電子回路 - 無安定マルチバイブレータ
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概要
電圧反転の現象
まず、以下に示すコンデンサの性質を「電圧の連続性」と呼ぶ。
- コンデンサは急激な電圧変化に抵抗する性質がある。
- コンデンサに蓄えられた電荷および電圧は瞬時には変化できない。
- 初期状態 (Q1がオフ -> オンに切り替わる直前)
- 電源電圧を10[V]、トランジスタのVbeを1[V]とする。
- C1の正極側は約10[V] (R2を通じて電源電圧)
- C1の負極側はQ2のVbe (約1[V])
- したがって、C1には9[V] (10[V] - 1[V])の電圧が充電されている。
- Q1がオンになった瞬間
- Q1がオンになるため、C1の正極側が急激に0[V]に下がる。
- C1に蓄えられた電位差 (9[V]) は瞬時には変化できない。
- そのため、正極側が0[V]になると、負極側は-9[V] (0[V] - 9[V]) になる。
また、この状態では、Q2のベース電圧が負になるため、Q2はオフ状態になる。
その後、R3を通じて充電が行われて、C1の負極側の電圧が徐々に上昇する。
C1の負極側の電圧がVbe (1[V]) まで上昇すると、Q2がオンになり、回路が反転動作を行う。
負電圧によりQ2がオフになり、その後の充電過程でQ2がオンになることで反転動作が行われる。