概要RLC直列回路の合成インピーダンス
RLC並列回路は、抵抗R、コイルL、コンデンサCが並列に接続された回路で、下図のような回路になる。
図.4 抵抗R、コイルL、コンデンサCが直列接続の回路
直列回路の合成インピーダンス を求める場合、それぞれのインピーダンスを加算することにより求められる。
RLC直列回路の合成インピーダンス は、次式で与えられる。
なお、角周波数 である。
であるため、
となり、
RLC直列回路の合成インピーダンス のベクトルの向きは、複素数平面の右上(第1象限)または右下(第4象限)または実数軸上となる。
RLC直列回路の合成インピーダンス は、上式の虚部(\omega L - \frac{1}{\omega C})が正・負・ゼロの時、それぞれ のベクトルの向きが変わる。
したがって、 の時で、場合分けして考える必要がある。
- の場合
- 上式のリアクタンスが正になるため、合成インピーダンスのベクトルは、右上の向き(第1象限)になる。
- の場合
- 上式のリアクタンスが負になるため、合成インピーダンスのベクトルは、右下の向き(第4象限)になる。
- の場合
- 上式のリアクタンスが0になるため、合成インピーダンスのベクトルは、実数軸上の正の向きになる。( )
- この条件を満たす周波数は共振周波数であるため、コイルLとコンデンサCの直列回路部分は短絡状態と同じになる。
- また、 すなわち、 は、回路の共振条件である。
RL並列回路の合成インピーダンスRC並列回路の合成インピーダンスLC並列回路の合成インピーダンス
LC並列回路は、抵抗RとコンデンサCが並列に接続された回路で、下図のような回路になる。
図.3 コイルLとコンデンサCが並列接続の回路
並列回路の合成インピーダンス を求める場合、
それぞれのインピーダンスの逆数(アドミタンス)を加算して、その逆数をとることにより求められる。
LC並列回路の合成インピーダンス は、次式で与えられる。
なお、角周波数 である。
であるため、
となり、
LC並列回路の合成インピーダンス のベクトルの向きは、必ず、虚数軸上となる。
LC並列回路の合成インピーダンス は、上式の分母が正・負・ゼロの時、それぞれ のベクトルの向きが変わる。
したがって、 の時で、場合分けして考える必要がある。
- の場合
- 上式のリアクタンスが正になるため、合成インピーダンスのベクトルは、虚数軸上の正の向きになる。
- の場合
- 上式のリアクタンスが負になるため、合成インピーダンスのベクトルは、虚数軸上の負の向きになる。
- の場合
- 上式のリアクタンスが無限大になるため、合成インピーダンスのベクトルは、虚数軸上の正の向きに無限大となる。
- インピーダンスが無限大ということは、その回路は開放状態と同じになる。
- また、 すなわち、 は、回路の共振条件である。
RLC並列回路の合成インピーダンス
RLC並列回路は、抵抗R、コイルL、コンデンサCが並列に接続された回路で、下図のような回路になる。
図.4 抵抗R、コイルL、コンデンサCが並列接続の回路
並列回路の合成インピーダンス を求める場合、
それぞれのインピーダンスの逆数(アドミタンス)を加算して、その逆数をとることにより求められる。
RLC並列回路の合成インピーダンス は、次式で与えられる。
なお、角周波数 である。
であるため、
となり、
RLC並列回路の合成インピーダンス のベクトルの向きは、複素数平面の右上(第1象限)または右下(第4象限)または実数軸上となる。
RLC並列回路の合成インピーダンス は、上式の分子(特に、 )が正・負・ゼロの時、それぞれ のベクトルの向きが変わる。
したがって、 の時で、場合分けして考える必要がある。
- の場合
- 上式のリアクタンスが正になるため、合成インピーダンスのベクトルは、右上の向き(第1象限)になる。
- の場合
- 上式のリアクタンスが負になるため、合成インピーダンスのベクトルは、右下の向き(第4象限)になる。
- の場合
- 上式のリアクタンスが0になるため、合成インピーダンスのベクトルは、実数軸上の正の向きになる。( )
- この条件を満たす周波数は反共振周波数であるため、コイルLとコンデンサCの並列回路部分は開放状態と同じになる。
- また、 すなわち、 は、回路の共振条件である。