「回路計算 - スターデルタ変換」の版間の差分

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<u>デルタ結線では、相電流は線電流の <math>\frac{1}{\sqrt{3}}</math> となる。</u><br>
<u>デルタ結線では、相電流は線電流の <math>\frac{1}{\sqrt{3}}</math> となる。</u><br>
主に、変圧器の高圧側や大型の誘導電動機で使用されることが多く、大電流に適している。<br>
主に、変圧器の高圧側や大型の誘導電動機で使用されることが多く、大電流に適している。<br>
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これら2つの結線方式の主な特徴を比較する。<br>
これら2つの結線方式の主な特徴を比較する。<br>
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==== 抵抗値の変換 ====
==== 抵抗値の変換 ====
スター結線の抵抗をR<sub>A</sub>、R<sub>B</sub>、R<sub>C</sub>、変換後のデルタ結線の抵抗をR<sub>AB</sub>、R<sub>BC</sub>、R<sub>CA</sub>とする時、次式で求められる。<br>
スター結線の抵抗をR<sub>A</sub>、R<sub>B</sub>、R<sub>C</sub>、変換後のデルタ結線の抵抗をR<sub>AB</sub>、R<sub>BC</sub>、R<sub>CA</sub>とする時、次式で求められる。<br>
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2024年11月9日 (土) 23:20時点における版

概要

スター結線 (Y結線) は、3つの巻線の一端を共通の中性点 (ニュートラルポイント) で接続する方式である。
形状が「Y」の文字に似ていることから、Y結線とも呼ばれている。

スター結線では、各相の電圧 (相電圧) は線間電圧の となる。
主に、変圧器の低圧側や誘導電動機の固定子巻線で使用されており、家庭用電源としても広く採用されている。

デルタ結線 (Δ結線) は、3つの巻線を三角形状に接続する方式である。
ギリシャ文字のΔ (デルタ) に形状が似ていることから、この名称がついている。

デルタ結線では、相電流は線電流の となる。
主に、変圧器の高圧側や大型の誘導電動機で使用されることが多く、大電流に適している。

Star-Delta 1.png


これら2つの結線方式の主な特徴を比較する。

  • スター結線
    中性点があるため、単相負荷にも対応可能
    絶縁耐力の面で有利
    小電流向き


  • デルタ結線
    大電流に適している
    相間の電圧と線間の電圧が等しい
    故障時でも運転継続が可能な場合がある


実際の使用場面では、これらの特徴を考慮して使い分けられる。
例えば、配電系統では需要家側 (低圧側) にスター結線を、送電側 (高圧側) にデルタ結線を採用することが一般的である。

また、変圧器では1次側と2次側で異なる結線方式を組み合わせることにより、位相差の調整なども行っている。

これらの結線方式は、電気設備の設計や保守において非常に重要な基礎知識となる。


Y-Δ変換 (スターデルタ変換)

スター結線 (Y結線) とデルタ結線 (Δ結線) は、互いに等価な回路に変換することができる。
スター結線 (Y結線) を等価なデルタ結線 (Δ結線) に変換する時、この変換をスターデルタ変換という。

スターデルタ変換は、スターデルタ等価変換と呼ばれることもある。

抵抗値の変換

スター結線の抵抗をRA、RB、RC、変換後のデルタ結線の抵抗をRAB、RBC、RCAとする時、次式で求められる。

Star-Delta 2.png



上式は、分子が3つの抵抗値の積の組み合わせの和となっており、分母がその対角に位置する抵抗値となっていることが特徴である。

分子部分をZとおいて、 とする時、次式のように表すこともできる。
次式のように整理する場合、計算がより簡単になる。

この変換式を使用することにより、スター結線の回路を等価なデルタ結線の回路に変換することができる。

なお、3つの抵抗が同じ場合は、 となり、




となるため、スターデルタ変換後のデルタ結線 (Δ結線) の抵抗値は、スター結線 (Y結線) の抵抗値の3倍になる。