インストール - Pythonライブラリ
概要
Pythonには、PyPI(Python Package Index)と呼ばれるサードパーティライブラリを管理している場所がある。
PyPIはコミュニティが運営しているリポジトリのような仕組みであり、2019年4月時点で約17.5万のライブラリパッケージが登録されている。
PyPI – the Python Package Index
PyPIからライブラリをインストールするには、pip(The Python Package Installer)と呼ばれるツールを使用する。
これによりインターネットを経由したインストールが簡単にできる。
pip公式ドキュメント
例えば、エクセルの読み書きができるOpenPyXL、PDFページを操作するPyPDF2等のよく利用されているライブラリは、pipを用いてPyPIから簡単にインストールできる。
pipは、Python3.4以上(Python2の場合は2.7.9以上)であれば、プレインストールされている。
ここでは、pipを使用したライブラリのインストール・アップグレード方法について記載する。
注意点
Windowsの場合は、pipコマンドの前にpy -mを付けること。
(WindowsにPythonをインストールした状態では、パスが通っていないため、pipをそのまま実行することができない)
py -m pip install pypdf2
pyコマンドは、Pythonランチャー(py.exe)を実行するコマンドで、Pythonを最適なバージョンで起動する。
複数のPythonのバージョンがインストールされている場合は、最新バージョンのPythonを起動する。
そのため、古いバージョンのPythonにライブラリをインストールしたい場合は、以下のようにPythonのバージョンを明示してインストールする。
py -3.4 -m pip install pypdf2
また、複数のPythonがある場合は、違うバージョンにインストールしたライブラリは利用できないので気を付けること。
複数バージョンの管理についてはこちらのページを参考にする。
Pythonライブラリのインストール・アップデート
Pythonライブラリのインストール
ターミナルまたはPowershell(コマンドプロンプト)を起動して、pip installコマンドを実行する。
例えば、PyPDF2ライブラリ(PDF作成ライブラリ)をインストールするには、以下のようにコマンドを実行する。
pip install pypdf2
既にインストール済みの場合は、以下のようなメッセージが表示される。
Requirement already satisfied: pypdf2 in <ライブラリのパス>
Pythonライブラリのバージョンを指定してインストールする
以下のように、ライブラリ名の後に==でバージョン番号を付ける。
pip install pypdf2==1.25
また、以前のバージョンを指定すれば、バージョンを戻すこともできる。
Pythonライブラリのアップデート
以下のように、ライブラリ名の前に、--upgradeオプションまたは-Uオプションを付ける。
このオプションを付けても新規インストールは実行されるので、最初から付けていても構わない。
(ただし、ライブラリの依存関係に留意すること。[詳しくはこちらを参照])
pip install -U pypdf2
インストール済みのPythonライブラリが最新版かどうか確認する方法
--outdatedオプションを付けてpip listコマンドを実行する、
以下のように、最新ではないライブラリだけが表示される。
pip list --outdated
最新ではないライブラリが表示される。(sdistとwheelは提供されているフォーマット名である)
GDAL (1.11.5) - Latest: 2.2.3 [sdist] more-itertools (3.2.0) - Latest: 4.0.1 [wheel] pandas (0.20.3) - Latest: 0.21.1 [wheel] pytz (2017.2) - Latest: 2017.3 [wheel] ...
インストール可能なバージョン番号を調べる方法
インストール可能なバージョン番号は、以下のように、バージョン番号を空欄にしてエラーメッセージを表示させると分かる。
pip install pypdf2==
以下のようにインストール可能なバージョン番号が表示される。
Collecting pypdf2== Could not find a version that satisfies the requirement pypdf2== (from versions: 1.17, 1.18, 1.19, 1.20, 1.21, 1.22, 1.23, 1.24, 1.25, 1.25.1, 1.26.0) No matching distribution found for pypdf2==
インストール済みのPythonライブラリの確認
インストール済みのライブラリを確認するには、pip listコマンドを実行する。
pip list
警告が出る場合があるは、"近いうちにリスト表示をカラム形式に変更するので、今のままが良い場合は設定を変更してください"という内容なので、
特に表示形式に拘らなければそのままにする。
Pythonライブラリのアンインストール
ライブラリを指定してpip uninstallを実行するとアンインストールできる。
例えば、上記でインストールしたPyPDF2ライブラリをアンインストールするには、以下のコマンドを実行する。
pip uninstall pypdf2
依存するPythonライブラリを調べる方法
pip showコマンドで出力されるRequires:項目に依存するライブラリが表示される。
例えば、requestsライブラリ(Webから情報を取得するライブラリ)は、以下のようにchardet、urllib3、certifi、idnaという4つのライブラリに依存している。
pip show requests
Name: requests Version: 2.18.4 Summary: Python HTTP for Humans. Home-page: http://python-requests.org Author: Kenneth Reitz Author-email: me@kennethreitz.org License: Apache 2.0 Location: c:\users\ichiro\appdata\local\programs\python\python36-32\lib\site-packages Requires: chardet, urllib3, certifi, idna
また、pipdeptreeライブラリを使用すれば、更に詳細な依存関係を調べることができる。
pipdeptreeライブラリは、以下のコマンドでインストールできる。
pip install pipdeptree
pipdeptreeの使用方法を以下に示す。
pipdeptree -p requests
requests==2.18.4 - certifi [required: >=2017.4.17, installed: 2017.11.5] - chardet [required: <3.1.0,>=3.0.2, installed: 3.0.4] - idna [required: <2.7,>=2.5, installed: 2.6] - urllib3 [required: >=1.21.1,<1.23, installed: 1.22]
pip本体のアップデート
pipを利用していると、以下のようにpip自体のアップグレードを促すメッセージが表示されることがある。
You are using pip version 8.1.1, however version 9.0.1 is available. You should consider upgrading via the 'python -m pip install --upgrade pip' command.
このような場合は、メッセージに従って、以下のコマンドでpip本体をアップデートする。
pip install --upgrade pip または pip install -U pip
PyCharmにおけるPythonライブラリの管理
PyCharmでは、GUIで視覚的に確認しながらインストール作業ができる。
例えば、インストール済みのライブラリを一覧で表示できるので、管理しやすい。
PyCharmにおけるPythonライブラリのインストール
Pycharmの[Settings]画面で、画面左にある[project:<プロジェクト名>]項目から[Project Interpreter]を開く。
システムのインタプリタに既にインストールされているPythonライブラリ(Package)のリストが表示される。
ライブラリのリスト右上の[+]を選択すると、[Available Packages]画面が開く。
[Available Packages]画面左には、インストール可能なライブラリの一覧が表示される。
例えば、検索窓を利用して、flaskと入力すると、文字列が一致するライブラリがリストアップされるので、Flaskを選択する。
[Available Packages]画面右では、選択したライブラリの概要を確認できる。
[Install Package]ボタンを押下して、インストールを開始する。
インストール中は、下端に"installing package ..."とインジケータが表示される)
インストールが正常に完了すると、"Package <パッケージ名> installed successfully"と表示される。
[Project Interpreter]のリストに追加したパッケージが表示されるので確認する。
PyCharmにおけるPythonライブラリのアップデート
Pythonライブラリを更新するには、インストールと同様に、[Settings]画面で[Project Interpreter]を選択する。
インストール済みよりも新しいバージョンがある場合は、[Latest]項目に矢印が表示されるので、更新するライブラリを選択して[▲]を選択する。
更新が完了すると、"Package openpyxl successfully upgraded"と表示される。
PyCharmにおけるPythonライブラリのアンインストール
インストールと同様に、[Settings]画面で[Project Interpreter]を選択する。
アンインストールするPythonライブラリをリストから選択して、[-]を選択するとアンインストールが開始される。