インストール - LTSpice
概要
LTspiceは、SPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)ソフトウェアをベースとした高性能な回路シミュレータである。
当初、汎用シミュレータSPICEは、電子(特にアナログ)回路の動作をモデリング、解析、表示するために、1975年にカリフォルニア大学バークレー校のエレクトロニクス研究所で開発された。
LTspice XVII(2024/1現在)ソフトウェアは、SPICEアルゴリズムを使用して、業界標準の半導体とビヘイビアモデルのシミュレーションを非常に高速に実行する優れた回路図駆動型回路シミュレーションソフトウェアである。
ユーザフレンドリーなインターフェイスであり、ユーザは(標準的なコンポーネントシンボルやモデルを用いて)画面上で直接見ることができる回路を構築することができるため、
特定のフォーマットやシンタックスを持つSPICEデータ文を定義する回路を採用することなく、容易にシミュレーションすることができる。
回路図をキャプチャして、SPICEが容易に理解できるネットリストに変換する。
特定の回路に対して生成されたネットリストを保存して、同じ回路の後続の解析に使用することができる。
デジタル (単純な論理ゲート) シミュレーション機能も追加されており、
並列処理、動的アセンブリ、SPARSEマトリックスソルバーにおけるオブジェクトコード生成等、広範囲にわたる機能強化が含まれている。
LTspiceは、並列処理、動的アスセムブリー、SPARSEマトリックスソルバでのオブジェクトコード生成等、一連の幅広い機能強化が含まれている。
LTspiceには、抵抗、コンデンサ、インダクタ、ダイオード、OPアンプ、トランジスタ、FET等の部品モデルの幅広いライブラリが用意されており、回路図上にマウスで配置および接続することにより、目的の回路図を構築することができる。
内部に保存されているデバイスモデルのパラメータ値のリストに特定の数値(変数/式はシミュレータで有効な構文を使用して入力する必要がある)を入力するだけで、意図した動作を行うことができる。
また、オペアンプ、電圧レギュレータ、タイマ等の複雑なアナログコンポーネントのSPICEモデルを回路に含めることができる。
つまり、LTSpiceは、回路図上にグラフィカルに入力された回路をバックグラウンドで生成されるテキストネットリストによって解釈する。
ネットリストは、回路素子とそのノードのリスト、モデル定義、その他のSPICEコマンドで構成されており、回路図のドラフトを.ascというファイル名で保存している。
回路図上に描かれた回路がシミュレーションされる時、回路図のグラフィック情報からネットリスト情報が抽出されて、回路図と同じ名前で拡張子が.netのファイルに保存される。
このように、高周波エレクトロニクス、パワーエレクトロニクス、オーディオエレクトロニクス、デジタルエレクトロニクス、機械、物理等の分野で広く流通し、利用されているシミュレーションソフトウェアである。
自由に利用できるにもかかわらず、LTSpiceは、ノード、コンポーネント、サブサーキットに制限がないため、市場の多くのシミュレーションソリューションを凌駕している。
LTSpiceのインストール
CrossOverのインストール
RHEL
CodeWeaversの公式Webサイトにアクセスする。
[Red Hat、Fedora、またはその他のRPMベースのLinux]を選択して、CrossOverをダウンロードする。
(ダウンロードページに自身の情報を入力する必要がある)
まず、以下の依存関係のライブラリをインストールする。
sudo dnf install nss-mdns.i686 mesa-libGLU.i686 isdn4k-utils.i686 libgphoto2.i686 mpg123-libs.i686 openal-soft.i686 ocl-icd.i686 \ mesa-libOSMesa.i686 sane-backends-devel.i686 libxslt.i686 libnsl.i686 libnsl.x86_64 gstreamer1.i686 libxcrypt-compat
次に、ダウンロードしたCrossOverのRPMファイルをインストールするため、以下のコマンドを実行する。
sudo dnf install ./crossover-<バージョン名>.rpm # または sudo rpm -Uvh ./crossover-<バージョン名>.rpm
また、不足している依存関係のライブラリをインストールするには、以下のコマンドを実行する。
<CrossOverのインストールディレクトリ>/bin/cxfix --auto
SUSE
CodeWeaversの公式Webサイトにアクセスする。
[Other Linux not listed above]を選択して、CrossOverをダウンロードする。
または、wget
コマンドを実行して、CrossOverをダウンロードする。
wget http://crossover.codeweavers.com/redirect/crossover.bin
ダウンロードしたCrossOverのbinファイルにおいて、実行権限を付与する。
chmod u+x crossover.bin
crossover.binファイルを実行する。
./crossover.bin
CrossOverのインストールと同時に、以下の依存関係も自動的にインストールされる。
libX11-6-32bit libXau6-32bit libXcursor1-32bit libXext6-32bit libXfixes3-32bit libXi6-32bit libXrandr2-32bit libXrender1-32bit libglvnd-32bit libxcb1-32bit
もし、自動でインストールされない場合は、手動でインストールする。
sudo zypper install libX11-6-32bit libXau6-32bit libXcursor1-32bit libXext6-32bit libXfixes3-32bit libXi6-32bit libXrandr2-32bit libXrender1-32bit \ libglvnd-32bit libxcb1-32bit
次に、以下に示す依存関係のライブラリをインストールする。
sudo zypper install Mesa-32bit Mesa-dri-32bit Mesa-gallium-32bit Mesa-libGL1-32bit Mesa-libglapi0-32bit gnome-keyring-32bit \ libFLAC8-32bit libGLU1-32bit libLLVM11-32bit libXdamage1-32bit libXfixes3-32bit libXi6-32bit \ libXinerama1-32bit libXrandr2-32bit libXrender1-32bit libXxf86vm1-32bit libavahi-client3-32bit libavahi-common3-32bit libcups2-32bit \ libdrm2-32bit libdrm_amdgpu1-32bit libdrm_intel1-32bit libdrm_nouveau2-32bit libdrm_radeon1-32bit libedit0-32bit libglvnd-32bit \ libgstreamer-1_0-0-32bit libhogweed6-32bit libnettle8-32bit libogg0-32bit libp11-kit0-32bit libpciaccess0-32bit \ libsndfile1-32bit libspeex1-32bit libtasn1-6-32bit libunwind-32bit libvorbis0-32bit libvorbisenc2-32bit \ libxcb-dri2-0-32bit libxcb-dri3-0-32bit libxcb-glx0-32bit libxcb-present0-32bit libxcb-sync1-32bit \ libxcb-xfixes0-32bit libxshmfence1-32bit libxslt1-32bit
LTSpice XVIIのインストール
CrossOverメイン画面の左ペインにある[インストール]を選択して、右ペインにある検索項目で"LTSpice"と入力する。
LTSpice XVIIを選択して、LTSpiceをインストールする。
インストール時において、[LTSpice XVII Installer]画面が表示されるので、[Accept]ボタンを押下 - [Install Now]ボタンを押下する。
インストール完了後、LTSpiceが自動的に起動して、登録画面が表示される。
LTSpice 24のインストール
2024年8月現在、LTSpice 24はCross Overにインストールできない。
アナログデバイセズの公式Webサイトにアクセスして、LTSpice 24をダウンロードする。