設定 - KDE
概要
KDEはLinuxの代表的なデスクトップ環境の1つであり、高度なカスタマイズ性と豊富な機能を特徴としている。
KDEの設定は非常に柔軟で、ユーザインターフェース、システム動作、アプリケーションの挙動等、様々な側面をユーザの好みに合わせて調整することができる。
KDEの設定の中心となるのは「システム設定」と呼ばれるツールである。
このツールを通じて、デスクトップの外観やテーマ、ウィンドウの挙動、入力デバイスの設定、ネットワーク接続、電源管理等、システム全体に関わる設定を行うことができる。
例えば、外観設定では、ウインドウスタイル、アイコンセット、カーソルテーマ、色彩スキーム等を選択できる。
これらの設定を組み合わせることで、完全にパーソナライズされたデスクトップ環境を作り上げることが可能である。
KDEの特徴的な機能の1つに「アクティビティ」がある。
これは、従来のデスクトップやワークスペースの概念を拡張したもので、
特定のタスクや作業環境に応じて、異なるウィジェット、アプリケーション、レイアウトを持つ独立したワークスペースを作成することができる。
また、KDEはウィジェットシステムを採用しており、デスクトップ上に様々な小型アプリケーションを配置することができる。
天気予報、システムモニター、カレンダー等の多様なウィジェットを利用して、情報へのアクセスを容易にすることが可能である。
さらに、KDEはショートカットキーやジェスチャーの設定も充実しており、キーボードやマウスの操作をカスタマイズすることで、効率的な作業環境を構築できる。
KDEの設定の多くは、設定ファイルとしてホームディレクトリ内に保存される。
これらのファイルを直接編集することで、より細かな調整やGUIでは提供されていない高度な設定を行うこともできる。
KDEの設定システムは非常に包括的で柔軟性が高く、初心者から上級者まで様々なユーザのニーズに対応できるように設計されている。
ユーザは自身の好みや作業スタイルに合わせて、細部にわたってデスクトップ環境をカスタマイズすることができる。
便利なソフトウェア
Okteta Editor
Oktetaは、バイナリファイルを編集するエディタである。
oktetaの主な機能を、以下に示す。
- テキストエディタに似た編集機能。
- データビューのための様々な設定が可能。
- 複数のファイルの編集。
- FTPまたはHTTPによるリモートでのファイル編集。
インストールについては、インストール - バイナリエディタ#Linux#Okteta Editor (KDE推奨)を参照すること。
KDiff3
KDiff3は、ファイルやフォルダの差分や結合を行うツールである。
- 2つまたは3つのテキスト入力ファイルまたはディレクトリを比較して、マージする。
- 行単位、文字単位で差分を表示する。
- 自動マージ機能を提供する。
- マージの衝突を快適に解決するためのエディタを備えている。
- KIOを介したネットワークの透過性を提供する。
- 空白文字やコメントで変更点をハイライトしたり隠したりするオプションがある。
- Unicode、UTF-8およびその他のファイルエンコーディングをサポートする。
- 差分を印刷することができる。
- バージョンコントロールのキーワードと履歴のマージをサポートする。
インストールについては、インストール - 差分ツール#KDiff3を参照すること。
qBitTorrent
パッケージ管理システムからインストールする場合
sudo zypper install qbittorrent
ソースコードからインストールする場合
qBitTorrentのビルドに必要なライブラリをインストールする。
ただし、2022/04現在で最新のqBitTorrentでは、Qt 5.15以降、Boost 1.65以降、openSSL 1.1.1以降、Zlib 1.2.11以降が必要であることに注意する。
sudo zypper install cmake gcc11 gcc11-c++ ninja zlib-devel libopenssl-devel libopenssl-1_1-devel libQt5Core-devel libqt5-qtbase-devel libQt5Gui-devel libQt5Widgets-devel \ # Qt 5を使用する場合 libQt5Xml-devel libQt5DBus-devel libqt5-qtsvg-devel libqt5-qttools-devel libQt5Network-devel # Qt 5を使用する場合 qt6-core-devel qt6-base-devel qt6-gui-devel qt6-widgets-devel \ # Qt 6を使用する場合 qt6-xml-devel qt6-dbus-devel qt6-svg-devel qt6-network-devel qt6-tools-devel # Qt 6を使用する場合 libboost_headers1_75_0-devel # パッケージ管理システムからBoostをインストールする場合 (例: qBitTorrent 4.6の場合、Boost 1.71以降が必要) systemd-devel # Systemdサービスを使用する場合
ソースコードからBoostをインストールする場合は、インストール - Boostを参照すること。
次に、Gitコマンドを使用して、libtorrentのソースコードをダウンロードする。
git clone --recurse-submodules https://github.com/arvidn/libtorrent.git cd libtorrent
libtorrentをビルドおよびインストールする。
mkdir build && cd build export BOOST_ROOT=<Boostのインストールディレクトリ>; \ cmake -G Ninja -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release \ -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<libtorrentのインストールディレクトリ> \ -DCMAKE_CXX_STANDARD=14 \ ..
ninja -j $(nproc) ninja install
qBitTorrentの公式Webサイトにアクセスして、qBitTorrentのソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf qbittorrent-<バージョン>.tar.xz cd qbittorrent-<バージョン>
qBitTorrentをビルドおよびインストールする。
ただし、ビルドにはGCC 8以降が必要となることに注意する。
mkdir build && cd build export BOOST_ROOT=<Boostのインストールディレクトリ && \ export LD_LIBRARY_PATH="/<libtorrentのインストールディレクトリ>/lib64" && \ cmake -DCMAKE_CXX_COMPILER=<GCC 8以降のg++ファイルのパス> \ -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<qBitTorrentのインストールディレクトリ> \ -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release \ -DQT6=ON \ # Qt 6を使用する場合 -DSYSTEMD=ON \ # Systemdサービスを使用する場合 ..
make -j $(nproc) または ninja -C . -j $(nproc) make install または ninja -C . install
KolourPaint
パッケージ管理システムからインストールする場合
sudo zypper install kolourpaint
ソースコードからインストールする場合
KolourPaintのビルドに必要なライブラリをインストールする。
sudo zypper install make cmake extra-cmake-modules gcc gcc-c++ \ ktextwidgets-devel kjobwidgets-devel libksane-devel \ libQt5Core-devel libQt5Widgets-devel libQt5PrintSupport-devel \ kguiaddons-devel kwidgetsaddons-devel kio-devel ki18n-devel kxmlgui-devel kdoctools-devel
KolourPaintのGithubにアクセスして、ソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf kolourpaint-<バージョン>.tar.gz cd kolourpaint-<バージョン>
KolourPaintをビルドおよびインストールする。
mkdir build && cd build cmake -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release \ -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<KolourPaintのインストールディレクトリ> \ .. make -j $(nproc) make install
Krita
AppImageを使用する場合 (推奨)
Kritaの公式Webサイトから、KritaのAppImageファイルをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルに実行権限を付加する。
chmod u+x <KritaのAppImageファイル>
パッケージ管理システムからインストールする場合
または、以下のコマンドを実行してインストールする。
sudo zypper install krita
ソースコードからインストールする場合
Kritaのビルドに必要なライブラリをインストールする。
sudo zypper install gcc cmake extra-cmake-modules boost1_75_0-jam libboost_headers1_75_0-devel libboost_system1_75_0-devel libboost_thread1_75_0-devel \ zlib-devel python3-devel python310-devel python3-qt5-devel python3-qt5-sip xinput subversion-devel xsimd-devel \ giflib-devel libjpeg62-devel libjpeg-turbo openjpeg2-devel libjxl-devel libpng16-devel libtiff-devel libwebp-devel \ libraw-devel libraw1394-devel libmypaint-devel libexiv2-devel openexr-devel OpenColorIO-devel gsl-devel kseexpr-devel \ libheif-devel fftw3-devel eigen3-devel liblcms2-devel libpoppler-devel libpoppler-glib-devel libpoppler-qt5-devel quazip-devel \ libQt5Core-devel libQt5Core-private-headers-devel libQt5Gui-devel libQt5Gui-private-headers-devel \ libQt5Widgets-devel libQt5Widgets-private-headers-devel libQt5Xml-devel libQt5Network-devel libQt5Network-private-headers-devel \ libqt5-qtsvg-devel libqt5-qtsvg-private-headers-devel libQt5Concurrent-devel libQt5Test-devel libQt5Test-private-headers-devel \ libQt5Sql-devel libQt5Sql-private-headers-devel libQt5PrintSupport-devel libQt5PrintSupport-private-headers-devel \ libQt5DBus-devel libQt5DBus-private-headers-devel libqt5-qtmultimedia-devel libqt5-qtmultimedia-private-headers-devel \ libqt5-qtx11extras-devel libQt5QuickControls2-devel libqt5-qtquickcontrols2-private-headers-devel \ kconfig-devel kwidgetsaddons-devel kcompletion-devel kcoreaddons-devel kcrash-devel \ kguiaddons-devel ki18n-devel kitemmodels-devel kitemviews-devel kwindowsystem-devel
もし、xsimd
およびJpegXL
ライブラリのバージョンが古い場合、または、ライブラリが存在しない場合、ソースコードからビルドしてインストールする必要がある。
- xsimdのインストール
- xsimdのGithubにアクセスして、ソースコードをダウンロードする。
- ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf <バージョン>.tar.gz
cd <バージョン>
- xsimdをビルドおよびインストールする。
mkdir build && cd build
cmake -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<xsimdのインストールディレクトリ> ..
make -j $(nproc)
make install
- JpegXLのインストール
- JpegXLのGithubにアクセスして、ソースコードをダウンロードする。
- ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf v<バージョン>.tar.gz
cd v<バージョン>
- JpegXLのビルドに必要なライブラリをインストールする。
./deps.sh # GoogleMocやGoogleTest等の依存関係を満たす
sudo zypper install doxygen giflib-devel libjpeg62-devel libpng16-devel libwebp-devel libwebpdecoder3 openexr-devel libavif-devel
- JpegXLをビルドおよびインストールする。
mkdir build && cd build
cmake -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<JpegXLのインストールディレクトリ> ..
make -j $(nproc)
make install
Kritaの公式WebサイトまたはGithubにアクセスして、ソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf krita-<バージョン>.tar.gz cd krita-<バージョン>
Kritaをビルドおよびインストールする。
cmake -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<Kritaのインストールディレクトリ> \ -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release .. make -j $(nproc) make install # または cmake -G Ninja -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<Kritaのインストールディレクトリ> \ -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release .. ninja -C . ninja -C . install
Kritaのデスクトップエントリファイルを作成する。
vi ~/.local/share/applications/Krita.desktop
# ~/.local/share/applications/Krita.desktopファイル [Desktop Entry] Type=Application Name=Krita GenericName=Digital Painting Comment=Digital Painting Exec=/<Kritaのインストールディレクトリ>/krita %F Icon=krita Categories=Qt;KDE;Graphics;2DGraphics;RasterGraphics; MimeType=application/x-krita;image/openraster;application/x-krita-paintoppreset; X-KDE-NativeMimeType=application/x-krita X-KDE-ExtraNativeMimeTypes= StartupNotify=true X-Krita-Version=28 StartupWMClass=krita # Always be the preferred handler for .kra files InitialPreference=99
Kdenlive
sudo zypper install Kdenlive
Ksnip
以下に示すSourceforgeのWebサイトから、KsnipのAppImageファイルをダウンロードする。
https://sourceforge.net/projects/ksnip
または、以下のコマンドを実行して、Ksnipをインストールする。
sudo zypper install ksnip
Flameshot
Flameshotをビルドするために必要なライブラリをインストールする。
sudo zypper install gcc cmake libopenssl-devel libopenssl-1_1-devel libQt5Core-devel libqt5-qtbase-devel libQt5Widgets-devel libQt5DBus-devel libqt5-qtsvg-devel libqt5-qttools-devel libQt5Network-devel
FlameshotのGithubにアクセスして、Flameshotのソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf flameshot-<バージョン>.tar.gz cd flameshot-<バージョン>
ビルド用ディレクトリを作成する。
mkdir build && cd build
Flameshotをビルドおよびインストールする。
cmake -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<Flameshotのインストールディレクトリ> -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release .. make -j $(nproc) make install
KDE Connect
KDE Connectをインストールする。
sudo zypper install kdeconnect-kde
KDE Connectが使用するファイヤーウォールのポートを開放する。
sudo firewall-cmd --permanent --add-port=1714-1764/tcp; \ sudo firewall-cmd --permanent --add-port=1714-1764/udp; \ sudo firewall-cmd --reload
KDEの設定
システム設定
初期設定では、マウスのシングルクリックでディレクトリやファイルを開く。
この設定をダブルクリックに変更する場合は、[KDE システム設定] - [ワークスペースの挙動] - [ワークスペース]で設定できる。
Klipperの無効
KDE向けのクリップボードソフトウェアであるKlipperを停止する場合は、タスクバーを右クリックして、[Editパネル]を選択する。
マウスカーソルをシステムトレイ付近に移動すると、[システムトレイ]ポップアップが表示されるので、[設定]を選択する。
[システムトレイの設定]画面右にある[システムサービス]項目 - [クリップボード]プルダウン - [Disabled]を選択して、Klipperを無効化する。
タスクバーの位置の変更
タスクバーを右クリックして[Editパネル...]を選択する。
[スクリーンエッジ]ボタンをドラッグしながら、画面の上下左右の端に移動することにより、タスクバーの位置を変更することができる。
デジタル時計の変更
- デジタル時計のフォーマットの変更
- タスクバーにあるデジタル時計を右クリックして[デジタル時計を設定...]を選択する。
- [デジタル時計の設定]画面左にある[Appearance] - 画面右の[Date Format:]プルダウンから[Custom]を選択する。
- [Custom]の下のテキストディットに、
yy/MM/dd
(例. 21/01/01のように表示される)等のように入力する。
- タスクバーにあるデジタル時計を右クリックして[デジタル時計を設定...]を選択する。
System Informationの表示の変更
[KDEシステム設定]の[System Information]の画像とタイトルを変更するには、
まず、以下のコマンドを実行して、設定ディレクトリの場所を確認する。(一般的には、/etc/xdgディレクトリである)
echo $XDG_CONFIG_DIRS
次に、環境変数$XDG_CONFIG_DIRSで表示されたディレクトリに、kcm-about-distrorcファイルを以下の内容で作成する。
以下の例では、SLE15 SP3向けの設定である。
画像ファイルは、/usr/share/iconsディレクトリに配置する。
sudo vi $XDG_CONFIG_DIRS/kcm-about-distrorc
# $XDG_CONFIG_DIRS/kcm-about-distrorcファイル [General] Name=SUSE Linux Enterprise LogoPath=/usr/share/icons/SUSE_Logo.png Website=https://www.suse.com/ Version=15 Variant=ServicePack 3
[KDEシステム設定]から[System Information]を選択して、画像や文字が変更されているか確認する。
Dolphinの組み込みターミナル
Dolphin上において、[Shift] + [F4]キーを同時押下することにより、任意のディレクトリでターミナルが起動する。
このターミナルの種類を変更するには、~/.config/kdeglobalsファイルに、以下の設定を追記する。
vi ~/.config/kdeglobals
# ~/.config/kdeglobalsファイル # ...略 [General] TerminalApplication=<ターミナルを起動するコマンド> # ...略
マルチモニタ
プライマリディスプレイの解像度が4K、セカンダリディスプレイ名の解像度がFHDの場合の設定を記載する。
まず、xrandr
コマンドを実行して、ディスプレイ名を確認する。
xrandr
次に、/etc/X11/xinit/xinitrc.d/50-xrandr.shファイルを作成して、以下のような設定を記述する。
sudo vi /etc/X11/xinit/xinitrc.d/50-xrandr.sh
xrandr --output <プライマリディスプレイ名> --auto --output <セカンダリディスプレイ名> --auto --scale <横の比率>x<縦の比率> --left-of <プライマリディスプレイ名> 例. # プライマリディスプレイ(4K)の左にセカンダリディスプレイ(FHD)がある場合 (1) xrandr --output HDMI-A-0 --primary --mode 3840x2160 --pos 0x0 --rate 60 --rotate normal --output DVI-D-0 --mode 1920x1080 --pos -3840x0 --rate 60 --rotate normal --scale 1.5x1.5 # プライマリディスプレイ(4K)の左にセカンダリディスプレイ(FHD)がある場合 (2) xrandr --output HDMI-A-0 --primary --mode 3840x2160 --pos 0x0 --rate 60 --rotate normal --output DVI-D-0 --mode 1920x1080 --rate 60 --rotate normal --scale 1.5x1.5 --left-of HDMI-A-0 # プライマリディスプレイ(4K)の右にセカンダリディスプレイ(FHD)がある場合 (1) xrandr --output HDMI-A-0 --primary --mode 3840x2160 --pos 0x0 --rate 60 --rotate normal --output DVI-D-0 --mode 1920x1080 --pos 3840x0 --rate 60 --rotate normal --scale 1.5x1.5 # プライマリディスプレイ(4K)の右にセカンダリディスプレイ(FHD)がある場合 (2) xrandr --output HDMI-A-0 --primary --mode 3840x2160 --pos 0x0 --rate 60 --rotate normal --output DVI-D-0 --mode 1920x1080 --rate 60 --rotate normal --scale 1.5x1.5 --right-of HDMI-A-0
[KDEシステム設定]を起動して、[起動と終了] - [バックグラウンドサービス]から、[KScreen 2]チェックボックスを無効にする。
Kscreen 2とは、ディスプレイの動的な着脱を管理しており、無効にすることで以下の2つの問題が解決する。
- ログイン時にKScreen 2がデスクトップの設定を自動変更して、FHDディスプレイのスケーリングと衝突してしまう。
- KScreen 2は、電源の切れたディスプレイから電源の入っているディスプレイに自動的に移動するため、ウインドウが異なる位置に復元されることがある。
ホットプラグ対応ディスプレイを搭載したラップトップPCを使用している場合は、必要に応じてKScreen 2を有効にするとよい。
もし、なんらかの理由でコンポジット機能が停止している場合、コンポジット機能を有効化 / 再有効化する必要がある。
そのため、以下のように、コンポジタが実行されているかどうかを確認するスプリプトを作成する。
vi ~/InstallSoftware/CheckCompositor/CheckCompositor.sh
# ~/InstallSoftware/CheckCompositor/CheckCompositor.shファイル
#!/usr/bin/env sh
#set -x
compositor_enabled=$(qdbus-qt5 org.kde.KWin /Compositor org.kde.kwin.Compositing.active)
if [ "$compositor_enabled" != "true" ]; then
notify-send -a "Check Compositor" -t 0 -i dialog-error.png 'Hardware -> Display and Monitor -> Compositor is disabled!'
fi
[KDEシステム設定]を起動して、[起動と終了] - [自動起動]を選択して、上記で作成したCheckCompositor.shを選択する。
Baloo
Balooは、KDE Plasmaのためのファイル索引および検索フレームワークである。
KDE Plasmaにおいて、Balooを使用して検索するには、以下の2つの方法がある。
- KRunnerを起動して、クエリを入力する。
- Dolphinを起動して、[Ctrl] + [F]キーを押下する。
標準では、Balooの検索機能には2つのオプションしか表示されていない。
ディレクトリをブラックリストに登録するパネルとワンクリックでブラックリストを無効にする方法である。
また、~/.config/baloofilercファイルを編集して、より詳細な機能を設定することもできる。
balooctlプロセスを利用して、Balooを制御することもできる。
Balooを停止および起動するにはbalooctl suspend
コマンド、再開するにはbalooctl start
コマンドを実行する。
Balooの不要なインデックスファイルを削除する場合は、~/.local/share/balooディレクトリに存在するファイルを全て削除する。
rm -rf ~/.local/share/baloo/*
Balooを無効にするには、以下のコマンドを実行する。(次回のログイン時に無効になる)
balooctl suspend balooctl disable
または、[KDEシステム設定]を起動して、[検索] - [ファイルの検索] - [ファイル検索を有効にする]チェックボックスを外す。
Balooのインデックスデータベースを完全に削除する場合、以下のコマンドを実行する。
balooctl purge
これにより、ファイルマネージャ等で表示される以下のエラーメッセージも解消される。
kf.kio.core: "Could not enter folder tags:/.".
テーマの変更
Plasmaテーマ
Plasmaテーマの設定方法を以下に示す。
- 方法 1
- ~/.local/share/plasma/desktopthemeディレクトリに配置する。
- 方法 2
- KDEシステム設定から[Plasmaスタイル] - [ファイルからインストール]ボタンを押下して、ダウンロードしたファイルを選択する。
- KDEシステム設定から[Plasmaスタイル] - [ファイルからインストール]ボタンを押下して、ダウンロードしたファイルを選択する。
- ROUNDED COLOR (推奨)
- Ocean
GTKテーマ
GTKテーマの設定方法を以下に示す。
- 方法 1
- ダウンロードしたファイルを解凍する。
- 解凍したディレクトリを、~/.local/share/themesディレクトリに配置する。
- KDEシステム設定から[アプリケーションスタイル] - [Configure GNOME/GTK Application Style] - [GTK2 theme]および[GTK3 theme]プルダウンから任意のテーマを選択する。
または
KDEシステム設定から[アプリケーションスタイル] - [Configure GNOME/GTK Application Style] - [Install From File]ボタンを押下して、任意のテーマを選択する。
- Cloudy SoftBlue Dark (推奨)
- Cloudy Dark Blue
アイコンテーマ
アイコンテーマの設定方法を以下に示す。
- 方法 1
- 解凍したディレクトリを、/usr/share/iconsディレクトリに配置する。
- 次に、KDEシステム設定から[アイコン] - [ファイルからインストール]ボタンを押下して、解凍したファイルを選択する。
- 方法 2
- 解凍したディレクトリを、~/.iconsディレクトリに配置する。
- 次に、KDEシステム設定から[アイコン] - [ファイルからインストール]ボタンを押下して、解凍したファイルを選択する。
- 方法 3
- まず、解凍したディレクトリを、~/.local/share/iconsディレクトリに配置する。
- 次に、KDEシステム設定から[アイコン] - [ファイルからインストール]ボタンを押下して、解凍したファイルを選択する。
- Fluent
- Obsidian
- Delft
カーソルテーマ
カーソルテーマの設定方法において、KDEシステム設定から[カーソル] - [ファイルからインストール]ボタンを押下して、ダウンロードしたファイルを選択する。
以下に、カーソルテーマを記載する。
- Volantes Cursors (推奨)
コンテキストメニュー
KDEにおいて、~/.local/share/kservice5ディレクトリは主にユーザ固有のサービス定義ファイルを格納するために使用される。
このディレクトリは、システム全体の設定 (通常は、/usr/share/kservices5ディレクトリ) よりも優先されるユーザ固有の設定を格納するために使用される。
これにより、ユーザは個人的なカスタマイズやサービス定義をシステム全体の設定を変更せずに行うことができる。
- デスクトップエントリファイル (.desktop)
- アプリケーションランチャーやメニューエントリの定義を含むファイル
- サービスタイプ定義ファイル (.desktop)
- KDEフレームワークで使用される特定のサービスタイプを定義するファイル
- プラグイン定義ファイル (.desktop)
- KDEアプリケーションやフレームワークで使用されるプラグインの定義ファイル
- MIMEタイプ定義ファイル (.xml)
- カスタムMIMEタイプの定義を含むXMLファイル
例えば、X11 / Wayland上でファイルパスをクリップボードにコピーする機能を実装することができる。
以下の例は、デスクトップエントリファイルを作成して、X11とWaylandの両方でファイルパスをコピーするサービスである。
これを動作させるには、xclipおよびwl-clipboardをインストールする必要がある。
# SUSE sudo zypper install xclip wl-clipboard
vi ~/.local/share/kservice5/CopyPath.desktop
# ~/.local/share/kservice5/CopyPath.desktopファイル
[Desktop Entry]
Type=Service
ServiceTypes=KonqPopupMenu/Plugin
Icon=/home/user/.icons/Clipboard.png
MimeType=all/all
X-KDE-Priority=TopLevel
Actions=copy-path
[Desktop Action copy-path]
Exec=sh -c 'path="%U"; path="${path%?}"; if command -v wl-copy >/dev/null 2>&1; then echo -n "$path" | wl-copy; elif command -v xclip >/dev/null 2>&1; then echo -n "$path" | xclip -selection clipboard; else kdialog --error "Neither wl-copy nor xclip is installed."; fi'
Name=Copy Path
Icon=edit-copy
その他の設定
KDEウォレットの有効化 / 無効化
- KDEウォレットの有効化
- [KDEシステム設定]を起動して、[KDEウォレット] - [ウォレットの設定]タブ - [KDEウォレットサブシステムを使う]チェックボックスのチェックを入力する。
- KDEウォレットの無効化
- [KDEシステム設定]を起動して、[KDEウォレット] - [ウォレットの設定]タブ - [KDEウォレットサブシステムを使う]チェックボックスのチェックを外す。
カレンダーリマインダーの無効化
KDE 5では、カレンダーリマインダーが標準で有効化されている場合が多い。
KDE起動時において、Calendar Remindersは自動起動しており、多くのRAMが消費される。
もし、Calendar Remindersのみを停止したい場合、まず、標準インストールされているKalendarの自動起動ファイルをホームディレクトリにコピーする。
cp /etc/xdg/autostart/org.kde.kalendarac.desktop ~/.config/autostart/
次に、Kalendarの自動起動ファイルを以下に示すように編集する。
vi ~/.config/autostart/org.kde.kalendarac.desktop
# ~/.config/autostart/org.kde.kalendarac.desktopファイル
# 編集前
X-KDE-autostart-condition=kalendaracrc:General:Autostart:true
# 編集後
X-KDE-autostart-condition=kalendaracrc:General:Autostart:false
Google Driveプラグイン (KIO GDrive)
KIO GDriveとは
Dolphinは、Google Driveの統合機能を提供している。
これは、KIO GDriveというKIO-Slaveによって実現されており、KIOを認識するソフトウェア(Dolphin、Kate、Gwenview等)が、
クラウド上のGoogle Driveファイルにアクセスして、編集することができる。
Google Driveにアクセスするためには、KDEオンラインアカウントでのサインインが必要となる。
Gnomeのカウンターパートとは異なり、こちらはネットワークディレクトリの下にあるGDriveディレクトリをロードする。
ファイルを修正するたびに、ローカルキャッシュディレクトリにコピーされる。
ファイルの修正が完了すると、修正したファイルをGDriveにアップロードするよう促される。
パッケージ管理システムからインストールする場合
# SUSE sudo zypper install kio-gdrive
ソースコードからインストールする場合
KIO-GDriveのビルドに必要なライブラリをインストールする。
# SUSE sudo zypper install libQt5Gui-devel libQt5Widgets-devel libQt5Network-devel libQt5Test-devel qtkeychain-qt5-devel \ ki18n-devel kdoctools-devel kio-devel libkgapi-devel kaccounts-integration-devel knotifications-devel
KIO-GDriveのGithubにアクセスして、ソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf kio-gdrive-<バージョン>.tar.gz cd kio-gdrive-<バージョン>
KIO GDriveをビルドおよびインストールする。
mkdir build && cd build cmake -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=Release -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<KIO-GDriveのインストールディレクトリ> .. make -j $(nproc) make install
PCを再起動、または、再ログインする。
または、以下に示すコマンドを実行して、KDEを再起動する。
kdeinit5
KIO GDriveの設定
KDEにおいて、KIO GDriveを使用する場合は以下に示すコマンドを実行する。
kioclient5 exec gdrive:/
または、[KDEシステム設定]から[オンラインアカウント] - [新しいアカウントを追加...]ボタンを押下して、[Google]を選択する。
サインイン画面が表示されるので、Eメールまたは電話番号、パスワードを入力する。
この時、GoogleアカウントをKDEアカウントに紐付ける必要がある。
Dolphinを起動して、画面左ペインにあるGoogleアカウントを選択すると、Googleアカウントに移動する。
エラー対処
サスペンド / ハイバネード復帰時のUI崩れ
NVIDIA製のGPUを使用している場合、GPUのドライバのバグにより、サスペンド / ハイバネードの復帰時にUIの描画が崩れるときがある。
この時、以下のコマンドを実行することでUIを再描画する。(エイリアスに追加することを推奨する)
killall plasmashell; plasmashell > /dev/null 2>&1 & disown
また、任意のディレクトリに以下のシェルスクリプトとデスクトップエントリファイルを作成後、グローバルショートカットキーに登録してもよい。
# KDE-Plasma-Restart.shファイル
#!/usr/bin/env sh
killall plasmashell; plasmashell > /dev/null 2>&1 & disown
# ~/.local/share/applications/KDE-Plasma-Restart.desktopファイル
[Desktop Entry]
Type=Application
Name=KDE Plasma Restart
GenericName=KDE Plasma Setting
Comment=KDE Plasma Restart Program
Exec=/<上記のシェルスクリプトファイルがあるディレクトリ>/KDE-Plasma-Restart.sh %F
Icon=<任意の画像ファイルのパス>
Terminal=false
Categories=Settings;
MimeType=application
KDE 5におけるアプリケーションランチャーの日本語入力
KDE 5において、初期状態ではアプリケーションランチャーの日本語入力ができない。
そのため、以下の手順でibusを設定する必要がある。
まず、~/.profileファイルまたは~/.ximファイルを作成して、以下の設定を記述する。
# ~/.profileファイルまたは~/.ximファイル
# ibusの設定
export XMODIFIERS="@im=ibus"
export GTK_IM_MODULE=ibus
export QT_IM_SWITCHER=imsw-multi
export QT_IM_MODULE=ibus
LANG=ja_JP.UTF-8 ibus-daemon -dx
次に、パネル(システムトレイ)からibusのアイコンを右クリックして、[Configure Input Method]を選択する。
[IBusの設定]画面から、[一般]タブ - [フォントとスタイル]項目 - [プロパティーパネルを表示する]プルダウンから、[自動的に隠す]を選択する。
同様に、[IBusの設定]画面から、[詳細]タブ - [グローバル入力メソッドの設定]項目 - [すべてのアプリケーション間で同じ入力メソッドを共有する]チェックボックスにチェックを入力する。
PCを再起動または再ログインして、アプリケーションランチャーの日本語入力および変換候補ウインドウが出力されるか確認する。
スケーリング時におけるKonsoleおよびYakuakeのスタッタリング
KDEにおいて、ディスプレイのスケーリングを設定を変更する時([KDEシステムの設定] - [ディスプレイの設定] - [Global scale:]項目)、
KonsoleおよびYakuakeのコンソール画面において、スタッタリングまたはティアリングが発生する場合がある。
これを解決するには、以下の手順を行う。
- 解像度がFHDの場合
- まず、Konsoleのメイン画面から、[設定]メニューバー - [現在のプロファイルを編集]を選択する。
- プロファイルの編集画面が起動するので、左ペインの[外観] - 右ペインの[その他]タブ - [Line spacing:]項目の値を
1
、[Margins:]項目の値を1
に設定する。 - 最後に、OSまたはKDEを再起動する。
- まず、Konsoleのメイン画面から、[設定]メニューバー - [現在のプロファイルを編集]を選択する。
- 解像度がWQHDまたは4Kの場合
- デスクトップエントリファイルを編集して、
Exec=QT_SCREEN_SCALE_FACTORS=1 konsole
およびExec=QT_SCREEN_SCALE_FACTORS=1 yakuake
と変更する。 - 再起動は不要である。
- デスクトップエントリファイルを編集して、
タッチパッドの設定が表示されない
KDEシステム設定の[入力デバイス]において、タッチパッドが表示されない場合、以下のファイルを開く。
vi ~/.config/touchpadrc
次に、未入力のままファイルを保存する。
KDEシステム設定の[入力デバイス]に、タッチパッドが表示されているかどうか確認する。