第3回 - 2変数間の相関のソースを表示

== 概要 ==
記述統計において、2変数間の相関を表すために、次の事項を学習する。<br>
# 散布図と相関関係
# 2変数間の相関 - 相関係数で定量化
# 2変数間の相関の注意点
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== 散布図と相関関係 ==
2変数xとyの組(x, y)について、横軸にx、縦軸にyを取り、データ点としてプロットしたものを散布図という。<br>
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散布図上の点の分布が「直線関係」に近い傾向があるとき、「相関関係がある」という。<br>
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散布図で相関関係があるとき、2変数xとyの間には、何らかの関係があると考えられる。<br>
今までは散布図を見て、感覚的にxとyの間に関係があると考えてきたが、記述統計学では、相関関係を定量的に取り扱うことができる。<br>
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== 2変数間の相関 ==
2変数を並べたデータについて、横軸を変数X、縦軸を変数Yとして散布図を書くと、<br>
* Xが増加するとYも増加する場合
*: 正の相関
* Xが増加するとYが減少する場合
*: 負の相関
* Xが増加してもYに影響が無い場合
*: 無相関(当てはめた直線の傾き=0も含む)
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2変数間の相関について数値化できる。 ⇒ 相関係数で表現できる。<br>
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* 共分散
*: <math>C_{xy} = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^N (x_i - \bar x)(y_i - \bar y)</math>
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* 各変数の母分散
*: <math>\sigma_{x}^{2} = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^N (x_i - \bar x)^{2}</math>
*: <math>\sigma_{y}^{2} = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^N (y_i - \bar y)^{2}</math>
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* 相関係数(ピアソンの積率相関係数)
*: <math>r_{xy} = \frac{C_{xy}}{\sqrt{\sigma_{x}^{2}} \sqrt{\sigma_{y}^{2}}}</math>
*: <math>-1 \le r_{xy} \le 1</math>
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相関係数は、2変数が直線に乗る程度を表す。絶対値が1に近いほど、2変数間の相関が強い。<br>
<math>r_{xy} = 1</math> : 正の完全相関<br>
データ点が正の傾きの直線上に乗る。<br>
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<math>r_{xy} = -1</math> : 負の完全相関<br>
データ点が負の傾きの直線上に乗る。<br>
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2変数の相関係数を計算するだけでは不十分である。必ず散布図を書いて、実際に目で見てみることが重要である。
* 相関係数の値と散布図
*: 相関係数の値が大きくとも、データ点数が少ないと目で見た場合に相関がなさそうな場合がある。
*: 
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* 同じ相関係数の値を示す異なる散布図
*: 
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== 共分散の意味 ==
2変数の両平均値の点<math>(\bar x, \bar y)</math>から見て、各データ点<math>(x_i, y_i)</math>が、正の傾きの方向または負の傾きの方向に偏っているかを<math>(x_i - \bar x)(y_i - \bar y)</math>で計算した後、<br>
全データ点の傾向を<math>(x_i - \bar x)(y_i - \bar y)</math>の平均値で表しているといえる。<br>
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== データの標準化 ==
データの平均x、標準偏差s<sub>x</sub>であるとき、データを加工して、平均を0、標準偏差を1に変換することを標準化という。<br>
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元のデータx<sub>i</sub>を標準化したデータu<sub>i</sub>にするには、以下のように変換する。<br>
<math>u_{i} = \frac{(x_{i} - \bar x)}{s_{x}}</math><br>
<math>\mbox {標 準 化 デ ー タ } = \frac{(\mbox {元 デ ー タ } - \mbox {平 均 })}{\mbox {標 準 偏 差 }}</math><br>
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相関係数の計算で、2変数(x, y)を標準化(平均を0、標準偏差を1)したものの共分散を計算すると、それが相関係数になる。<br>
* 変数xとyの標準化
*: <math>u_{xi} = \frac{(x_{i} - \bar x)}{s_{x}}</math>
*: <math>u_{yi} = \frac{(y_{i} - \bar y)}{s_{y}}</math><br>
*: <br>
* 標準化したxとyの共分散を計算すると、相関係数に等しい。
*: <math>C_{ux uy} = \frac{1}{n - 1} \sum_{i=1}^N (u_{xi} - \bar u_{x})(u_{yi} - \bar u_{y})</math>
*: <math>= \frac{1}{n - 1} \sum_{i=1}^N u_{xi} u_{yi}</math>
*: <math>= \frac{1}{n - 1} \sum_{i=1}^N \frac{(x_{i} - \bar x)}{s_{x}} \frac{(y_{i} - \bar y)}{s_{y}}</math>
*: <math>= \frac{\frac{1}{n - 1} \sum_{i=1}^N (x_i - \bar x)(y_i - \bar y)}{\sqrt{V_x} \sqrt{V_y} }</math>
*: <math>= r_{xy}</math>
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== 2変数間の相関での注意点 ==
2変数の相関を検討するときは、必ず散布図を書くこと。
散布図のチェックポイントは以下の通りである。
# 2次元正規分布と見なせるか？
# 相関関係は、正か負か？
# 直線関係か? 曲線関係か？
# 異常な点(外れ値)はないか？
# 層別する必要はないか？(層別は、異なるグループを分けて散布図を書くこと)
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