Avalonia UI - Avalonia XML

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概要

Avalonia UIのXMLマークアップ言語は、ユーザインターフェイスを宣言的に定義するための強力なツールである。
このマークアップ言語はXAMLに似ているが、Avaloniaに特化した機能と構文を持つ。

Avalonia XMLの基本構造は、ルート要素から始まり、<Window><UserControl>等のコントロールが使用される。
これらの要素内に、他のUIコンポーネントやレイアウトコントロールをネストして配置する。

以下の例では、ウインドウ内にStackPanelコントロールを配置して、その中にTextBlockコントロールとButtonコントロールを追加している。

 <Window xmlns="https://github.com/avaloniaui"
         xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
         Title="My Avalonia App" Height="300" Width="400">
    <StackPanel>
       <TextBlock Text="Welcome to Avalonia!"/>
       <Button Content="Click me"/>
    </StackPanel>
 </Window>


Avalonia XMLでは、コントロールのプロパティを属性として設定できる。
また、より複雑なプロパティの場合は、プロパティ要素構文を使用することもできる。

スタイリングとテーマ設定も、XMLマークアップ内で直接行うことができる。
Styles要素を使用してスタイルを定義して、特定のコントロールやクラスに適用することができる。

バインディングは、Avalonia XMLの重要な機能の1つである。
データコンテキストを設定して、{Binding}構文を使用してプロパティをバインドすることにより、View ModelとUIを連携させることができる。

コントロールテンプレートを使用する場合、既存のコントロールの外観や動作をカスタマイズすることができる。
これにより、アプリケーション全体で一貫したデザインを維持しつつ、独自のルックアンドフィールを定義することも可能である。

Avalonia XMLは、リソースディクショナリもサポートしており、色、ブラシ、スタイル等のリソースを1箇所で定義して、アプリケーション全体で再利用することができる。

Avalonia XMLはカスタムコントロールの定義およびユーザコントロールの定義もサポートしている。
これにより、再利用可能なUIコンポーネントを定義して、アプリケーション全体で使用することができる。


名前空間宣言

Avalonia XMLファイルの最上部で名前空間を宣言する。
これにより、使用する要素やプロパティの出処を指定する。

 xmlns="https://github.com/avaloniaui"
 xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"



要素構文

XMLの基本ルールに従い、要素は開始タグと終了タグで囲まれる。

 <ElementName>内容</ElementName>


自己終了要素も使用可能である。

 <ElementName />



属性構文

要素のプロパティは属性として設定できる。

 <ElementName Property1="Value1" Property2="Value2" />



プロパティ要素構文

複雑なプロパティ値の場合、プロパティ要素構文を使用する。

 <ElementName>
   <ElementName.PropertyName>
     複雑な値
   </ElementName.PropertyName>
 </ElementName>



マークアップ拡張

特殊な値や動的な値を設定する場合に使用する。(中括弧で囲む)

 Property="{MarkupExtension}"


主な種類を以下に示す。

  • バインディング
    データソースとUIをつなぐ。
    例: Text="{Binding Name}"

  • スタティックリソース
    定義済みリソースを参照する。
    例: Background="{StaticResource PrimaryBrush}"

  • テンプレートバインディング
    テンプレート内で親要素にバインドする。
    例: Content="{TemplateBinding Content}"



イベントハンドラ

コードビハインドのバインド

イベントをコードビハインドのメソッドにバインドする。

 <!-- 基本的な構文 -->
 <コントロール名 イベント名="コードビハインドで定義されたメソッド名"/>
 
 <!-- ボタンのクリックイベントをバインドする場合 -->
 <!-- OnButtonClickedというメソッドがコードビハインドに存在する必要がある -->
 <Button Click="OnButtonClicked">Click me</Button>


コードビハインドでの対応するメソッドは、以下に示すように定義する。

イベントハンドラメソッドは、2つのパラメータを受け取る。

  • sender
    イベントを発生させたオブジェクト
  • e
    イベント固有の追加情報を含むイベント引数


 public partial class MainWindow : Window
 {
    public MainWindow()
    {
       InitializeComponent();
    }
 
    private void OnButtonClicked(object sender, RoutedEventArgs e)
    {
       // イベントハンドラのロジックをここに記述
    }
 }


※注意

  • メソッド名の一致
    Avalonia XMLで指定したメソッド名とコードビハインドのメソッド名が完全に一致している必要がある。
  • アクセス修飾子
    イベントハンドラメソッドは、private または protected として定義する。
  • 部分クラス
    コードビハインドクラスはpartialとして定義することにより、XMLファイルと関連付けられる。
  • 名前空間
    XMLファイルとコードビハインドファイルが同じ名前空間にあることを確認する。


コマンドバインディング

コマンドバインディングは、Avalonia UIにおいて、ユーザインターフェースのアクションをビジネスロジックに結びつける強力な手法である。 これは、MVVM (Model-View-ViewModel) パターンを効果的に実装するための重要な要素である。
直接イベントハンドラをバインドする代わりに、コマンドを使用することもできる。

コマンドバインディングの基本概念を以下に示す。

  • 分離と再利用性
    コマンドを使用することにより、UIの動作とビジネスロジックを分離できる。
    これにより、同じロジックを異なるUIコントロールで再利用、あるいは、異なるビューで共有したりすることが容易になる。

  • ICommandインターフェース
    Avalonia UIでは、コマンドはICommandインターフェースを実装する。
    このインターフェースには、Executeメソッド (コマンドの実際の動作を定義) と CanExecuteメソッド (コマンドが実行可能かどうかを決定) が含まれる。

  • ViewModelでの定義
    コマンドは、ViewModelクラス内で定義される。
    これにより、ビジネスロジックをUIから分離して、テストやメンテナンスが容易になる。


以下の例では、ViewModelでのコマンドを定義している。

 public class MainViewModel : ViewModelBase
 {
    private ICommand _saveCommand;
    public ICommand SaveCommand => _saveCommand ??= new RelayCommand(ExecuteSave, CanSave);
 
    private void ExecuteSave()
    {
       // ロジックをここに実装
    }
 
    private bool CanSave()
    {
       // コマンドが実行可能かどうかの条件をここに実装
       return true;
    }
 }


以下の例では、XMLでのバインディングをしている。

 <Button Content="Save" Command="{Binding SaveCommand}"/>


コマンドバインディングのメリットを以下に示す。

  • 自動的な有効 / 無効の切り替え
    CanExecuteメソッドの結果に基づいて、関連するUIコントロールが自動的に有効 / 無効になる。
  • パラメータの受け渡し
    コマンドにパラメータを渡すことができ、より柔軟な実装が可能である。
     <Button Content="Delete" Command="{Binding DeleteCommand}" CommandParameter="{Binding SelectedItem}"/>
    

  • イベントとの統合
    特定のイベントをトリガーとしてコマンドを実行できる。
     <TextBox Text="{Binding SearchText}">
       <i:Interaction.Behaviors>
         <ia:EventTriggerBehavior EventName="TextChanged">
           <ia:InvokeCommandAction Command="{Binding SearchCommand}"/>
         </ia:EventTriggerBehavior>
       </i:Interaction.Behaviors>
     </TextBox>
    

  • テスト容易性
    ビジネスロジックがViewModelに分離されているため、ユニットテストが容易になる。

  • コードの再利用
    同じコマンドを複数のコントロールやビューで使用できる。

  • 非同期操作のサポート
    ReactiveCommand等を使用することにより、非同期操作を簡単に実装できる。
     public ReactiveCommand<Unit, Unit> LoadDataCommand { get; }
     
     public MainViewModel()
     {
        LoadDataCommand = ReactiveCommand.CreateFromTask(LoadDataAsync);
     }
     
     private async Task LoadDataAsync()
     {
        // 非同期データ読み込み処理
     }
    


コマンドバインディングを使用することにより、クリーンで保守性の高いコードを記述することができるため、UIとビジネスロジックの分離が促進される。
これは、特に大規模なアプリケーション開発において重要なメリットとなる。

イベント引数の変換

x:Argumentsを使用して、イベント引数を変換または追加することができる。

 <Button Click="OnButtonClicked">
   i:Interaction.Behaviors>
     <ia:EventTriggerBehavior EventName="Click">
       <ia:InvokeCommandAction Command="{Binding MyCommand}">
         <ia:InvokeCommandAction.CommandParameter>
           <x:Arguments>
             <x:String>Custom Parameter</x:String>
           </x:Arguments>
         </ia:InvokeCommandAction.CommandParameter>
       </ia:InvokeCommandAction>
     </ia:EventTriggerBehavior>
   </i:Interaction.Behaviors>
 </Button>



コレクション構文

要素のコレクションプロパティを設定する場合に使用する。

 <ElementName>
   <ElementName.CollectionProperty>
     <Item1 />
     <Item2 />
   </ElementName.CollectionProperty>
 </ElementName>



コメント

通常のXML形式でコメントを記述できる。

 <!-- これはコメントです -->



条件付きコンパイル

XAML内で条件付きコンパイルを使用できる。

 <ElementName x:if="条件">
   条件が真の場合のみ含まれる内容
 </ElementName>