「Fishの基礎 - 繰り返し文」の版間の差分

提供:MochiuWiki : SUSE, EC, PCB
ナビゲーションに移動 検索に移動
(ページの作成:「== 概要 == <br><br> == for文 == <syntaxhighlight lang="fish"> for <変数名> in <変数 または 式> <コマンド 1> <コマンド 2> # ... end </syntaxhighlight> <br> for文はループ構成であり、<コマンド>で指定されたコマンドを複数回実行する。<br> 各反復で、<変数名>で指定されたローカル変数に新しい値が代入される。<br> <変数名>が空の場合、<コマンド>は実行されず…」)
 
 
(同じ利用者による、間の2版が非表示)
12行目: 12行目:
  </syntaxhighlight>
  </syntaxhighlight>
<br>
<br>
for文はループ構成であり、<コマンド>で指定されたコマンドを複数回実行する。<br>
<code>for</code>文はループ構成であり、<コマンド>で指定されたコマンドを複数回実行する。<br>
各反復で、<変数名>で指定されたローカル変数に新しい値が代入される。<br>
各反復で、<変数名>で指定されたローカル変数に新しい値が代入される。<br>
<変数名>が空の場合、<コマンド>は実行されずにループが終了する。<br>
<変数名>が空の場合、<コマンド>は実行されずにループが終了する。<br>
18行目: 18行目:
<br>
<br>
<変数名>がまだ存在しない場合、ローカルスコープに設定される。<br>
<変数名>がまだ存在しない場合、ローカルスコープに設定される。<br>
もし、forブロックが関数内に存在しない場合、同名のグローバル変数とユニバーサル変数があれば、それが使用される。<br>
もし、<code>for</code>ブロックが関数内に存在しない場合、同名のグローバル変数とユニバーサル変数があれば、それが使用される。<br>
<br>
<br>
<code>set</code>と同様に、for文は<code>$status</code>を変更しないが、その下位のコマンドの評価によって変更される。<br>
<code>set</code>と同様に、for文は<code>$status</code>を変更しないが、その下位のコマンドの評価によって変更される。<br>
34行目: 34行目:
<br>
<br>
<u>※注意</u><br>
<u>※注意</u><br>
<u>Fish 3.0.0以前のバージョンでは、<変数名>はforブロックのローカル変数である。</u><br>
<u>Fish 3.0.0以前のバージョンでは、<変数名>は<code>for</code>ブロックのローカル変数である。</u><br>
<u>ループが終了した時の<変数名>に最後に代入された値は、ループの外では使用できない。</u><br>
<u>ループが終了した時の<変数名>に最後に代入された値は、ループの外では使用できない。</u><br>
  <syntaxhighlight lang="fish">
  <syntaxhighlight lang="fish">
50行目: 50行目:
  </syntaxhighlight>
  </syntaxhighlight>
<br>
<br>
Fishのfor文は、$IFSではなく改行で分割する。<br>
Fishの<code>for</code>文は、<code>$IFS</code>ではなく改行で分割する。<br>
もし、改行以外で分割する場合は、<code>string split</code>、<code>string split0</code>、<code>string collect</code>を使用する。<br>
もし、改行以外で分割する場合は、<code>string split</code>、<code>string split0</code>、<code>string collect</code>を使用する。<br>
以下の例では、for文の変数に対して、改行以外で分割して代入している。<br>
<br>
以下の例では、<code>for</code>文の変数に対して、改行以外で分割して代入している。<br>
  <syntaxhighlight lang="fish">
  <syntaxhighlight lang="fish">
  for i in (find . -iname "hoge" -print0 | string split0)
  for i in (find . -iname "hoge" -print0 | string split0)
     echo $i
     echo $i
end
</syntaxhighlight>
<br><br>
== while文 ==
<syntaxhighlight lang="fish">
while <変数 または 式>
    <コマンド 1>
    <コマンド 2>
    # ...
end
</syntaxhighlight>
<br>
<code>while</code>文は、<変数 または 式>を繰り返し実行して、終了ステータスが<code>0</code>であれば<コマンド>を実行する。<br>
<code>while</code>文の終了ステータスは、実行された<コマンド>の最後の反復処理の終了ステータス、または、何も実行されていない場合は<code>0</code>になる。<br>
(これは他のシェルと同様、POSIX互換である)<br>
<br>
複雑な条件として、<code>and</code>や<code>or</code>を使用することができる。<br>
<code>break</code>を含む<code>while true</code>文を使用すると、さらに複雑な制御が可能である。<br>
<br>
Fishでは、<code>until</code>文が存在しないため、<code>while not</code>文や<code>while !</code>文を使用すること。<br>
<br>
以下の例では、foo.txtファイル、または、bar.txtファイルが存在する限り、10秒間隔でfile existsと出力している。<br>
<syntaxhighlight lang="fish">
while [ -f foo.txt ]; or [ -f bar.txt ]
    echo "file exists"
    sleep 10
  end
  end
  </syntaxhighlight>
  </syntaxhighlight>

2022年10月31日 (月) 10:26時点における最新版

概要



for文

 for <変数名> in <変数 または 式>
    <コマンド 1>
    <コマンド 2>
    # ...
 end


for文はループ構成であり、<コマンド>で指定されたコマンドを複数回実行する。
各反復で、<変数名>で指定されたローカル変数に新しい値が代入される。
<変数名>が空の場合、<コマンド>は実行されずにループが終了する。
(この時、<変数名>には、最後に割り当てられた値が格納されている)

<変数名>がまだ存在しない場合、ローカルスコープに設定される。
もし、forブロックが関数内に存在しない場合、同名のグローバル変数とユニバーサル変数があれば、それが使用される。

setと同様に、for文は$statusを変更しないが、その下位のコマンドの評価によって変更される。

 for i in foo bar baz
    echo $i
 end
 
 # 出力
 foo
 bar
 baz


※注意
Fish 3.0.0以前のバージョンでは、<変数名>はforブロックのローカル変数である。
ループが終了した時の<変数名>に最後に代入された値は、ループの外では使用できない。

 # Fish 3.0.0以前の場合
 
 for VAR in a b c
    echo -n ""
 end
 
 # もし、for文の実行前に変数VARが存在している場合は、その代入されていた値を出力する
 echo $VAR
 
 # 出力
 # 何も出力されない


Fishのfor文は、$IFSではなく改行で分割する。
もし、改行以外で分割する場合は、string splitstring split0string collectを使用する。

以下の例では、for文の変数に対して、改行以外で分割して代入している。

 for i in (find . -iname "hoge" -print0 | string split0)
    echo $i
 end



while文

 while <変数 または 式>
    <コマンド 1>
    <コマンド 2>
    # ...
 end


while文は、<変数 または 式>を繰り返し実行して、終了ステータスが0であれば<コマンド>を実行する。
while文の終了ステータスは、実行された<コマンド>の最後の反復処理の終了ステータス、または、何も実行されていない場合は0になる。
(これは他のシェルと同様、POSIX互換である)

複雑な条件として、andorを使用することができる。
breakを含むwhile true文を使用すると、さらに複雑な制御が可能である。

Fishでは、until文が存在しないため、while not文やwhile !文を使用すること。

以下の例では、foo.txtファイル、または、bar.txtファイルが存在する限り、10秒間隔でfile existsと出力している。

 while [ -f foo.txt ]; or [ -f bar.txt ]
    echo "file exists"
    sleep 10
 end