電子部品 - ダイオード

電流-電圧特性

PN接合ダイオードの電流-電圧特性の式において、$I=I_{S}\left(e^{\frac {qV}{kT}}-1\right)$ である。

• I

  ダイオードに流れる電流

• Is

  逆方向飽和電流

• q

  電子の電荷

• V

  印加電圧

• k

  ボルツマン定数

• T

  絶対温度

補正項

PN接合ダイオードの電流-電圧特性の式において、"-1"の項は、$V=0$ (無バイアス)の時に電流 $I=0$ となるように設けられている補正項である。

これは、$V=0$ の時に、$e^{0}=1$ となり、この時の式は $I=0$ となる。
これは、物理的に正しい状態 (無バイアス時に電流が流れない) を表現している。

もし、"-1"の項が存在しない場合は、$V=0$ でも逆方向飽和電流I_Sが流れることになり、物理的に正しくないものとなる。

そのため、この補正項は理想ダイオードの特性を正確に表現するために必要不可欠な項となっている。

実際の電流-電圧特性

順方向電流 $I=I_{S}\left(e^{\frac {qV}{kT}}-1\right)$ は理想化したモデルから導出した式であり、実際のダイオードの挙動はこの式には当てはまらない。

小さな順バイアスの場合は上式となるが、順バイアスが増加するにつれて $e^{\frac {qV}{2kT}}$ に近づいていく。