インストール - 画面キャプチャ
概要
Linuxにおいて、デスクトップ画面を録画するソフトウェアはいくつか存在するが、ここではVokoscreenNG、OBS Studio、Kazamについて記載する。
VokoscreenNG
概要
VokoScreenの後継は、VokoscreenNG(NGはNew Generationの略)として生まれ変わった。
Qtベースのユーザーインターフェイスと一連の重要な機能を備えている。
パッケージ管理システムからインストール
以下のコマンドを実行してインストールする。
# RHEL sudo dnf install vokoscreenNG # SUSE sudo zypper install vokoscreenNG
ソースコードからインストール
vokoscreenNGのビルドに必要なライブラリをインストールする。
ただし、vokoscreenNG 4.0では、Qt 6.5ライブラリ以降が必要なことに注意する。
sudo zypper install pkg-config libpulse-devel libX11-devel wayland-devel wayland-protocols-devel \ qt6-tools-devel libqt5-qttools-devel qt6-base-devel qt6-base-common-devel qt6-linguist-devel qt6-multimedia-devel gstreamer-devel gstreamer-devtools-devel # FFmpeg 4をインストールする場合 ffmpeg-4-libavcodec-devel ffmpeg-4-libavdevice-devel ffmpeg-4-libavfilter-devel \ ffmpeg-4-libavformat-devel ffmpeg-4-libavutil-devel ffmpeg-4-libavresample-devel ffmpeg-4-libswscale-devel # FFmpeg 6をインストールする場合 ffmpeg-6-libavcodec-devel ffmpeg-6-libavdevice-devel ffmpeg-6-libavfilter-devel \ ffmpeg-6-libavformat-devel ffmpeg-6-libavutil-devel ffmpeg-6-libavresample-devel ffmpeg-6-libswscale-devel
vokoscreenNGのGithubにアクセスして、ソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf vokoscreenNG-<バージョン>.tar.gz cd vokoscreenNG-<バージョン>/src mkdir build && cd build
vokoscreenNGをビルドおよびインストールする。
qmake .. make -j $(nproc) make install
Simple Screen Recorder
概要
Simple Screen Recorderは、Linux用の画面キャプチャスフトウェアである。
ffmpegやavconv、VLCよりも使用しやすいという意味でシンプルである。
パッケージ管理システムからインストール
以下のコマンドを実行してインストールする。
# RHEL sudo dnf install simplescreenrecorder # SUSE sudo zypper install simplescreenrecorder
ソースコードからインストール
ソースコードをダウンロードするため、以下のコマンドを実行する。
mkdir ~/SSR && cd SSR git clone --recursive https://github.com/MaartenBaert/ssr src cd src
ソースコードをコンパイルするため、以下のコマンドを実行する。
cmake -DCMAKE_INSTALL_PREFIX="$HOME/SSR" -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release make
以下のコマンドを実行して、Simple Screen Recorderをインストールする。
make install
OBS Studio
概要
OBS Studioとは、ビデオ録画とライブストリーミングのための無料のオープンソースソフトウェアのことである。
ここでは、RHELとSUSEにおけるインストール方法を記載しているが、他のディストリビューションにインストールする場合は、公式Webサイトを参照すること。
※注意
LinuxでOBS Studioを使用するには、OpenGL 3.3以降が必要である。
システムでサポートされているOpenGLのバージョンを確認するために、以下のコマンドを実行する。
glxinfo | grep "OpenGL"
Packmanリポジトリを追加してインストール
SLE / openSUSE Leapの場合、PackmanリポジトリにあるFFmpegが必要なため(完全なコーデックが必要となるため)、Packmanリポジトリを追加する必要がある。
Packmanリポジトリを追加するには、設定 - SUSE_Linux#PackmanリポジトリとPackman_Essentialを参照すること。
OBS Studioをインストールする。
sudo zypper install obs-studio
ソースコードからインストール
OBS Studioのビルドに必要なパッケージをインストールする。
もし、パッケージ管理システムにlibspeexdsp-develパッケージが存在しない場合、speexdspのGitからソースコードをダウンロードしてビルドおよびインストールする。
# RHEL sudo dnf install make gcc gcc-c++ gcc-objc cmake git libX11-devel mesa-libGL-devel libv4l-devel pulseaudio-libs-devel libspeexdsp-devel x264-devel freetype-devel fontconfig-devel \ libXcomposite-devel libXinerama-devel qt5-qtbase-devel qt5-qtx11extras-devel qt5-qtsvg-devel libcurl-devel systemd-devel ffmpeg ffmpeg-devel luajit-devel python3-devel \ mbedtls mbedtls-devel swig # SUSE sudo zypper install cmake ninja pkg-config patterns-devel-base-devel_basis patterns-devel-C-C++-devel_C_C++ python3-devel \ libcurl-devel mbedtls-devel libjansson-devel luajit-devel \ swig libcmocka-devel libglvnd-devel librist-devel srt-devel pciutils-devel pipewire-devel \ ffmpeg-4-libavcodec-devel ffmpeg-4-libavdevice-devel ffmpeg-4-libavfilter-devel ffmpeg-4-libavformat-devel ffmpeg-4-libavutil-devel \ ffmpeg-4-libswresample-devel ffmpeg-4-libswscale-devel \ libX11-devel libxcb-devel libXinerama-devel libXcomposite-devel libXfixes-devel libXss-devel \ Mesa-libGL-devel Mesa-libGLESv1_CM-devel Mesa-libGLESv2-devel Mesa-libGLESv3-devel \ wayland-devel wayland-protocols-devel \ libx264-devel # Pacmanリポジトリが必要 # Qt 6を使用する場合 qt6-base-devel qt6-base-private-devel qt6-svg-devel qt6-wayland-devel qt6-imageformats-devel # Qt 5を使用する場合 libqt5-qtbase-devel libqt5-qtbase-private-headers-devel libqt5-qtsvg-devel libqt5-qtwayland-devel libqt5-qtx11extras-devel # プラグインのビルドに必要 alsa-devel libfdk-aac-devel fontconfig-devel freetype2-devel libjack-devel libpulse-devel sndio-devel speex-devel speexdsp-devel \ systemd-devel libv4l-devel vlc-devel libva-devel libvpl-devel nlohmann_json-devel asio-devel websocketpp-devel libdrm-devel
まず、OBS StudioのGithubにアクセスして、OBS Studioのソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
unzip OBS-Studio-<バージョン>.zip cd OBS-Studio-<バージョン>
または、git clone
コマンドを実行して、CEFのソースコードをダウンロードする。
git clone --recursive https://github.com/obsproject/obs-studio.git cd obs-studio
次に、CEFのソースコードをダウンロードする。
wget https://cdn-fastly.obsproject.com/downloads/cef_binary_5060_linux64.tar.bz2 tar -xjf ./cef_binary_5060_linux64.tar.bz2
OBS Studioをビルドおよびインストールする。
PipeWireのサポートを有効にするには、-DENABLE_PIPEWIRE
をON
に設定する。
ブラウザのソースサポートを無効にする場合(x86の場合等)、-DENABLE_BROWSER
オプションをOFF
に設定する。
mkdir build && cd build cmake .. \ -DCMAKE_C_COMPILER=<GCC 8以降のGCC> -DCMAKE_CXX_COMPILER=<G++8以降のG++> \ -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release \ -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<OBS Studioのインストールディレクトリ>" \ -DENABLE_AJA=OFF \ -DUNIX_STRUCTURE=1 \ -DBUILD_BROWSER=ON \ # ブラウザのソースサポートを有効にする場合 -DCEF_ROOT_DIR="../../cef_binary_5060_linux64" # ブラウザのソースサポートを有効にする場合 -DQT_VERSION=6 \ # Qt 6を使用する場合 -DQT_VERSION=5 \ # Qt 5を使用する場合 -DENABLE_PIPEWIRE=ON # PipeWireのサポートを有効にする場合 make -j $(nproc) make install
ビルド時において、LuaJITのパスの検索に失敗する場合、cmake
コマンドの-DLUAJIT_INCLUDE_DIR
オプションにLuaJITのパスを指定する。
-DLUAJIT_INCLUDE_DIR=/usr/include/luajit-<バージョン>
~/.profileファイル等に、環境変数LD_LIBRARY_PATH
を追記する。
vi ~/.profile
# ~/.profileファイル
export LD_LIBRARY_PATH="/<OBS Studioのインストールディレクトリ>/lib:$LD_LIBRARY_PATH"
OBS Studioのデスクトップエントリファイルを作成する。
# ~/.local/share/applications/OBS-Studio.desktop
[Desktop Entry]
Version=1.0
Type=Application
Name=OBS Studio
GenericName=Streaming/Recording Software
Comment=Free and Open Source Streaming/Recording Software
Exec=/<OBS Studioのインストールディレクトリ>/bin/obs
Icon=/<OBS Studioのインストールディレクトリ>/share/icons/obs.png
Terminal=false
Categories=AudioVideo;Recorder;
StartupNotify=true
StartupWMClass=obs
Kazam
概要
Kazamのインストール
SUSEにおいて、Kazamをインストールするには、リポジトリをシステムに追加してインストールする。
# SUSE 15.1 sudo zypper addrepo https://ftp.lysator.liu.se/pub/opensuse/repositories/GNOME:/Apps/openSUSE_Leap_15.1/ gnome-apps-x86_64 # SUSE 15.2 sudo zypper addrepo https://ftp.lysator.liu.se/pub/opensuse/repositories/GNOME:/Apps/openSUSE_Leap_15.2/ gnome-apps-x86_64
sudo zypper install kazam
Kazamのソースコードをダウンロードしてインストールするには、こちらのWebサイトにアクセスする。
Kazamの使用方法
録画の開始
Kazamを使用してデスクトップ画面を録画するには、以下の手順に従う。
- Kazamのメイン画面にて、[Screencast] - [Full Screen]タブを選択する。
- [When capturing include:]項目には、[Mouse cursors]、[Sound from speakers]、[Sound from microphone]のオプションがある。
[Mouse cursors]を選択して、スクリーンキャストにマウスを記録する。
スピーカーサウンドまたはマイクサウンドを録音する場合は、各オプションにチェックを入力する。 - Kazamのメイン画面下にある[Capture]ボタンを押下して、画面のキャプチャを開始する。
- [Capture]ボタンを押下すると、デスクトップ画面の中央にカウントダウンタイマが表示される。
カウントダウンが終了すると、デスクトップ画面の録画が始まる。
録画の終了
- 録画を終了するには、システムトレイにあるKazamアイコンを右クリックして、[Finish recording]を選択する。
- [Finish recording]を選択すると、保存ダイアログが表示されて、録画ファイルが保存できる。
特定のウインドウのみ録画する
- デスクトップ画面全体ではなく、特定のウインドウのみを録画する場合は、[Screencast] - [Window] - [Capture]を選択する。
特定の領域エリアのみ録画する
- 特定の領域を記録する場合は、[Screencast] - [Area]を選択する。
次に、マウスカーソルを任意のデスクトップ上でドラッグして録画する領域を選択して、[Capture]ボタンを押下する。
ハードコピーを採取する
Kazamは、スクリーンショットを採取することができる。
スクリーンショットを採取するには、Kazamのメイン画面の上部にある[Screenshot]を選択する。