設定 - Rider
概要
Jetbrains Riderは、.NET開発のための強力なIDEである。
Riderにおける設定は、開発者の生産性を大きく向上させる重要な要素である。
Riderの設定は、直感的なインターフェースを通じて簡単にアクセスできる。
主な設定カテゴリには、エディタ、ビルド、実行、デバッグ、バージョン管理等がある。
エディタ設定では、コードの表示方法やフォーマットを細かく調整できる。
シンタックスハイライト、自動インデント、コードフォルディング等の機能をカスタマイズすることにより、ユーザエクスペリエンスを向上させることができる。
ビルド設定では、プロジェクトのコンパイル方法を制御する。
ビルド構成の管理、ターゲットフレームワークの選択、条件付きコンパイルシンボルの定義等が可能である。
実行とデバッグの設定は、アプリケーションのテストと問題解決に不可欠である。
ブレークポイントの動作、ステップ実行の挙動、変数の監視方法等をカスタマイズできる。
バージョン管理設定では、GitやSVN等のシステムとRiderの統合方法を調整できる。
コミットメッセージのテンプレート、差分表示のオプション、ブランチの管理方法等を設定することができる。
Riderは、キーボードショートカットの設定も充実しており、頻繁に使用する操作にカスタムキーバインドを割り当てることで、作業効率を大幅に向上させることができる。
また、プラグインシステムを通じて機能を拡張することも可能である。
必要に応じて追加のツールや言語サポートをインストールして、IDEをさらにパワフルにすることができる。
ただし、全ての設定を1度に変更せずに、開発を進めながら少しずつ自分に合った環境を作り上げていくことを推奨する。
デバッグ機能
Evaluate expressions
デバッグ時において、任意のタイミングで任意のパラメータの確認や評価をする場合、Evaluate expressionsを使用する。
Evaluate expressionsは、ブレークポイントで停止した地点で任意の式を評価して、その結果を細かく出力する機能である。
この機能は、ブレークポイントの停止時において、任意の変数名等を右クリックして[式の評価]を選択して、
[評価]ウインドウ上部にある[式:]項目に、任意の式、変数名、クラスのプロパティ名等を入力する。
また、[Ctrl] + [Alt] + [Q]キーを同時押下して[評価]ウインドウを開くことができる。
変数名の値を変更する場合、ウォッチポイントに表示されている変数名を右クリック、または、[F2]キーを押下して、[値の設定]を選択する。
Immediate Window
Riderのデバッグに関する機能において、最も強力な機能の1つがImmediate Windowである。
Immediate Windowは対話式でデバッグ操作を直感的に要求できる機能である。
デバッグを実行した場合、Immediate Windowは常に自動起動する。
Immediate Window内に任意の処理を対話式で入力する場合、対応する出力および処理を行うことができる。
Immediate Window内に出力する変数名、プロパティ名、オブジェクト名を入力することにより、その値やオブジェクトの情報を得ることができる。
また、Immediate Window内で代入処理を記述することにより、変数およびプロパティの値の変更も行うことができる。
任意のメソッドを呼び出すこともできる。
さらに、変数およびオブジェクトの定義も行うことができる。
例えば、Listクラスのオブジェクトを生成して、その要素を既存のListクラスに追加することができる。
Immediate Windowはデバッグに関する多くの機能を持っているため、活用することを推奨する。
typoの設定
[ファイル]メニューバー - [設定]を選択する。
[設定]画面の左「ペイン] - [エディター] - [スペル] - [ReSpeller]を選択する。
画面右ペインから、typo判定を行うケースの調整を行うことができる。
また、[可視性オプション]で対象メンバの設定、[ユーザー単語]で無視する単語の指定を行うことができる。
例えば、プロジェクト内の造語を無視する場合は、[ユーザー単語]に追加する。
ReSpellerは、[ソリューション "プロジェクト名" 個人用]を選択することにより、、ソリューションレイヤーでの設定の保存ができる。
ソリューションのディレクトリにある<ソリューション名>.sln.DotSettingsファイルをGit等のバージョン管理システムで共有することにより、プロジェクト内のメンバーで設定が利用できる。
ホットリロード
一時停止しているプログラムのソースコードを編集して、セッションを再起動することなくデバッグを続行できる。
影響を受けたプロジェクトは、バックグラウンドで再コンパイルされて、デバッガと同期する。
Riderでは、ホットリロードはデフォルトで有効化されている。
もし、別途設定が必要な場合は、[ファイル]メニューバー - [設定] - [ビルド、実行、デプロイ] - [ホットリロード] - [デバッグ時にホットリロードを有効にする]チェックボックスにチェックを入力することにより、
ホットリロードが有効化される。
ホットリロードが有効の場合、ソースコードの変更を適用するには2つの方法がある。
- [設定] - [ビルド、実行、デプロイ] - [ホットリロード] - [ステップおよび再開の際に変更を自動的に適用する]チェックボックスにチェックを入力する。
- ただし、デバッガが次のステップを実行する前、または、プログラムを再開する前において、変更内容がプロセスに送信されることに注意する。
- したがって、ソースコードの変更がビルドの失敗に繋がる場合は、デバッグセッションが壊れる可能性がある。
- ソースコードの変更内容によりデバッグセッションが壊れる可能性はあるが、ソースコードが各ステップでデバッガと同期していることを確認できる。
- このチェックボックスにチェックを入力しない場合は、プロセスをステップ実行または再開する時に変更はデバッガと同期されないため、変更を明示的に適用する必要がある。
エディタ画面上部に表示されるバナーから[変更を適用]を選択する、または、[Alt] + [Enter]キーを押下して、コンテキストメニューから[変更を適用]を選択する。- ただし、ソースコードの変更が現在ステップオーバーしている部分に影響しない場合に機能する。
- これは、Javaデバッガのホットスワップに似た動作である。