インストール - ターミナル
概要
全てのLinuxディストリビューションには、ターミナルが既にプレインストールされている。
ここでは、多くのLinuxディストリビューションで使用することができるターミナルについて記載する。
Gnome Terminal
シェルの変更
方法 1
- Gnome Terminalを右クリックまたは[≡]ボタンを押下して、環境設定を開く。
- 設定プロファイルを開くまたは作成する。
- [Command]タブを選択する。
- [Run a custom command instead of my shell.]チェックボックスにチェックを入力する。
- [Custom command]項目に、Zsh等のシェルの実行ファイルのフルパスを入力する。
方法 2
他の方法として、.bashrcファイルの1行目に、以下の設定を追記する。
[ -n "$GNOME_TERMINAL_SCREEN" ] && [ -x "$(command -v zsh)" ] && exec zsh "$@"
上記の設定の説明を、以下に示す。
まず、[ -n "$GNOME_TERMINAL_SCREEN" ]
コマンドを実行して、Gnome Terminalを確認する。
次に、[ -x "$(command -v zsh)" ]
コマンドを実行して、Zshのパスが存在するかどうかを確認する。
最後に、exec zsh "$@"
コマンドを実行して、Bashと同じ引数でZshを起動する。
これにより、Gnome Terminalを起動する時、Zsh等のシェルが使用できる。
Drop Down Terminal
Drop Down Terminalは、Gnome Shellのデスクトップ環境にインストールできるターミナルの拡張機能である。
カスタムスクロールバーの設定、カラースキーム、起動時にカスタムコマンドを起動する機能等、便利な機能が搭載されている。
また、カスタマイズ性にも優れており、透明度、アニメーション、スクロールバーの表示、ウィンドウのサイズ、ホットキーボタンをカスタマイズすることができる。
さらに、コマンド機能により、ユーザのデフォルトシェルではなく、カスタムのコマンドライン引数を実行することができる。
URL : https://extensions.gnome.org/extension/442/drop-down-terminal/
ST
STのビルドに必要な依存関係のライブラリをインストールする。
# CentOS sudo yum install xrdb libXft-devel libX11-devel harfbuzz-devel libXext-devel libXrender-devel libXinerama-devel # SUSE sudo zypper install xrdb libXft-devel libX11-devel harfbuzz-devel libXext-devel libXrender-devel libXinerama-devel
STの公式Webサイトにアクセスして、ソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf st-<バージョン>.tar.gz cd st-<バージョン>
または、以下のコマンドを実行して、STのソースコードをダウンロードする。
git clone https://github.com/siduck/st.git ST cd ST
STをビルドおよびインストールする。
make clean install DESTDIR=$HOME/InstallSoftware/ST
Kitty
実行ファイルをダウンロードする場合
KittyのGithubにアクセスして、Kittyの実行ファイルをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf kitty-<バージョン>-x86_64.txz cd kitty-<バージョン>-x86_64
解凍したディレクトリを任意のディレクトリに配置する。
mv kitty-<バージョン>-x86_64 <Kittyのインストールディレクトリ>
ソースコードからインストールする場合
Kittyのビルドに必要な依存関係のライブラリをダウンロードする。
ただし、Python 3.7以降が必要となることに注意する。
sudo zypper install gcc pkg-config dbus-1-devel libXcursor-devel libXrandr-devel libXi-devel libXinerama-devel \ libXcursor-devel libXrandr-devel Mesa-libGL-devel libxkbcommon-devel fontconfig-devel libX11-devel \ libxcb-devel liblcms2-devel python39-devel librsync-devel
KittyのGithubにアクセスして、Kittyのソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf kitty-<バージョン>-x86_64.txz cd kitty-<バージョン>-x86_64
Kittyをビルドおよびインストールする。
make -j $(nproc) make install
共通
Kittyのデスクトップエントリファイルを作成する。
vi ~/.local/share/applications/Kitty.desktop
# ~/.local/share/applications/Kitty.desktopファイル [Desktop Entry] Version=1.0 Type=Application Name=kitty GenericName=Terminal emulator Comment=Fast, feature-rich, GPU based terminal TryExec=/<Kittyのインストールディレクトリ>/bin/kitty Exec=/<Kittyのインストールディレクトリ>/bin/kitty Icon=/<Kittyのインストールディレクトリ>/share/icons/hicolor/scalable/apps/kitty Categories=System;TerminalEmulator;
Kittyを使用したURLランチャーのデスクトップエントリファイルを作成する。
vi ~/.local/share/applications/Kitty-Open.desktop
# ~/.local/share/applications/Kitty-Open.desktopファイル [Desktop Entry] Version=1.0 Type=Application Name=kitty URL Launcher GenericName=Terminal emulator Comment=Open URLs with kitty TryExec=/<Kittyのインストールディレクトリ>/bin/kitty Exec=/<Kittyのインストールディレクトリ>/bin/kitty +open %U Icon=/<Kittyのインストールディレクトリ>/share/icons/hicolor/scalable/apps/kitty Categories=System;TerminalEmulator; NoDisplay=true MimeType=image/*;application/x-sh;application/x-shellscript;inode/directory;text/*;x-scheme-handler/kitty;
エラー
SSH接続において、矢印キー、Backspace、Delete、Home / End等のキーが効かない場合がある。
SSH接続の場合、~/.terminfo/xディレクトリ(Linux)や~/.terminfo/78ディレクトリ(Mac)を作成して、以下に示すシンボリックリンクを貼る。
mkdir -p ~/.terminfo/{78,x} ln -snf /<Kittyのインストールディレクトリ>/share/terminfo/x/xterm-kitty ~/.terminfo/x/.terminfo
Alacritty
Alacrittyのインストール
ビルドに必要な依存関係のライブラリをインストールする。
# CentOS sudo yum install cmake cargo freetype-devel fontconfig-devel libxcb-devel libxkbcommon-devel xcb-util-devel sudo yum group install "Development Tools" # SUSE sudo zypper install cmake cargo freetype-devel fontconfig-devel libxcb-devel libxkbcommon-devel
AlacrittyのGithubにアクセスして、ソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf alacritty-<バージョン>.tar.gz cd alacritty-<バージョン>
または、以下のコマンドを実行して、Alacrittyのソースコードをダウンロードする。
git clone https://github.com/alacritty/alacritty.git Alacritty cd Alacritty
Alacrittyをビルドする。
# X11環境の場合 cargo build --release --features=x11 # Wayland環境の場合 cargo build --release --features=wayland
ビルドが正常に終了した場合、プロジェクトディレクトリにtarget/release/alacrittyファイルが生成される。
タブ機能の有効化
Alacrittyはタブ機能が存在しない。
そのため、タブ機能を有効化するには、tmuxを使用する必要がある。
tmuxのビルドに必要な依存関係のライブラリをインストールする。
sudo zypper install make pkg-config bison ncurses-devel libevent-devel
まず、tmuxのソースコードをダウンロードする。
https://github.com/tmux/tmux/releases/download/3.2a/tmux-3.2a.tar.gz
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf tmux-<バージョン>.tar gz cd tmux-<バージョン>
ビルド用ディレクトリを作成する。
mkdir build && cd build
tmuxをビルドおよびインストールする。
../configure --prefix=<tmuxのインストールディレクトリ> make -j $(nproc) make install
tmuxでタブ機能を有効化して、Alacrittyを起動する。
alacritty -e tmux
gVim
Vimのビルドに必要な依存関係のライブラリをダウンロードする。
sudo zypper install ncurses5-devel libgnome-devel libgnomeui-devel \ gtk2-devel atk-devel libbonoboui-devel libsodium-devel \ cairo-devel libX11-devel libXpm-devel libXt-devel \ python-devel python3-devel tcl-devel tk-devel ruby-devel lua53-devel
Vimの公式Webサイトにあるミラーサイトにアクセスして、Vimのソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf vim-<バージョン>.tar.bz2 cd vim-<バージョン>
Vimをビルドおよびインストールする。
この時、ビルド用ディレクトリは作成しない。
./configure --prefix=<Vimのインストールディレクトリ> --enable-multibyte --enable-fontset \ --enable-perlinterp=yes --enable-rubyinterp=yes \ --enable-luainterp=yes --with-lua-prefix=/usr \ --enable-pythoninterp=yes --enable-python3interp=yes --enable-tclinterp=yes -with-tclsh=tclsh \ --enable-gui=auto make -j $(nproc) make install