「線形代数の基礎 - 対角化」の版間の差分

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== 概要 ==
== 概要 ==
行列の対角化は、複雑な行列を扱いやすい形に変換する手法である。<br>
行列の対角化は、複雑な行列を扱いやすい形に変換する手法である。<br>
与えられた正方行列を、対角成分以外が全て0である対角行列と、その変換に必要な行列の積として表現することである。<br>
ある正方行列を、対角成分以外が全て0である対角行列と、その変換に必要な行列の積として表現することである。<br>
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対角化は、行列を固有値と固有ベクトルを用いて分解することにある。<br>
対角化は、行列を固有値と固有ベクトルを用いて分解することにある。<br>
行列Aが対角化可能であれば、ある可逆行列Pと対角行列Dが存在し、<math>A = PDP^{-1} \, \, D = P^{-1}AP</math> という形で表すことができる。<br>
行列Aが対角化可能であれば、ある可逆行列Pと対角行列Dが存在し、<math>A = PDP^{-1} \, \, D = P^{-1}AP</math> という形で表すことができる。<br>
この時、対角行列Dの対角成分には行列Aの固有値が並び、Pの列には対応する固有ベクトルが並ぶ。<br>
この時、対角行列Dの対角成分には行列Aの固有値が並び、Pの列には対応する固有ベクトルが並ぶ。<br>
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<u>行列を対角化するためには、まず行列Aの固有値と固有ベクトルを計算することにより求める。</u><br>
<u>対角化するメリットとして、行列の累乗を計算が簡単になることが挙げられるが、対角化は正方行列にしか適用できないことに注意する。</u><br>
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対角化は、行列の性質を理解しやすくなることにある。<br>
対角化は、行列の性質を理解しやすくなることにある。<br>
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*: 共分散行列を対角化することにより、データの分散が最大となる方向 (主成分) を見つけて、重要でない特徴を削除してデータを圧縮することができる。
*: 共分散行列を対角化することにより、データの分散が最大となる方向 (主成分) を見つけて、重要でない特徴を削除してデータを圧縮することができる。
*: 画像認識、音声認識、株価分析等、様々な分野で活用されている。
*: 画像認識、音声認識、株価分析等、様々な分野で活用されている。
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* 機械学習
*: 特に、行列の累乗は、ディープラーニングで同じ層を重ねた時の演算等で頻繁に出てくるため便利である。
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* 経済学
* 経済学

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