトップの有効化も設定する方がよい。
    もし、リモート管理の構成が無効になっている場合は、必ず有効化する。

  3. [3) ローカル管理者の追加]を選択して、アカウント名を入力する。
  4. 入力したアカウント名のパスワードを2回入力する。
    パスワードの要件は、次の通りである。
    • ユーザのアカウント名またはフルネームの大部分を使用しない。
    • 長さは6文字以上にする。
    • 次の4つのカテゴリのうち、3種類の文字を使う。
      英大文字 (A - Z)
      英小文字 (a - z)
      10進数の数字 (0 - 9)
      アルファベット以外の文字 (!、$、#、% など)
  5. [8) ネットワーク設定]を選択して、ネットワークアダプターのインデックス番号を入力する。
  6. [1) ネットワーク アダプター アドレスの設定]を選択して、IPアドレスを入力する。(ここでは、DHCPを選択する)
  7. [DHCPが有効]の値が[True]になっていることを確認して、[4) メイン メニューに戻る]を選択する。



Hyper-V Server 2016のファイアウォールの設定

Hyper-V Server 2016のファイアウォールのルールを変更して、リモートデスクトップ接続やリモート管理に必要な通信を許可する。

※注意
"リモート デスクトップ"という文字列の"リモート"と"デスクトップ"の間には半角スペースが入っている。
全角スペースやスペースが無いとエラーが出るので注意すること。

  1. コマンドプロンプトにて次のコマンドを実行する。
  2. netsh
  3. advfirewall
  4. firewall
  5. set rule group=”リモート デスクトップ” new enable=yes
  6. set rule group=”ファイルとプリンターの共有” new enable=yes
  7. set rule group=”Windows リモート管理” new enable=yes
  8. set rule group=”リモート イベントのログ管理” new enable=yes
  9. set rule group=”リモート ボリューム管理” new enable=yes
  10. exit



Windows 10 ProがインストールされたクライアントPCのセットアップ

もし、サーバーマネージャーがインストールされていない場合は、
下記URLより、Windows 10用のリモートサーバー管理ツールをダウンロードしてインストールする。
https://www.microsoft.com/ja-JP/download/details.aspx?id=45520

もし、Hyper-Vマネージャーがインストールされていない場合は、コントロールパネルを開き、
[プログラムと機能] - [Windowsの機能の有効化または無効化] - [Hyper-V]にチェックを入れる。(再起動が必要になる場合がある)

サーバーマネージャーがインストールされている場合は、スタートメニューから[サーバーマネージャー]を起動する。

  1. [管理するサーバーの追加]を選択する。
  2. [DNS] - [検索]にコンピュータ名を入力して検索ボタン(▶)を押下して、[OK]ボタンを押下する。
  3. ここでは、上記でセットアップしたHyper-V Server 2016のコンピュータ名を入力する。
  4. サーバーマネージャーの画面に戻り、"最新の情報に更新できませんでした"と表示されるので、[すべてのサーバー]を選択する。
    管理状態に、[WinRMのネゴシエート認証エラー]が表示されていることを確認する。
  5. コマンドプロンプトにて、次のコマンドを入力する。
    winrm set winrm/config/client @{TrustedHosts=" Hyper-V Server 2016のコンピュータ名 "}
  6. 管理状態の[WinRMのネゴシエート認証エラー]と表示されていた箇所が、[オンライン - アクセスが拒否されました]と表示される。
  7. その該当箇所を右クリックして、[管理に使用する資格情報]を選択する。
  8. Hyper-V Server 2016のローカル管理者のユーザ名とパスワードを入力する。
    [このアカウントを記憶する]チェックボックスにチェックを入力して、[OK]ボタンを押下する。

    ※注意
    ユーザ名には[コンピュータ名\ローカル管理者のユーザ名]となる。(例 : コンピュータ名\local-user-name)

  9. [オンライン - パフォーマンスカウンターが開始されていません]と表示されれば接続が成功している。
    なお、パフォーマンスカウンターはサーバ名を右クリックして、[パフォーマンスカウンターの開始]を選択すれば消える。
  10. 次に、左部メニューの[Hyper-V]からサーバを選択して、右クリックして[Hyper-Vマネージャー]を選択すると、Hyper-Vマネージャー画面が起動する。
  11. Hyper-Vマネージャー画面にて、[操作]項目(右部メニュー)から[サーバーに接続...]を選択して、[別のコンピューター]ラジオボタンを選択する。
    Hyper-V Server 2016のコンピュータ名を入力して、[OK]ボタンを押下する。
  12. 左部メニューに、Hyper-V Server 2016のコンピュータ名が表示されれば、Hyper-Vマネージャーの接続が完了する。

    なお、エクスプローラのアドレス欄に[\\コンピュータ名\C$]と入力して、ユーザ名とパスワードを入力すると、
    Hyper-V Serverのフォルダにアクセスできる。(この時のユーザ名はローカル管理者のユーザ名でよい)