「インストール - 画面キャプチャ」の版間の差分
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== 概要 == | == 概要 == | ||
Linuxにおいて、デスクトップ画面を録画するソフトウェアはいくつか存在するが、ここではVokoscreenNG、OBS Studio、Kazamについて記載する。<br> | |||
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== Kazamのインストール == | == VokoscreenNG == | ||
===== 概要 ===== | |||
VokoScreenの後継は、VokoscreenNG(NGはNew Generationの略)として生まれ変わった。<br> | |||
Qtベースのユーザーインターフェイスと一連の重要な機能を備えている。<br> | |||
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===== VokoscreenNGのインストール ===== | |||
VokoscreenNGをインストールするため、以下のコマンドを実行する。<br> | |||
# CentOS | |||
sudo yum install vokoscreenNG | |||
# SUSE | |||
sudo zypper install vokoscreenNG | |||
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== OBS Studio == | |||
===== 概要 ===== | |||
OBS Studioとは、ビデオ録画とライブストリーミングのための無料のオープンソースソフトウェアのことである。<br> | |||
ここでは、CentOSとSUSEにおけるインストール方法を記載しているが、他のディストリビューションにインストールする場合は、[https://obsproject.com 公式Webサイト]を参照すること。<br> | |||
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<u>'''※注意'''</u><br> | |||
LinuxでOBS Studioを使用するには、OpenGL 3.3以降が必要である。<br> | |||
システムでサポートされているOpenGLのバージョンを確認するために、以下のコマンドを実行する。<br> | |||
glxinfo | grep "OpenGL" | |||
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===== OBS Studioのインストール ===== | |||
PackmanにあるFFmpegのバージョンが必要なため(完全なコーデックをサポートに使用する必要がある)、Packmanリポジトリを追加後、OBS Studioをインストールする。<br> | |||
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まず、Packmanリポジトリを追加する。<br> | |||
Packmanの優先順位を低く設定することを推奨する。これは、基本リポジトリよりも優先されるからである。<br> | |||
# SUSE 15.1 | |||
sudo zypper ar --refresh --priority 90 http://packman.inode.at/suse/openSUSE_Leap_15.1 packman | |||
# SUSE 15.2 | |||
sudo zypper ar --refresh http://packman.inode.at/suse/openSUSE_Leap_15.2 packman | |||
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既存のFFmpegパッケージをPackmanバージョンに確実に切り替えるために、以下のコマンドを実行する。<br> | |||
sudo zypper dup --repo packman | |||
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OBS Studioをインストールする。<br> | |||
sudo zypper install obs-studio | |||
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===== ソースコードからインストール ===== | |||
ビルドに必要な以下のパッケージをインストールする。<br> | |||
もし、libspeexdsp-develパッケージが無ければ、[https://git.xiph.org/?p=speexdsp.git;a=summary こちらのWebサイト]からソースコードをダウンロードしてビルドすることができる。<br> | |||
# CentOS | |||
sudo yum install make gcc gcc-c++ gcc-objc cmake git libX11-devel mesa-libGL-devel libv4l-devel pulseaudio-libs-devel libspeexdsp-devel x264-devel freetype-devel fontconfig-devel \ | |||
libXcomposite-devel libXinerama-devel qt5-qtbase-devel qt5-qtx11extras-devel qt5-qtsvg-devel libcurl-devel systemd-devel ffmpeg ffmpeg-devel luajit-devel python3-devel \ | |||
mbedtls mbedtls-devel swig | |||
# SUSE | |||
sudo zypper install cmake fontconfig-devel freetype2-devel gcc gcc-c++ libcurl-devel ffmpeg2-devel libjansson-devel libpulse-devel libspeexdsp-devel libqt5-qtbase-devel libqt5-qtx11extras-devel \ | |||
libudev-devel libv4l-devel libXcomposite-devel libXinerama-devel libXrandr-devel luajit-devel mbedtls swig python3-devel | |||
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まず、以下のソフトウェアをダウンロードして解凍する。<br> | |||
wget https://cdn-fastly.obsproject.com/downloads/cef_binary_3770_linux64.tar.bz2 | |||
tar -xjf ./cef_binary_3770_linux64.tar.bz2 | |||
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OBS Studioのソースコードをダウンロードする。<br> | |||
git clone --recursive https://github.com/obsproject/obs-studio.git OBS_Studio | |||
cd OBS_Studio | |||
mkdir build && cd build | |||
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OBS Studioのソースコードをコンパイルする。<br> | |||
cmake -DUNIX_STRUCTURE=1 -DCMAKE_INSTALL_PREFIX="${HOME}/OBS_Studio" -DBUILD_BROWSER=ON -DCEF_ROOT_DIR="../../cef_binary_3770_linux64" | |||
make -j 8 | |||
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OBS Studioをインストールする。<br> | |||
make install | |||
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標準では、OBS Studioのライブラリは、/usr/local/libにインストールされる。<br> | |||
ライブラリを読み込むようにするには、/etc/ld.so.conf.d/local.confファイルに以下の設定を追記する。<br> | |||
# /etc/ld.so.conf.d/local.confファイル | |||
/usr/local/lib | |||
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設定を反映させるため、以下のコマンドを実行する。<br> | |||
sudo ldconfig | |||
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デスクトップエントリファイルを以下のように作成する。<br> | |||
# /home/suse/.local/share/applications/OBS-Studio.desktop | |||
[Desktop Entry] | |||
Version=1.0 | |||
Name=OBS Studio | |||
GenericName=Streaming/Recording Software | |||
Comment=Free and Open Source Streaming/Recording Software | |||
Exec=/home/ユーザ名/OBS_Studio/bin/obs | |||
Icon=/home/ユーザ名/OBS_Studio/obs.png | |||
Terminal=false | |||
Type=Application | |||
Categories=AudioVideo;Recorder; | |||
StartupNotify=true | |||
StartupWMClass=obs | |||
<br><br> | |||
== Kazam == | |||
===== 概要 ===== | |||
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===== Kazamのインストール ===== | |||
SUSEにおいて、Kazamをインストールするには、リポジトリをシステムに追加してインストールする。<br> | SUSEにおいて、Kazamをインストールするには、リポジトリをシステムに追加してインストールする。<br> | ||
# SUSE 15.1 | # SUSE 15.1 | ||
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== | ===== Kazamの使用方法 ===== | ||
===== 録画の開始 | '''録画の開始'''<br> | ||
Kazamを使用してデスクトップ画面を録画するには、以下の手順に従う。<br> | Kazamを使用してデスクトップ画面を録画するには、以下の手順に従う。<br> | ||
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# [Capture]ボタンを押下すると、デスクトップ画面の中央にカウントダウンタイマが表示される。<br>カウントダウンが終了すると、デスクトップ画面の録画が始まる。 | # [Capture]ボタンを押下すると、デスクトップ画面の中央にカウントダウンタイマが表示される。<br>カウントダウンが終了すると、デスクトップ画面の録画が始まる。 | ||
<br> | <br> | ||
'''録画の終了'''<br> | |||
# 録画を終了するには、システムトレイにあるKazamアイコンを右クリックして、[Finish recording]を選択する。 | # 録画を終了するには、システムトレイにあるKazamアイコンを右クリックして、[Finish recording]を選択する。 | ||
# [Finish recording]を選択すると、保存ダイアログが表示されて、録画ファイルが保存できる。 | # [Finish recording]を選択すると、保存ダイアログが表示されて、録画ファイルが保存できる。 | ||
<br> | <br> | ||
'''特定のウインドウのみ録画する'''<br> | |||
# デスクトップ画面全体ではなく、特定のウインドウのみを録画する場合は、[Screencast] - [Window] - [Capture]を選択する。 | # デスクトップ画面全体ではなく、特定のウインドウのみを録画する場合は、[Screencast] - [Window] - [Capture]を選択する。 | ||
<br> | <br> | ||
'''特定の領域エリアのみ録画する'''<br> | |||
# 特定の領域を記録する場合は、[Screencast] - [Area]を選択する。<br>次に、マウスカーソルを任意のデスクトップ上でドラッグして録画する領域を選択して、[Capture]ボタンを押下する。 | # 特定の領域を記録する場合は、[Screencast] - [Area]を選択する。<br>次に、マウスカーソルを任意のデスクトップ上でドラッグして録画する領域を選択して、[Capture]ボタンを押下する。 | ||
<br> | <br> | ||
'''ハードコピーを採取する'''<br> | |||
Kazamは、スクリーンショットを採取することができる。<br> | Kazamは、スクリーンショットを採取することができる。<br> | ||
スクリーンショットを採取するには、Kazamのメイン画面の上部にある[Screenshot]を選択する。<br> | スクリーンショットを採取するには、Kazamのメイン画面の上部にある[Screenshot]を選択する。<br> | ||
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[[カテゴリ:SUSE]] | [[カテゴリ:CentOS]][[カテゴリ:SUSE]] |
2020年7月11日 (土) 03:08時点における版
概要
Linuxにおいて、デスクトップ画面を録画するソフトウェアはいくつか存在するが、ここではVokoscreenNG、OBS Studio、Kazamについて記載する。
VokoscreenNG
概要
VokoScreenの後継は、VokoscreenNG(NGはNew Generationの略)として生まれ変わった。
Qtベースのユーザーインターフェイスと一連の重要な機能を備えている。
VokoscreenNGのインストール
VokoscreenNGをインストールするため、以下のコマンドを実行する。
# CentOS sudo yum install vokoscreenNG # SUSE sudo zypper install vokoscreenNG
OBS Studio
概要
OBS Studioとは、ビデオ録画とライブストリーミングのための無料のオープンソースソフトウェアのことである。
ここでは、CentOSとSUSEにおけるインストール方法を記載しているが、他のディストリビューションにインストールする場合は、公式Webサイトを参照すること。
※注意
LinuxでOBS Studioを使用するには、OpenGL 3.3以降が必要である。
システムでサポートされているOpenGLのバージョンを確認するために、以下のコマンドを実行する。
glxinfo | grep "OpenGL"
OBS Studioのインストール
PackmanにあるFFmpegのバージョンが必要なため(完全なコーデックをサポートに使用する必要がある)、Packmanリポジトリを追加後、OBS Studioをインストールする。
まず、Packmanリポジトリを追加する。
Packmanの優先順位を低く設定することを推奨する。これは、基本リポジトリよりも優先されるからである。
# SUSE 15.1 sudo zypper ar --refresh --priority 90 http://packman.inode.at/suse/openSUSE_Leap_15.1 packman # SUSE 15.2 sudo zypper ar --refresh http://packman.inode.at/suse/openSUSE_Leap_15.2 packman
既存のFFmpegパッケージをPackmanバージョンに確実に切り替えるために、以下のコマンドを実行する。
sudo zypper dup --repo packman
OBS Studioをインストールする。
sudo zypper install obs-studio
ソースコードからインストール
ビルドに必要な以下のパッケージをインストールする。
もし、libspeexdsp-develパッケージが無ければ、こちらのWebサイトからソースコードをダウンロードしてビルドすることができる。
# CentOS sudo yum install make gcc gcc-c++ gcc-objc cmake git libX11-devel mesa-libGL-devel libv4l-devel pulseaudio-libs-devel libspeexdsp-devel x264-devel freetype-devel fontconfig-devel \ libXcomposite-devel libXinerama-devel qt5-qtbase-devel qt5-qtx11extras-devel qt5-qtsvg-devel libcurl-devel systemd-devel ffmpeg ffmpeg-devel luajit-devel python3-devel \ mbedtls mbedtls-devel swig # SUSE sudo zypper install cmake fontconfig-devel freetype2-devel gcc gcc-c++ libcurl-devel ffmpeg2-devel libjansson-devel libpulse-devel libspeexdsp-devel libqt5-qtbase-devel libqt5-qtx11extras-devel \ libudev-devel libv4l-devel libXcomposite-devel libXinerama-devel libXrandr-devel luajit-devel mbedtls swig python3-devel
まず、以下のソフトウェアをダウンロードして解凍する。
wget https://cdn-fastly.obsproject.com/downloads/cef_binary_3770_linux64.tar.bz2 tar -xjf ./cef_binary_3770_linux64.tar.bz2
OBS Studioのソースコードをダウンロードする。
git clone --recursive https://github.com/obsproject/obs-studio.git OBS_Studio cd OBS_Studio mkdir build && cd build
OBS Studioのソースコードをコンパイルする。
cmake -DUNIX_STRUCTURE=1 -DCMAKE_INSTALL_PREFIX="${HOME}/OBS_Studio" -DBUILD_BROWSER=ON -DCEF_ROOT_DIR="../../cef_binary_3770_linux64" make -j 8
OBS Studioをインストールする。
make install
標準では、OBS Studioのライブラリは、/usr/local/libにインストールされる。
ライブラリを読み込むようにするには、/etc/ld.so.conf.d/local.confファイルに以下の設定を追記する。
# /etc/ld.so.conf.d/local.confファイル /usr/local/lib
設定を反映させるため、以下のコマンドを実行する。
sudo ldconfig
デスクトップエントリファイルを以下のように作成する。
# /home/suse/.local/share/applications/OBS-Studio.desktop [Desktop Entry] Version=1.0 Name=OBS Studio GenericName=Streaming/Recording Software Comment=Free and Open Source Streaming/Recording Software Exec=/home/ユーザ名/OBS_Studio/bin/obs Icon=/home/ユーザ名/OBS_Studio/obs.png Terminal=false Type=Application Categories=AudioVideo;Recorder; StartupNotify=true StartupWMClass=obs
Kazam
概要
Kazamのインストール
SUSEにおいて、Kazamをインストールするには、リポジトリをシステムに追加してインストールする。
# SUSE 15.1 sudo zypper addrepo https://ftp.lysator.liu.se/pub/opensuse/repositories/GNOME:/Apps/openSUSE_Leap_15.1/ gnome-apps-x86_64 # SUSE 15.2 sudo zypper addrepo https://ftp.lysator.liu.se/pub/opensuse/repositories/GNOME:/Apps/openSUSE_Leap_15.2/ gnome-apps-x86_64
sudo zypper install kazam
Kazamのソースコードをダウンロードしてインストールするには、こちらのWebサイトにアクセスする。
Kazamの使用方法
録画の開始
Kazamを使用してデスクトップ画面を録画するには、以下の手順に従う。
- Kazamのメイン画面にて、[Screencast] - [Full Screen]タブを選択する。
- [When capturing include:]項目には、[Mouse cursors]、[Sound from speakers]、[Sound from microphone]のオプションがある。
[Mouse cursors]を選択して、スクリーンキャストにマウスを記録する。
スピーカーサウンドまたはマイクサウンドを録音する場合は、各オプションにチェックを入力する。 - Kazamのメイン画面下にある[Capture]ボタンを押下して、画面のキャプチャを開始する。
- [Capture]ボタンを押下すると、デスクトップ画面の中央にカウントダウンタイマが表示される。
カウントダウンが終了すると、デスクトップ画面の録画が始まる。
録画の終了
- 録画を終了するには、システムトレイにあるKazamアイコンを右クリックして、[Finish recording]を選択する。
- [Finish recording]を選択すると、保存ダイアログが表示されて、録画ファイルが保存できる。
特定のウインドウのみ録画する
- デスクトップ画面全体ではなく、特定のウインドウのみを録画する場合は、[Screencast] - [Window] - [Capture]を選択する。
特定の領域エリアのみ録画する
- 特定の領域を記録する場合は、[Screencast] - [Area]を選択する。
次に、マウスカーソルを任意のデスクトップ上でドラッグして録画する領域を選択して、[Capture]ボタンを押下する。
ハードコピーを採取する
Kazamは、スクリーンショットを採取することができる。
スクリーンショットを採取するには、Kazamのメイン画面の上部にある[Screenshot]を選択する。