合同式の基礎

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概要

合同式について、合同式の意味、6つの性質、合同式が何の役に立つのかを記載する。


合同式とは

合同式とは、除算の余りに着目した等式のことである。

例えば、7と4は、どちらも3で除算した余りが1である。これを、合同式では、と記述する。
より一般に、aとbをnで除算した余りが等しいとき、合同式では、


合同式の性質

合同式の性質を6つ記載する。特に4 - 6が重要である。

1. 合同式の和

のとき、

例えば、では、なので、
が成立する。

2. 合同式の差

のとき、

3. 合同式の積

のとき、
特に、をよく使用する。

4. 合同式の商

で、aとpが互いに素ならばが成立する。
合同式の両辺をaで除算できる条件は、aとpが互いに素である場合のみである。

合同式において、加算、減算、乗算は普通の等式と同様に行うことができるが、除算はaとpが互いに素という条件が付く。(重要)
証明は、互いに素の意味と関連する三つの定理の定理2を参照する。

5. 合同式のべき乗

のとき、

例 :
1510を4で除算した余りを求るとき、1510を計算するには時間が掛かるので、なので、
この性質を用いると、と簡単に求まる。

この合同式の性質の証明は、二項定理またはの因数分解により証明することができる。
→因数分解公式(n乗の和と差)

6. 合同式の多項式

で、f(a)を整数係数多項式とするとき、
これは、合同式の性質1、3、5を組み合わせることで証明できる。


合同式を使うメリット

多くの整数問題の定理や性質は、合同式を用いることでスッキリとした形で記述することができる。

例 :
pが素数で、aがpと互いに素なとき、
→フェルマーの小定理の証明と例題


合同式を用いる難しい話題

合同式は、平方剰余、原始根、オイラーの定理、ウィルソンの定理、中国剰余定理など整数論の有名な定理の多くに登場する。