インストール - Minecraft
概要
Minecraftは、2011年にMojang Studios (当時はMojang AB) によってリリースされた、サンドボックス型のビデオゲームである。
プレイヤーは3Dのブロックで構成された広大な世界で、自由に建築や採掘、クラフト (製作) を楽しむことができる。
ゲームモードには、資源を集めて生存を目指すサバイバルモード、無限の資源で自由に創造できるクリエイティブモードがある。
Minecraftの特徴は、その自由度の高さである。
プレイヤーは自分の想像力を活かして、小さな家から壮大な城まで、様々な建造物を作ることができる。
また、レッドストーンという素材を使用することにより、単純な機械から複雑な計算機まで様々な機構を作ることも可能である。
プログラミング学習との関連では、Minecraft Educationが特に注目されている。
これは教育用に特化したバージョンであり、プログラミング的思考を育むための機能が多く実装されている。
例えば、Code Builderツールでは、ビジュアルプログラミングやPythonを使用して、ゲーム内のキャラクターを制御することができる。
これにより、以下に示すような学習効果が期待できる。
- アルゴリズム的思考の育成
- 問題解決能力の向上
- プログラミングの基本概念の理解
実際の学習では、例えば、「キャラクターを指定した場所まで移動させる」という簡単な課題から、「効率的な建築を自動化する」のような複雑なプログラミングまで進めていくことができる。
また、マルチプレイヤー機能を活用することにより、生徒同士が協力してプログラミングプロジェクトに取り組むことも可能である。
これにより、コミュニケーション能力やチームワークも同時に育むことができる。
Minecraftは単なるゲームを超えて、創造性とプログラミング的思考を育む優れた教育ツールとしても機能している。
特に若い学習者にとって、ゲーム形式で楽しみながらプログラミングの基礎を学べる点が大きな特徴である。
実践的な活用例として、多くの教育機関では「家を建てるプログラムを作成する」「農場を自動化する」という具体的なプロジェクトを通じて、プログラミングの基礎から応用までを段階的に学ばせている。
Minecraftのバージョン
Minecraftには、大きく分けて以下に示す3つのバージョンが存在する。
無料体験版はあるものの、基本的には全て有料である。
バージョン | 対応OS | 価格 |
---|---|---|
Java版 | PC (Windows、MacOS、Linux) | 3,960円 |
統合版 | PC (Windows、MacOS、Linux) PS Nintendo Switch Xbox iOS Android Amazon Fire Oculus |
3,960円 5,780円 3,300円 4,500円 900円 860円 2,222円 860円 |
教育版 | PC (Windows、MacOS、Cromebook) Android、iOS、iPad |
14,900円 / 年 ※Microsoft 365のライセンス または、年間12ドル https://education.minecraft.net/ja-jp/get-started/download |
Minecraft Java & Bedrock Editionのインストール
Minecraft Java & Bedrock Editionは、Amazonから購入することもできる。
Minecraft Java & Bedrock Editionは、Java版と統合版の両方を1つのパッケージで楽しむことができる。
また、Amazonで購入できるオンラインコード版は、公式サイトよりも安く購入することができる。
Minecraft Java & Bedrock Edition |
---|
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Winodws 10 /11
Minecraftの公式Webサイトにアクセスして、Windows 10 / 11用のMinecraftをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを実行してインストールする。
もし、ダウンロードやインストールに失敗する場合は、Windows Legacy Launcherをダウンロードする。
Linux
Minecraftの公式Webサイトにアクセスして、Minecraftをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf Minecraft.tar.gz
必要ならば、Minecraftを任意のディレクトリに配置する。
mv Minecraft <任意のインストールディレクトリ>
Minecraftのデスクトップエントリファイルを作成する。
vi ~/.local/share/applications/Minecraft.desktop
# ~/.local/share/applications/Minecraft.desktopファイル
[Desktop Entry]
Version=1.0
Type=Application
Name=Minecraft Launcher
Comment=Official Minecraft Launcher
Exec=/<Minecraftのインストールディレクトリ>/minecraft-launcher
Icon=com.mojang.Minecraft
Categories=Game;Application;
StartupWMClass=minecraft-launcher
Terminal=false
Minecraft Educationのインストール
Minecraft Educationは、教育用に作られたMinecraftであり、以前は学校でのみ購入できた。
2021年5月のアップデートから、学校以外の団体や個人でも購入することができるようになった。
また、ライセンスが無い場合でも、無料で体験版が使用することができる。
Minecraft Educationのライセンス入手方法を以下に示す。
- 学校で購入したライセンスを利用する
- 通っている学校でMinecraft Educationのライセンスを購入している場合は、それを使用する。
- ただし、学校専用のPCでないと使用できない場合がある。
- 個人でMinecraft Educationのライセンスを購入する
- Microsoftの公式Webサイトにアクセスして、Minecraft Educationをダウンロードおよびインストールする。
- 個人でMinecraft Education向けのライセンスを購入する場合は、以下に示すURLにアクセスして、[キャンプ、クラブおよび組織]向けのライセンスを購入する必要がある。
- なお、Minecraft Educationの年間ライセンス費用は、年間12ドルである。
- https://education.minecraft.net/ja-jp/licensing
- Minecraft Educationを利用するには、Microsoft 365 Admin Centerアカウントの作成とMinecraft Educationのライセンス購入の2つが必要となる。
- 無料のマイクロソフトアカウントは使用できないことに注意する。
- ※注意
- Minecraft Educationの購入には、上記のライセンスの他にMicrosoft有料管理アカウントを持つ必要があるが、このMicrosoft管理アカウントは1人分まで無料で使用できる。
- そのため、個人で利用する場合は、Minecraft Educationの年間ライセンス費用のみでよい。
- なお、複数人でプレイする場合は、人数分のライセンスが必要となることに注意する。
- ライセンス購入後は、Microsoft 365 管理センターのページから、ユーザやライセンスの管理や認証方法の設定が必要となる。
Minecraftでプログラミングを無料で体験する方法
プログラミング学習において、無料で試すことができる方法がある。
- プログラミング学習サイト : Hour Of Code
- Minecraft Education (教育版Minecraft) のデモレッスン
- プログラミング教室の体験授業
プログラミング学習サイト : Hour Of Code (アワーオブコード)
無料のプログラミング学習教材を公開しているWebサイトであるHour Of Codeにおいて、Minecraft Adventurerを使用する。
これは、Minecraftのキャラクターであるスティーブやアレックスといったキャラクターに指示を出してミッションをクリアする形式である。
Minecraftの世界観でビジュアルプログラミングを学習することができる。
ただし、通常のMinecraftのようにブロックを設置して遊ぶことはできず、プログラミング学習が中心であることに注意が必要である。
また、スマートフォン、タブレット端末等でも使用することができ、操作は指示出し用のブロックを移動させてプレイする形式となる。
Minecraft Education (教育版Minecraft) のデモレッスン
学校やプログラミング教室等の教育機関で使用することを想定したMinecraft Education (教育版Minecraft) には、誰でも使用可能なデモレッスンが用意されている。
上記のHour Of Codeとは違い、実際にMinecraftのゲーム世界で操作しつつ、用意されたゴールに向かって1つずつ課題をクリアして楽しむことができる。
本来のMinecraft Educationには様々なコースがあるが、デモレッスンでプレイできるのはそのうち4コースのみである。
また、デモレッスンでは学習状態が保存できない等の違いがある。
それでも、無料でMinecraftを使用してプログラミング学習したい人にとっては、推奨される方法である。
Minecraft Educationの対応プラットフォームは、Windows、MacOS、Chromebook、Android、iPhone、iPadである。
Linuxは対応不可であることに注意する。
プログラミング教室の体験授業
現在では、様々なプログラミング教室が展開されている。
Minecraftを教材として扱うところも多いため、体験授業に参加してみるというのも選択肢の1つである。
標準機能のMinecraftを体験することができ、他の生徒と一緒に取り組む楽しさも味わうことができる。
プログラミング教室には学習効果を最大化するためのカリキュラムが用意されているため、自身で取り組むよりも効率的にプログラミングを習得することも可能である。
購入済みのMinecraftでのプログラミング学習
Make Code
Make Codeは、Minecraft Educationに組み込まれているMinecraft専用のブロック型のプログラミング言語である。
Minecraftでプログラミング学習に取り組む場合は、Microsoft社が開発したプログラミング環境であるMakeCodeを使用することができる。
これは、視覚的に学べるブロックプログラミングから上級者向けのテキストコーディングまで学ぶことができる。
ブロックを組み合わせてプログラミングするため、直感的に操作でき、プログラムの内容も理解しやすく、
また、JavaScriptやPythonによるテキストプログラミングも可能となっている。
小学生を対象にしたプログラミング教室では、Minecraft x MakeCodeがよく使用されている。
※注意
MakeCodeはMinecraft Educationで使用することを想定して開発されたものであるが、Code Connection拡張機能を別途インストールすることにより、統合版でも使用可能になる。
しかし、Code Connection拡張機能は、2023年8月に統合版でのサポートは既に終了している。
現在、統合版にCode Connectionを導入する場合、Minecraft本体のダウングレードやサードパーティ製ツールのインストールが求められる等、インストールが煩雑である。
そのため、MakeCodeは、Minecraft Educationで使用するほうがよい。
MODを導入してScrachと連携
MODと呼ばれる改造プログラムを導入して、プログラミング言語であるScratchと連携して学習することができる。
Scrachは、MakeCodeと同様のブロック型ビジュアルプログラミング言語であり、直感的にゲームへ指示を出すことができる。
MODを導入できるものはJava版Minecraftのみであるが、Minecraft Educationを購入せずにプログラミング学習ができる。
なお、Minecraftは、MODを導入してMinecraftに変更を加えることを認めている。
※注意
ただし、改造したゲームでグリーフィング (迷惑行為) を行うことやMODを導入したソフトウェアを勝手に配布してはならない。
Minecraftへログイン
Minecraftを起動して、1度ログインする。
ログイン画面では、[MICROSOFT LOGIN]ボタンを押下する。
Minecraft Launcherが開くので、[プレイ]ボタンを押下する。
Minecraft Forgeのインストール
まず、Minecraftを起動して、現在使用しているバージョンを確認する。
下図のように、Minecraft画面の左上にあるバージョンと同じバージョンのMinecraft Forgeをダウンロードする必要がある。
- Minecraft Forgeの公式Webサイトにアクセスして、Minecraft Forgeをダウンロードする。
- forge-<バージョン>-installer.jarに実行権限を付加する。
chmod u+x forge-<バージョン>-installer.jar
- forge-<バージョン>-installer.jarを実行する。
- クライアント版の場合
java -jar forge-<バージョン>-installer.jar
- サーバ版の場合
java -jar forge-<バージョン>-installer.jar --installServer
- クライアント版の場合
- [Install Client]を選択する。
- インストールディレクトリは、デフォルトで表示されているままにする。
- Linuxの場合
- /home/<ユーザ名>/.minecraft
- Windowsの場合
- C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\.minecraft
- Linuxの場合
- インストールディレクトリは、デフォルトで表示されているままにする。
- [OK]ボタンを押下する。
新しいワールドの作成
Modを導入するため、Minecraftを起動して、新しいワールドを作成する。
- [Singleplayer]を選択して、ワールド作成画面に移動する。
- まだ、新しいワールドが存在しないため、[Create New World]を選択して新しいワールドを作成する。
- [World Name]項目では、任意のワールド名を入力する。
- [Game Mode : Creative]に設定する。
- 設定後、[More World Options...]を選択する。
- [World Type : Superflat]を選択した後、[Create New World]を選択して、ワールド作成を開始する。
Raspberry Jam Modのインストール
Raspberry Jam Modは、Minecraftに対して外部入力を可能にするMODである。
Raspberry Jam ModのGithubにアクセスして、最新版をダウンロードする。
MODのファイルは、Minecraftのバージョンごとに合ったファイルをダウンロードすること。
解凍したディレクトリにあるRaspberryJamModファイルを、以下に示すディレクトリにコピーする。
- Linuxの場合
- /home/<ユーザ名>/.minecraft/mods
- Windowsの場合
- C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\.minecraft\mods
- Linuxの場合
Minecraftを起動した時、タイトル画面のMod Listの中にRaspberry Jam Modが含まれていることを確認する。
Scratchのインストールと連携
Scratch 3.0をダウンロードおよびインストールして、Minecraftを操作する。
まず、上記で作成したワールドを起動して、[Esc]キーまたは[/]キーを押下してMinecraftを一時停止する。
Minecraftを一時停止した後、Scratch 3.0のページを開いて[試す!]を選択する。
Webページの左下にあるアイコンを選択して、Micramming拡張機能を選択する。
Micrammingを導入した後、Minecraftに接続するためのブロックが表示される。
MinecraftとScratchを連携する場合、以下に示すことができるようになる。
- 建築
- ブロックをルールに従って配置する。
- 同じ建物を繰り返し文で作る。
- ブロックをランダムに配置する。
- 時間を決めて、ブロックを配置する。
- その他
- 自身の座標を確認する。
- 自身のキャラクターをテレポートさせる。
- できないこと
- ゲームモードやゲームルールを変更する。
- 天候を変える。
- アイテムを手持ちに加える。