その他 - 平衡圧力
ナビゲーションに移動
検索に移動
概要
平衡圧力は、物理学や工学で重要な概念である。
平衡圧力とは、系の中で相反する圧力が釣り合っている状態の圧力を指す。
- 系内の圧力が均等に分布している状態
- 複数の力が互いに打ち消し合い、正味の力がゼロとなっている時の圧力
例: 密閉容器内のガスが壁を押す圧力と、外からの大気圧が釣り合っている状態 液体の表面張力による内向きの圧力と、蒸気圧による外向きの圧力が釣り合っている状態 血管内の血圧と周囲組織からの圧力が釣り合っている状態
この平衡状態は、系が安定している状態を表しており、工学設計や生体システムにおいて重要な役割を果たす。
平衡が崩れると、系は新しい平衡状態に向かって変化しようとする。
実用的な応用例
- 圧力容器の設計
- 医療機器の開発
- 化学プロセスの制御
平衡圧力に関連する要素技術
以下に示す要素技術は、それぞれが独立して機能するのではなく、互いに連携しながら系全体の平衡圧力を維持する。
圧力制御技術
- 圧力センサ (圧力変換器)
- システム内の圧力を正確に測定して、リアルタイムでモニタリングする。
- 圧力調整弁
- 系内の圧力を目的の値に調整・維持するための機器である。
- フィードバック制御システム
- 測定された圧力値に基づいて、自動的に圧力を調整・制御する。
シール技術
- ガスケット・Oリング
- 系内の圧力を保持して、外部との気密性を確保する。
- メカニカルシール
- 回転機器等で使用される動的な条件下での気密性を確保する。
材料技術
- 耐圧材料の開発と選定
- 系の圧力に耐えられる強度を持つ材料に関する技術
- 応力解析
- 圧力による材料への影響を予測・評価する。
安全技術
- 安全弁・逃し弁
- 過度な圧力上昇を防ぐための保護機器である。
- 圧力モニタリングシステム
- 異常な圧力変動を検知して、警報を発する技術である。
基本方程式
力学的平衡条件
は、系にかかる全ての力の総和を表す。
静水圧の基本方程式
- P
- 深さhでの圧力
- P0
- 基準面 (通常は大気圧) での圧力
- ρ
- 流体の密度
- g
- 重力加速度
- h
- 深さ
理想気体の状態方程式における平衡
- P
- 圧力
- V
- 体積
- n
- モル数
- R
- 気体定数
- T
- 絶対温度
圧力勾配の方程式
- ∇P
- 圧力の勾配
- ρ
- 密度
- g
- 重力加速度ベクトル
ナビエ・ストークス方程式での平衡条件
平衡状態では左辺がゼロとなり、
- v
- 流速ベクトル
- μ
- 粘性係数
- ∇²
- ラプラシアン演算子
これらの方程式は、異なる状況下での平衡圧力である。
実用上では、上記の方程式を組み合わせたり、境界条件を加えたりして使用する。
上記の方程式が示す平衡状態は、必ずしも静的な状態だけではなく、動的な平衡状態も表現できるという点である。
例えば、流体の定常流れにおける圧力分布等も、これらの方程式で記述することができる。