「電子部品 - コネクタ」の版間の差分
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| <yjshopping seller_id="dwgo">協和ハーモネット UL3265 AWG24 難燃架橋ポリエチレン絶縁電線 2mX7色 黒白赤黄緑青紫</yjshopping> | | <yjshopping seller_id="dwgo">協和ハーモネット UL3265 AWG24 難燃架橋ポリエチレン絶縁電線 2mX7色 黒白赤黄緑青紫</yjshopping> | ||
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== 圧着工具 == | |||
コネクタメーカーから専用の圧着工具が出ている場合もあるが、一般的には、汎用的な圧着ペンチを使用する。<br> | |||
ただし、圧着できるコネクタには範囲があるため、よく使用する予定のコネクタに合わせて選択するか、圧着工具に合うコネクタを選択することになる。<br> | |||
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| <yjshopping seller_id="diy-tool">エンジニア(ENGINEER) 精密圧着ペンチ 極小端子用 PA-09</yjshopping> || 小型コネクタ向けの圧着ペンチ。<br>ダイスのサイズは、1.0[mm]~1.9[mm]であり、PH / EH / XH / QIコネクタ等が圧着可能である。 | |||
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| <yjshopping seller_id="daishinshop">エンジニア ENGINEER 精密圧着ペンチ PA-20 [A011003]</yjshopping> || 中型~大型コネクタ向けの圧着ペンチ。<br>ダイスのサイズは、1.6[mm]~2.3[mm]であり、EH / XH / QI / VHコネクタ等が圧着可能である。 | |||
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| <yjshopping seller_id="procure-a">エンジニア 精密圧着ペンチ PA-21 ▼344-5534 (株)エンジニア ●ya513</yjshopping> || 中型~大型コネクタ向けの圧着ペンチ。<br>ダイスのサイズは、1.6[mm]~2.3[mm]で、EH / XH / QI / VHコネクタ等が圧着可能である。 | |||
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PA-20とPA-21はダイスの形が違っており、圧着が得意なコネクタが異なることに注意する。<br> | |||
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== コネクタの圧着方法 == | |||
下図は、PHコネクタとAWG24のリード線を、PA-09を使用して圧着している。<br> | |||
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# まず、使用するコネクタのコンタクトピンとケーブルに合わせて、使用するダイスのサイズを確認する。<br> | |||
# コネクタの圧着する箇所は2箇所ある。<br>中央部分は芯線を圧着する芯線部、外側部分は被覆ごと締め付けてリード線を固定する被覆部である。(芯線バレル、被覆バレルとも呼ばれる) | |||
#: [[ファイル:Electric Parts Connector 10.jpg|フレームなし|中央]] | |||
# ダイスにコンタクトピンを配置する。<br>PHコネクタのコンタクトピン(BPH-002T-P0.5S)の場合、芯線部は1[mm]、被覆部は1.4[mm]のダイスを使うと指示されている。 | |||
#: [[ファイル:Electric Parts Connector 11.jpg|フレームなし|中央]] | |||
# 被覆を2~3[mm]程度剥いたリード線を挿入して、芯線を圧着する。(特に、芯線は強く圧着する)<br>また、芯線部に被覆を巻き込まないように注意する。(被覆が巻き込まれると、通電していない可能性がある)<br><br>下図右は、芯線部を圧着した図である。 | |||
#: [[ファイル:Electric Parts Connector 12.jpg|フレームなし|中央]] | |||
# 必要に応じて、被覆部の開き具合を調整する。<br><u>被覆部を閉じすぎると圧着に失敗するため注意すること。</u> | |||
#: [[ファイル:Electric Parts Connector 13.jpg|フレームなし|中央]] | |||
# リード線を固定して、被覆部を圧着する。<br>力を入れて圧着すると被覆が破れるため、軽く握る程度に留めておく。 | |||
#: [[ファイル:Electric Parts Connector 14.jpg|フレームなし|中央]] | |||
# ケーブルを軽く引っ張って、正常に圧着されているかどうかを確認する。<br>圧着したケーブルをハウジングに挿入する。(カチッと音がする) | |||
#: [[ファイル:Electric Parts Connector 15.jpg|フレームなし|中央]] | |||
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2022年2月20日 (日) 19:52時点における版
概要
コネクタの構造
コネクタは、下図に示すように、ポスト、ハウジング、コンタクトピンで構成されている。
- ポスト(下図左)
- コネクタのオス側
- ハウジング(下図中央)
- コネクタのメス側
- コンタクトピン(下図右)
- ケーブルに圧着してハウジングに差し込むメス側のコネクタピン
コネクタの種類
コネクタの種類の概要
小型で入手性の良い日本圧着端子製造株式会社(JST)のコネクタが有名である。
コネクタは、小型になるほど細い配線しか接続できず大電流には向かない。また、コネクタの挿抜も難しくなる。
大型になるほど太い配線にすることができ、より多くの電流を流すことができる。耐圧や耐久性も高く挿抜も簡単である。
下表は、代表的で入手性の良いコネクタを示す。
シリーズ | ピッチ | 容量 | 接触抵抗 | 配線の太さ | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
ZH | 1.5[mm] | 50[V] 1[A] | ≦ 20[mΩ] | AWG 26 - 32 | より小型 |
PH | 2.0[mm] | 100[V] 2[A] | ≦ 10[mΩ] | AWG 24 - 32 | 小型 |
EH | 2.5[mm] | 250[V] 3[A] | ≦ 10[mΩ] | AWG 22 - 32 | やや小型 |
XH | 2.5[mm] | 250[V] 3[A] | ≦ 10[mΩ] | AWG 22 - 30 | 普通 |
PA | 2.0[mm] | 250[V] 3[A] | ≦ 10[mΩ] | AWG 22 - 28 | サイズは普通、ロック性は強ロック |
NH | 2.5[mm] | 250[V] 3[A] | ≦ 15[mΩ] | AWG 22 - 30 | サイズはやや大きい、ロック性は強ロック |
VH | 3.96[mm] | 250[V] 10[A] | ≦ 10[mΩ] | AWG 16 - 22 | 大型 |
ZHコネクタ
ZHコネクタは、1.5[mm]ピッチの小型コネクタであり、最大50[V] 1[A]まで可能である。
小型のため、場所をとらない箇所に使用する。
基板の厚さは1.6tだけでなく、1.0tでも合うように、ポストのピンの長さには2種類のラインナップが存在する。
横型(特に2~4ピン)は接続が弱いため、挿抜頻度が高い用途では注意が必要となる。
トップ型番 | B2B-ZR-3.4 〜 B13B-ZR-3.4 | 2~13ピン |
サイド型 | S2B-ZR-3.4 ~ S13B-ZR-3.4 | 2~13ピン |
ハウジング | ZHR-2 ~ ZHR-13 | 2~13ピン |
コンタクト | BZH-002T-P0.5 | AWG 26~28用 |
コンタクト | BZH-003T-P0.5 | AWG 28~32用 |
PHコネクタ
PHコネクタは、2.0[mm]ピッチの小型コネクタであり、最大100[V] 2[A]まで可能である。
小型のため、場所をとらない箇所に使用する。
ただし、2.54[mm]ピッチのユニバーサル基板には使用できない。
また、横型(特に2~4ピン)は接続が弱いため、挿抜頻度が高い用途では注意が必要となる。
トップ型番 | B2B-PH-K-S ~ B16B-PH-K-S | 2~16ピン |
サイド型 | S2B-PH-K-S ~ S16B-PH-K-S | 2~16ピン |
ハウジング | PHR-2 ~ PHR-16 | 2~16ピン |
コンタクト | BPH-002T-P0.5S | AWG 24~30用 |
EHコネクタ
EHコネクタは、2.5[mm]ピッチの汎用コネクタであり、最大250[V] 3[A]まで可能である。
大きさはPHコネクタより大きく、XHコネクタより小さい。
また、ユニバーサル基板でも使用できる汎用的なコネクタである。
トップ型番 | B2B-EH ~ B15B-EH | 2~15ピン |
サイド型 | S2B-EH ~ S15B-EH | 2~15ピン |
ハウジング | EHR-2 ~ EHR-15 | 2~15ピン |
コンタクト | BEH-001T-P0.6 | AWG 22~30用 |
XHコネクタ
XHコネクタは、2.5[mm]ピッチの汎用コネクタであり、最大250[V] 3[A]まで可能である。
EHコネクタと容量やピッチは同じであるが、やや大きめのサイズとなっているため、コネクタの挿抜が簡単である。
EHコネクタと同様、ユニバーサル基板にも使用できる汎用的なコネクタである。
トップ型番 | B2B-XH-A ~ B20B-XH-A | 2~20ピン |
サイド型 | S2B-XH-A ~ S16B-XH-A | 2~16ピン |
ハウジング | XHP-2 ~ XHP-20 | 2~20ピン |
コンタクト | BXH-001T-P0.6 | AWG 22~28用 |
PAコネクタ
PAコネクタは、2.0[mm]ピッチのコネクタであり、最大250[V] 2[A]まで可能である。
強いロック機構が付いているため、振動環境に強いコネクタといえる。
PHコネクタと比較して、サイズが少し大きく高さがあるため場所を取るが、コネクタの挿抜は簡単である。
また、中継接続用等の形状もラインナップされている。
トップ型番 | B02B-PASK ~ B16B-PASK | 2~16ピン |
サイド型 | S02B-PASK-2 ~ S16B-PASK-2 | 2~16ピン |
ハウジング | PAP-02V-S ~ PAP-16V-S | 2~16ピン |
コンタクト | SPHD-001T-P0.5 | AWG 22~26用 |
コンタクト | SPHD-002T-P0.5 | AWG 24~28用 |
NHコネクタ
NHコネクタは、2.5[mm]ピッチの汎用コネクタであり、最大250[V] 3[A]まで可能である。
XHコネクタやEHコネクタと容量やピッチは同じであるが、サイズが大きく、より頑丈なロック機構となっている。
また、余裕のある形状であるため、コネクタの挿入が簡単である。
トップ型番 | B2P-SHF-1AA ~ B25P-SHF-1AA | 2~25ピン |
サイド型 | BS2P-SHF-1AA ~ BS25P-SHF-1AA | 2~25ピン ※欠番あり |
ボトム型 | BE2P-SHF-1AA ~ BE15P-SHF-1AA | 2~15ピン |
ハウジング | H2P-SHF-AA ~ H25P-SHF-AA | 2~25ピン |
コンタクト | SHF-001T-0.8BS | AWG 22~28用 |
コンタクト | SHF-002T-0.8BS | AWG 28~30用 |
VHコネクタ
VHコネクタは、3.96[mm]ピッチの中型コネクタであり、最大250[V] 10[A]まで可能である。
サイズや容量が大きいため、電源やオーディオ出力等に使用されている。
トップ型番 | B2P-VH ~ B10P-VH | 2~10ピン |
サイド型 | B2PS-VH ~ B10PS-VH | 2~10ピン |
ハウジング | VHR-2N ~ VHR-10N | 2~10ピン |
コンタクト | BVH-21T-P1.1 | AWG 18~22用 |
コンタクト | BVH-41T-P1.1 | AWG 16~20用 |
QI(2550)コネクタ
QIコネクタは、最大250[V] 3[A]まで可能な汎用コネクタである。
2.54[mm]ピッチのため、ユニバーサル基板でも使用できる。また、PCの配線にも使用されている。
ただし、サイズが大きいため小型化には不向きある。
また、コネクタの接続が弱いため、振動や力の加わる環境では使用しない。
QIコネクタのポスト(オス側)は、ピンヘッダと呼ばれる汎用ピンを使用する。
メス側のコネクタも存在するため、対基板用途だけでなく、空中結線にも使用できる。
※QIコネクタやピンヘッダには多くの品種やメーカーがあり、サイズ等が多少異なる場合があるため、注意すること。
コネクタケーブル
コネクタを自作する場合、コネクタのサイズに適合するリード線のサイズ(圧着工具のダイスのサイズにも関わる)を知る必要がある。
ケーブルの導体サイズを表す主な規格として、AWG(UL規格)とSQ(JIS規格)がある。
他にも、無規格のケーブルも存在する。
AWG | 直径 (mm) | 抵抗 (Ω/m) | SQ換算 | 主な用途(感触) |
---|---|---|---|---|
20 | 0.8118 | 0.033 | 0.5 | 電源 ケーブルは太め |
22 | 0.6438 | 0.053 | 0.3 | 出力 |
24 | 0.5106 | 0.084 | 0.2 | 汎用 |
26 | 0.4049 | 0.134 | 0.12 | 汎用 |
28 | 0.3211 | 0.213 | 0.08 | 信号 ケーブルは細め |
30 | 0.2546 | 0.339 | 0.05 | 信号 ケーブルはかなり細い |
また、AWG規格はあくまでも導体のサイズに対する規格である。
つまり、同じAWG値でも、細くてまとまりやすい線もあれば、太くてかさばる線もある。
ケーブルの耐圧については、UL規格のスタイル番号で表現されることが多く、販売されているケーブルには、以下のような記載がある。
- UL1007 AWG24
- 耐圧300[V] AWG24 : 一般的な電子工作には太すぎる
- UL3265 AWG24
- 耐圧150[V] AWG24 : 電池ボックスからの配線等に最適
一般的な電子工作において、数十[V]程度の耐圧があれば十分なケースが多いが、耐圧100[V]を下回るような薄い被覆は強度の問題が出てくるため、あまり見かけない。
しかし、必要以上に太いケーブルを使用しないように注意が必要である。
なお、コネクタのケーブルには単芯線は使用せず、必ず、ヨリ線を使用すること。
<yjshopping seller_id="dwgo">協和ハーモネット UL3265 AWG24 難燃架橋ポリエチレン絶縁電線 2mX7色 黒白赤黄緑青紫</yjshopping> |
協和ハーモネットの耐熱リード線を推奨する。 被覆が薄いため使用しやすい。 AWG20 ~ 28まで各種各色あり。 |
圧着工具
コネクタメーカーから専用の圧着工具が出ている場合もあるが、一般的には、汎用的な圧着ペンチを使用する。
ただし、圧着できるコネクタには範囲があるため、よく使用する予定のコネクタに合わせて選択するか、圧着工具に合うコネクタを選択することになる。
<yjshopping seller_id="diy-tool">エンジニア(ENGINEER) 精密圧着ペンチ 極小端子用 PA-09</yjshopping> | 小型コネクタ向けの圧着ペンチ。 ダイスのサイズは、1.0[mm]~1.9[mm]であり、PH / EH / XH / QIコネクタ等が圧着可能である。 |
<yjshopping seller_id="daishinshop">エンジニア ENGINEER 精密圧着ペンチ PA-20 [A011003]</yjshopping> | 中型~大型コネクタ向けの圧着ペンチ。 ダイスのサイズは、1.6[mm]~2.3[mm]であり、EH / XH / QI / VHコネクタ等が圧着可能である。 |
<yjshopping seller_id="procure-a">エンジニア 精密圧着ペンチ PA-21 ▼344-5534 (株)エンジニア ●ya513</yjshopping> | 中型~大型コネクタ向けの圧着ペンチ。 ダイスのサイズは、1.6[mm]~2.3[mm]で、EH / XH / QI / VHコネクタ等が圧着可能である。 |
PA-20とPA-21はダイスの形が違っており、圧着が得意なコネクタが異なることに注意する。
コネクタの圧着方法
下図は、PHコネクタとAWG24のリード線を、PA-09を使用して圧着している。
- まず、使用するコネクタのコンタクトピンとケーブルに合わせて、使用するダイスのサイズを確認する。
- コネクタの圧着する箇所は2箇所ある。
中央部分は芯線を圧着する芯線部、外側部分は被覆ごと締め付けてリード線を固定する被覆部である。(芯線バレル、被覆バレルとも呼ばれる) - ダイスにコンタクトピンを配置する。
PHコネクタのコンタクトピン(BPH-002T-P0.5S)の場合、芯線部は1[mm]、被覆部は1.4[mm]のダイスを使うと指示されている。 - 被覆を2~3[mm]程度剥いたリード線を挿入して、芯線を圧着する。(特に、芯線は強く圧着する)
また、芯線部に被覆を巻き込まないように注意する。(被覆が巻き込まれると、通電していない可能性がある)
下図右は、芯線部を圧着した図である。 - 必要に応じて、被覆部の開き具合を調整する。
被覆部を閉じすぎると圧着に失敗するため注意すること。 - リード線を固定して、被覆部を圧着する。
力を入れて圧着すると被覆が破れるため、軽く握る程度に留めておく。 - ケーブルを軽く引っ張って、正常に圧着されているかどうかを確認する。
圧着したケーブルをハウジングに挿入する。(カチッと音がする)