インストール - Rider

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概要

JetBrains Riderは、IntelliJプラットフォームとReSharperをベースにしたクロスプラットフォームの.NET IDEである。
Riderには、JS、CSS、HTML等のWeb開発関連のプラグインも付属しているので、Webシステム開発も同じ環境で開発できる。


Riderのインストール

Jetbrains Riderの公式サイトからRiderをダウンロードする。

ダウンロードしたファイルを解凍する。

tar -xf JetBrains-Rider-<バージョン>.tar.gz


次に、デスクトップエントリファイルを作成する。

vi ~/.local/applications/JetBrains_Rider.desktop


# ~/.local/applications/JetBrains_Rider.desktopファイル

[Desktop Entry]
Type=Application
Name=Rider <バージョン>
GenericName=Rider
Comment=Develop with pleasure
Exec=/<Riderのインストールディレクトリ>/bin/rider.sh %F
Icon=/<Riderのインストールディレクトリ>/bin/rider.png
StartupWMClass=jetbrains-rider
Terminal=false
Categories=Development;IDE;



ウォッチハンドルの設定

今日のIDEでは、VCSやビルドツール、コードジェネレータ等による変更等、外部からファイルの変更を把握することが不可欠である。
そのため、IntelliJプラットフォームでは、そのような変更を監視するためのバックグラウンドプロセスを実行している。
この方法は各プラットフォームで異なり、Linuxにおいては、Inotify機能を使用している。

Inotify機能において、プロジェクト内の各ディレクトリにウォッチハンドルを設定する必要がある。
しかし、ウォッチハンドルの初期値は、プロジェクトによっては十分ではない可能性がある。
IntelliJプラットフォームでは、ウォッチハンドルの制限に達する場合、ディレクトリツリーの再帰的なスキャンに戻ってしまう。

この状況を防ぐためには、ウォッチの上限を増加させることを推奨する。(例. 512K)
/etc/sysctl.confファイルまたは/etc/sysctl.d/ディレクトリに*.confファイル(例. idea.conf)に、以下の設定を追加する。

sudo vi /etc/sysctl.conf
または
sudo vi /etc/sysctl.d/idea.conf


# /etc/sysctl.confファイル または /etc/sysctl.d/idea.confファイル

fs.inotify.max_user_watches = 524288


上記の変更を適用するため、以下のコマンドを実行する。

sudo sysctl -p -system


Riderを起動している場合は、Riderを再起動する。

※注意
ウォッチの制限はアカウントごとの設定である。
もし、同一ユーザでInotifyを使用している他のソフトウェアが動作している場合は、全てのソフトウェアのニーズに合うように制限値を高くする必要がある。


Riderの起動

cd /<Riderのインストールディレクトリ>/bin
./rider.sh



Riderの設定

行番号と空白文字の表示

[File] - [Settings] - [Editor] - [General] - [Appearance]を選択する。
[Show line numbers]チェックボックスと[Show whitespaces]チェックボックスにチェックを入力する。

Samba上にプロジェクトを置く場合

External file changes sync may be slowを表示させないために、
[File] - [Settings] - [Appearance & Behavior] - [Notifications]から[File Watcher Messages]を[No popup]にする。


エラー関連

複数の.NET SDKをインストールしている場合、インストールされている最新の.NET SDKが強制的に使用される場合がある。
この時、プロジェクトディレクトリのトップディレクトリに対して、以下のコマンドを実行する。

dotnet new globaljson --force --sdk-version <.NET SDKのバージョン  例. 5.0.403>


別の方法として、global.jsonファイルのrollForwardmajorに変更する、または、rollForwardを削除する。

 // global.jsonファイル
 
 {
    "sdk": {
       "version": "5.0",
       "rollForward": "major",
       "allowPrerelease": false
    }
 }
 
 // または
 
 {
    "sdk": {
       "version": "5.0",
       "allowPrerelease": false
    }
 }



Riderの日本語化

Rider 2023.1(EAP2)以降、日本語化プラグインで日本語にローカライズ可能である。

  1. JetBrainsの公式Webサイトから、Japanese Language Packプラグインをダウンロードする。
    この時、zipファイルは解凍しないことに注意する。
  2. ダウンロードしたプラグインファイルを、<Riderのインストールディレクトリ>/pluginsディレクトリに配置する。
  3. Riderのメイン画面のメニューバーから、[Settings]または[Preferences] - [Plugins]を選択する。
  4. [Settings]画面の上側にある歯車ボタンから、[Install Plugin from Disk...]を選択する。
  5. 上記でダウンロードしたJapanese Language Packプラグインファイルを選択してインストールする。
  6. Riderを再起動して、正常にローカライズできたかどうかを確認する。



プラットフォームターゲットの変更

実行環境(x86やx64)を問わずに、適切なモードで実行できるAnyCPUという仕組みが存在する。

しかし、AnyCPUは、ソフトウェアを実行する時まで、x86またはx64のいずれかで動作するかどうかは不明なため、
AnyCPUをサポートしていない言語(例えば、C/C++言語やC++CLI言語で作成したDLL)を使用する場合、DllImportとの相性が悪い。

DllImportは、コンパイル時に動的ライブラリの読み込みパスを指定するため、実行時に動的ライブラリの呼び分けができない。
(x86の場合はxxx86.so、x64の場合はyyy64.soファイルを読み込む等)

プロジェクトファイルにおいて、プラットフォームターゲットを変更する手順を、以下に示す。

  1. ソリューションを開く。
  2. メイン画面の左ペインから、プロジェクト名を右クリック - [Properties...]を選択する。
  3. [プロジェクトプロパティ]画面が開くので、画面左ペインにある[Debug - AnyCPU] - 画面右ペインにある[Platform target:]プルダウンから[x64]を選択する。
  4. 同様に、画面左ペインにある[Release - AnyCPU] - 画面右ペインにある[Platform target:]プルダウンから[x64]を選択する。



外部コンソールの使用

Riderでは、出力コンソールを外部コンソールアプリケーションに変更することができる。
これにより、プログラムの実行時において、別ウインドウでコンソールが起動する。

なお、この設定はプロジェクトごとに個別に設定することが可能である。

  1. まず、プロジェクトの実行構成を開く。
    • [実行]メニューバー - [実行構成の編集]を選択する。
    • または、ツールバーの[実行構成]プルダウンの横にある編集ボタンを選択する。

  2. 該当する実行構成を選択して、以下に示す設定を変更する。
    1. [Run]タブを開く。
    2. [Run in external console]チェックボックスにチェックを入力する。

  3. [Apply]ボタンを押下して設定を保存する。


この設定は、以下に示すような場合に有効である。

  • Console.ReadKeyメソッド等の入力待ちを使用する場合
  • プログラムの実行結果をより見やすく表示する場合
  • IDE内蔵のコンソールで文字化け等の問題が発生する場合



Avalonia UI

Avalonia UI

Avalonia UIは、以前はDirect2Dをレンダリングエンジンとして使用していたが、現在はSkiaを主要なレンダリングエンジンとして採用している。
ただし、SkiaSharpを直接使用しているわけではない。

Avalonia UIのインストール

まず、インストール - .NET SDKを参照して、.NET SDKをインストールする。

Avaloniaテンプレートをインストールするため、以下のコマンドを実行する。

  • インストールされている.NET SDKが1つの場合

  • インストールされている.NET SDKが複数存在する場合
    現在、インストールされている.NET SDKのバージョンを確認する。
    dotnet --list-sdks

    任意のディレクトリに移動して、global.jsonファイルを作成するため、以下のコマンドを実行する。
    cd <任意のディレクトリ>
    dotnet new globaljson --sdk-version <.NETのバージョン 例. 5.0.403>

    Avaloniaテンプレートをインストールする。


次に、Avaloniaプラグインのインストールするため、Riderを起動して、[Configure]プルダウンから[Plugins]を選択する。
[Preferenes]画面が開くので、[Settings]アイコン - [Manage Plugin Repositories...]を選択する。
[+]アイコンを選択して、以下のURLを入力後、[OK]ボタンを押下する。

https://plugins.jetbrains.com/plugins/dev/14839


[Marketplace]タブを選択して、"Avalonia"を検索する。
"AvaloniaRider"を選択して、[Install]ボタンを押下する。
インストール完了後に表示される[Restart IDE]ボタンを押下する。

上記の設定により、RiderにおいてAvaloniaソフトウェアを開発する準備が整う。

Avaloniaプロジェクトを作成するには、以下に示す2つの方法がある。

  • RiderからAvaloniaの新規プロジェクトを作成する方法
    1. Riderのメイン画面から、[File]メニュー - [New...]から、
      [New Solution]画面左にある[Avalonia .NET Core App]または[Avalonia .NET Core MVVM App]を選択して、各項目を設定した後、[Create]ボタンを押下する。

  • dotnetコマンドを使用してAvaloniaの新規プロジェクトを作成する方法
    1. まず、Avaloniaテンプレートプロジェクトを作成する。
      Avaloniaのバージョンを指定しない場合
      dotnet new avalonia.app -o <Avaloniaプロジェクト名>

      Avaloniaのバージョンを指定する場合
      dotnet new avalonia.app -o <Avaloniaプロジェクト名> -A <Avaloniaのバージョン>
      dotnet new avalonia.app -o <Avaloniaプロジェクト名> --AvaloniaVersion <Avaloniaのバージョン>

      例1. dotnet new avalonia.app -o <Avaloniaプロジェクト名> -A 11.0.0-preview4
      例2. dotnet new avalonia.app -o <Avaloniaプロジェクト名> -A 0.10.18

    2. 次に、Riderを起動して、上記で作成した新規プロジェクトを開く。


Avalonia UIのアンインストール

Avaloniaをアンインストールする場合、dotnetコマンドを実行することにより、アンインストールコマンドが確認できる。

  1. Avaloniaのアンインストールコマンドを確認する
    dotnet new uninstall
    dotnet new -u (非推奨)

  2. Avaloniaをアンインストールする
    dotnet new uninstall <Avaloniaのパッケージ名>
    dotnet new -u <Avaloniaのパッケージ名> (非推奨)


Avalonia UIの詳細を知りたい場合は、Avaloniaの公式Webサイトのドキュメントを参照すること。


Uno Platform

Uno Platformのインストール

まず、インストール - .NET SDKを参照して、.NET SDKをインストールする。

Uno Plaformを動作させるため、以下の依存関係のライブラリをインストールする。

sudo zypper install gtk3-devel


Uno Platformテンプレートをインストールするため、以下のコマンドを実行する。

  • インストールされている.NET SDKが1つの場合
    dotnet new install Uno.Templates

  • インストールされている.NET SDKが複数存在する場合
    現在、インストールされている.NET SDKのバージョンを確認する。
    dotnet --list-sdks

    任意のディレクトリに移動して、global.jsonファイルを作成するため、以下のコマンドを実行する。
    cd <任意のディレクトリ>
    dotnet new globaljson --sdk-version <.NETのバージョン 例. 5.0.403>

    Uno Platformテンプレートをインストールする。
    dotnet new install Uno.Templates


現時点では、RiderにはUno Platform向けのテンプレートが存在しないため、Uno Platormプロジェクトを作成する場合は、以下のコマンドを実行する。

dotnet new unoapp -o <プロジェクト名>


Uno Platformを使用した設計方法は、以下に示す公式Webサイトを参照すること。
https://platform.uno/docs/articles/intro.html

※注意
Uno Platformテンプレートのインストールは、.NET SDKのバージョンごとに行われる。
つまり、テンプレートは、dotnet --versionコマンドで示されるバージョンに合わせてインストールされる。

インストールに使用したバージョンと異なるバージョンのテンプレートを使用する時、"No templates found matching: 〜."というエラーが発生することに注意する。

Uno Platformのアンインストール

Uno Platformをアンインストールする場合、dotnetコマンドを実行することにより、アンインストールコマンドが確認できる。

  1. Uno Platformのアンインストールコマンドを確認する。
    dotnet new uninstall
    dotnet new -u (非推奨)

  2. Uno Platformをアンインストールする。
    dotnet new unintall <Uno Platformのパッケージ名>
    dotnet new -u <Uno Platformのパッケージ名> (非推奨)