「回路計算 - 合成インピーダンス」の版間の差分

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&= \frac{1}{\dot{Y_1} + \dot{Y_2}} \\
&= \frac{1}{\dot{Y_1} + \dot{Y_2}} \\
&= \frac{1}{\frac{1}{4 + j3} + \frac{1}{6 - j8}} = \frac{(4 + j3)(6 - j8)}{4 + j3 + 6 - j8} = \frac{48 - j14}{10 - j5} \\
&= \frac{1}{\frac{1}{4 + j3} + \frac{1}{6 - j8}} = \frac{(4 + j3)(6 - j8)}{4 + j3 + 6 - j8} = \frac{48 - j14}{10 - j5} \\
&= \frac{(48 - j14)(10 + j5)}{125} = \frac{550 + j100}{125} = \frac{22 - j4}{5} \\
&= \frac{(48 - j14)(10 + j5)}{125} = \frac{550 + j100}{125} = \frac{22 + j4}{5} \\
&= \frac{22}{5} - j \frac{4}{5} \\
&= \frac{22}{5} + j \frac{4}{5}
\end{align}
</math><br>
<br>
したがって、インピーダンス <math>\dot{Z}</math> の大きさは、<br>
<math>
\begin{align}
\left | Z \right | &= \sqrt{\left ( \frac{22}{5} \right)^2 + \left ( \frac{4}{5} \right )^2} \\
\left | Z \right | &= \sqrt{\left ( \frac{22}{5} \right)^2 + \left ( \frac{4}{5} \right )^2} \\
&= \dfrac{1}{5} \sqrt{22^2 + 4^2} \\
&= \dfrac{1}{5} \sqrt{500} \\
&= 2 \sqrt{5} \\
& \cong 4.47 \, [\Omega]
& \cong 4.47 \, [\Omega]
\end{align}
\end{align}
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<br>
<br>
または、次式のように求めることもできる。<br>
または、次式のように求めることもできる。<br>
<math>|I| = \sqrt{20^2 + 10^2} = 10 \sqrt{5} \, [\mbox{A}]</math><br>
<math>|I| = \sqrt{I_{1}^{2} + I_{2}^{2}} = \sqrt{20^2 + 10^2} = 10 \sqrt{5} \, [\mbox{A}]</math><br>
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__FORCETOC__
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[[カテゴリ:回路計算]]
[[カテゴリ:回路計算]]

2025年1月15日 (水) 14:10時点における最新版

概要

回路の受動素子(抵抗R、コイルL、コンデンサC)が直列接続または並列接続されている場合の合成インピーダンスの計算手順を記載する。


RL直列回路の合成インピーダンス

RL直列回路は、抵抗RとコイルLが直列に接続された回路で、下図のような回路になる。

CircuitCalc Synthetic Impedance 5.png
図.1 抵抗RとコイルLが直列接続の回路



直列回路の合成インピーダンスを求める場合、それぞれのインピーダンスを加算することにより求められる。

RL直列回路の合成インピーダンスは、次式で与えられる。
なお、角周波数である。

  • 複素数表示の場合



であるため、となり、
RL直列回路の合成インピーダンスのベクトルの向きは、必ず右上向き(複素数平面の第1象限)になる。

  • 合成インピーダンスの大きさの場合




RC直列回路の合成インピーダンス

RC直列回路は、抵抗RとコンデンサCが直列に接続された回路で、下図のような回路になる。

CircuitCalc Synthetic Impedance 6.png
図.2 抵抗RとコンデンサCが直列接続の回路



直列回路の合成インピーダンスを求める場合、それぞれのインピーダンスを加算することにより求められる。

RC直列回路の合成インピーダンスは、次式で与えられる。
なお、角周波数である。

  • 複素数表示の場合



であるため、
となり、
RC直列回路の合成インピーダンスのベクトルの向きは、必ず右下向き(複素数平面の第4象限)になる。

  • 合成インピーダンスの大きさの場合




LC直列回路の合成インピーダンス

LC直列回路は、抵抗RとコンデンサCが直列に接続された回路で、下図のような回路になる。

CircuitCalc Synthetic Impedance 7.png
図.3 コイルLとコンデンサCが直列接続の回路



直列回路の合成インピーダンスを求める場合、それぞれのインピーダンスを加算することにより求められる。

LC直列回路の合成インピーダンスは、次式で与えられる。
なお、角周波数である。

  • 複素数表示の場合



であるため、
となり、
LC直列回路の合成インピーダンスのベクトルの向きは、必ず、虚数軸上となる。

LC直列回路の合成インピーダンスは、上式の分母が正・負・ゼロの時、それぞれのベクトルの向きが変わる。
したがって、の時で、場合分けして考える必要がある。

  • の場合
    上式のリアクタンスが正になるため、合成インピーダンスのベクトルは、虚数軸上の正の向きになる。

  • の場合
    上式のリアクタンスが負になるため、合成インピーダンスのベクトルは、虚数軸上の負の向きになる。

  • の場合
    上式のリアクタンスが0になるため、合成インピーダンスのベクトルは、複素数平面の原点Oとなる。
    インピーダンスが0ということは、その回路は短絡状態と同じになる。

    また、 すなわち、 は、回路の共振条件である。


  • 合成インピーダンスの大きさの場合




RLC直列回路の合成インピーダンス

RLC並列回路は、抵抗R、コイルL、コンデンサCが並列に接続された回路で、下図のような回路になる。

CircuitCalc Synthetic Impedance 8.png
図.4 抵抗R、コイルL、コンデンサCが直列接続の回路



直列回路の合成インピーダンスを求める場合、それぞれのインピーダンスを加算することにより求められる。

RLC直列回路の合成インピーダンスは、次式で与えられる。
なお、角周波数である。

  • 複素数表示の場合



であるため、
となり、
RLC直列回路の合成インピーダンスのベクトルの向きは、複素数平面の右上(第1象限)または右下(第4象限)または実数軸上となる。

RLC直列回路の合成インピーダンスは、上式の虚部()が正・負・ゼロの時、それぞれのベクトルの向きが変わる。
したがって、の時で、場合分けして考える必要がある。

  • の場合
    上式のリアクタンスが正になるため、合成インピーダンスのベクトルは、右上の向き(第1象限)になる。

  • の場合
    上式のリアクタンスが負になるため、合成インピーダンスのベクトルは、右下の向き(第4象限)になる。

  • の場合
    上式のリアクタンスが0になるため、合成インピーダンスのベクトルは、実数軸上の正の向きになる。()
    この条件を満たす周波数は共振周波数であるため、コイルLとコンデンサCの直列回路部分は短絡状態と同じになる。

    また、 すなわち、 は、回路の共振条件である。


  • 合成インピーダンスの大きさの場合




RL並列回路の合成インピーダンス

RL並列回路は、抵抗RとコイルLが並列に接続された回路で、下図のような回路になる。

CircuitCalc Synthetic Impedance 1.png
図.5 抵抗RとコイルLが並列接続の回路



並列回路の合成インピーダンスを求める場合、
それぞれのインピーダンスの逆数(アドミタンス)を加算して、その逆数をとることにより求められる。

RL並列回路の合成インピーダンスは、次式で与えられる。
なお、角周波数である。

  • 複素数表示の場合



であるため、
となり、
RL並列回路の合成インピーダンスのベクトルの向きは、必ず右上向き(複素数平面の第1象限)になる。

  • 合成インピーダンスの大きさの場合




RC並列回路の合成インピーダンス

RC並列回路は、抵抗RとコンデンサCが並列に接続された回路で、下図のような回路になる。

CircuitCalc Synthetic Impedance 2.png
図.6 抵抗RとコンデンサCが並列接続の回路



並列回路の合成インピーダンスを求める場合、
それぞれのインピーダンスの逆数(アドミタンス)を加算して、その逆数をとることにより求められる。

RC並列回路の合成インピーダンスは、次式で与えられる。
なお、角周波数である。

  • 複素数表示の場合



であるため、
となり、
RC並列回路の合成インピーダンスのベクトルの向きは、必ず右下向き(複素数平面の第4象限)になる。

  • 合成インピーダンスの大きさの場合




LC並列回路の合成インピーダンス

LC並列回路は、抵抗RとコンデンサCが並列に接続された回路で、下図のような回路になる。

CircuitCalc Synthetic Impedance 3.png
図.7 コイルLとコンデンサCが並列接続の回路



並列回路の合成インピーダンスを求める場合、
それぞれのインピーダンスの逆数(アドミタンス)を加算して、その逆数をとることにより求められる。

LC並列回路の合成インピーダンスは、次式で与えられる。
なお、角周波数である。

  • 複素数表示の場合



であるため、
となり、
LC並列回路の合成インピーダンスのベクトルの向きは、必ず、虚数軸上となる。

LC並列回路の合成インピーダンスは、上式の分母が正・負・ゼロの時、それぞれのベクトルの向きが変わる。
したがって、の時で、場合分けして考える必要がある。

  • の場合
    上式のリアクタンスが正になるため、合成インピーダンスのベクトルは、虚数軸上の正の向きになる。

  • の場合
    上式のリアクタンスが負になるため、合成インピーダンスのベクトルは、虚数軸上の負の向きになる。

  • の場合
    上式のリアクタンスが無限大になるため、合成インピーダンスのベクトルは、虚数軸上の正の向きに無限大となる。
    インピーダンスが無限大ということは、その回路は開放状態と同じになる。

    また、 すなわち、 は、回路の共振条件である。


  • 合成インピーダンスの大きさの場合




RLC並列回路の合成インピーダンス

RLC並列回路は、抵抗R、コイルL、コンデンサCが並列に接続された回路で、下図のような回路になる。

CircuitCalc Synthetic Impedance 4.png
図.8 抵抗R、コイルL、コンデンサCが並列接続の回路



並列回路の合成インピーダンスを求める場合、
それぞれのインピーダンスの逆数(アドミタンス)を加算して、その逆数をとることにより求められる。

RLC並列回路の合成インピーダンスは、次式で与えられる。
なお、角周波数である。

  • 複素数表示の場合



であるため、
となり、
RLC並列回路の合成インピーダンスのベクトルの向きは、複素数平面の右上(第1象限)または右下(第4象限)または実数軸上となる。

RLC並列回路の合成インピーダンスは、上式の分子(特に、)が正・負・ゼロの時、それぞれのベクトルの向きが変わる。
したがって、の時で、場合分けして考える必要がある。

  • の場合
    上式のリアクタンスが正になるため、合成インピーダンスのベクトルは、右上の向き(第1象限)になる。

  • の場合
    上式のリアクタンスが負になるため、合成インピーダンスのベクトルは、右下の向き(第4象限)になる。

  • の場合
    上式のリアクタンスが0になるため、合成インピーダンスのベクトルは、実数軸上の正の向きになる。()
    この条件を満たす周波数は反共振周波数であるため、コイルLとコンデンサCの並列回路部分は開放状態と同じになる。

    また、 すなわち、 は、回路の共振条件である。


  • 合成インピーダンスの大きさの場合




例題

例題 1

下図のようなRL回路がある時、抵抗に掛かる電圧を求める。

CircuitCalc Synthetic Impedance 9.png


回路のインピーダンスとインピーダンスの大きさは、次式となる。



全体に流れる電流Iの大きさは、次式となる。


したがって、抵抗に掛かる電圧は、次のようになる。
となる。

インダクタに掛かる電圧は、次のようになる。
となる。

電圧および電圧の大きさを求める場合は、次式のように計算する。
より、
となる。

例題 2

下図のような回路がある時、各抵抗、インダクタ、コンデンサに掛かる電圧を求める。

CircuitCalc Synthetic Impedance 10.png


電流I1より、


電流I2は、電源電圧100[V]と抵抗R2およびコンデンサCのインピーダンスZ2より、10[A]となる。


回路に流れる全電流Iは、電源電圧Eから回路全体のインピーダンスZを除算することにより、求めることができる。



したがって、インピーダンス の大きさは、


となる。

または、次式のように求めることもできる。