インストール - Arduino IDE

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2020年11月20日 (金) 09:41時点におけるWiki (トーク | 投稿記録)による版
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概要

Arduino IDEとは、Arduino向けのスケッチ(プログラム)を作成する統合開発環境である。
Arduino IDEを用いることで、スケッチを作成して、USBケーブルを通じてArduinoボードにアップロードするための環境が整う。

ここでは、Arduino IDEをインストールする方法を記載する。

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Arduino IDEのインストール

Windows

Arduino IDEをダウンロードしてインストールを開始する。
基本的には、[Next]ボタンを押下し続けることでインストールは完了する。
インストールの途中で、Arduino USB Driver、libusb-win32、Genuino USB Driver等のデバイスドライバがインストールされる。
セキュリティメッセージが表示される場合は、[インストール]ボタンを押下する。

CentOS / SUSE

Arduino IDEは、以下の3つのインストール方法がある。
ここでは、リポジトリに追加してインストールする方法およびインストールせずに使用する方法を記載する。

  • ワンクリックインストール(SUSEのみ)
  • リポジトリに追加してインストールする方法
  • インストールせずに使用する方法


リポジトリを追加してインストール

まず、Arduino IDEのリポジトリを追加する。

sudo zypper --gpg-auto-import-keys ar -f https://download.opensuse.org/repositories/CrossToolchain:/avr/openSUSE_Leap_15.1 'CrossToolchain:avr'
sudo zypper refresh


次に、Ardduino IDEをインストールする。

sudo zypper install arduino


インストールせずに使用

Arduinoの公式サイトから、Arduino IDEをホームディレクトリにダウンロードする。
解凍したarduino-<バージョン>ディレクトリにあるarduinoファイルが実行ファイルである。

/home/ユーザ名/.local/share/applicationsディレクトリにorg.Arduino-IDE.desktopファイルを作成する。

vi /home/ユーザ名/.local/share/applications/org.Arduino-IDE.desktop


# /home/ユーザ名/.local/share/applications/org.Arduino-IDE.desktopファイル

[Desktop Entry]
Type=Application
Name=Arduino IDE <Arduinoのバージョン>
GenericName=Arduino IDE
Comment=Open-source electronics prototyping platform
Exec="/home/ユーザ名/arduino-<Arduinoのバージョン>/arduino"
Icon=arduino-arduinoide
StartupWMClass=processing-app-Base
Terminal=false
MimeType=text/x-arduino;
Categories=Development;IDE;Electronics;
Keywords=embedded electronics;electronics;avr;microcontroller;



Arduino IDEの設定

Windows / CentOS / SUSE

Arduino IDEにおいて、標準フォントの表示が粗いため、別のフォントを使用することを推奨する。

フォントの設定を行うため、preferences.txtファイルを以下のように編集する。

  • Windows
    C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\ArduinoXX\preferences.txt
  • CentOS / SUSE
    ~/.arduinoXX/preferences.txt


# C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\ArduinoXX\preferences.txtファイル
# または
# ~/.arduinoXX/preferences.txtファイル

editor.font=Noto Sans,plain,14


CentOS / SUSE

Arduino IDEをインストール後、Arduino IDEを使用するユーザをdialoutグループ、lockグループ、uucpグループのメンバーにする必要がある。

これをYaSTで行うには、[セキュリティとユーザ]セクション - [ユーザとグループの管理]を選択して、必要な変更を行う。
また、ターミナルから実行するには、以下のコマンドを実行する。
多くの環境では、dialoutグループにユーザを追加するだけでよい。

sudo usermod -a -G tty dialout lock uucp $USER


もし、上記のグループからユーザを削除する場合は、以下のコマンドを実行する。

sudo gpasswd -d $USER tty dialout lock uucp


設定を反映させるため、PCをログアウトまたは再起動する。


AVR-GCCコンパイラ(サードパーティ製)のインストール

Arduino IDEにおいて、Arduino付属のコンパイラが古いため、AVRの一部のライブラリとの互換性が無い場合がある。
最新版に近いAVR-GCCコンパイラを使用する場合、サードパーティ製ではあるが、以下のWebサイトにAVR-GCCコンパイラが存在する。
https://blog.zakkemble.net/avr-gcc-builds

上記のWebサイトからAVR-GCCコンパイラをダウンロードして、ダウンロードしたファイルを解凍する。
解凍したファイルをArduino IDEのインストールディレクトリにあるhardware/toolsディレクトリに配置する。
(この時、標準コンパイラであるhardware/tools/avrディレクトリ名を変更する)

# 標準コンパイラのバックアップ
mv <Arduinoのインストールディレクトリ>/hardware/tools/avr <Arduinoのインストールディレクトリ>/hardware/tools/avr_org

# サードパーティ製コンパイラ
mv <ダウンロードしたAVR-GCCコンパイラ> <Arduinoのインストールディレクトリ>/hardware/tools/avr


バックアップしたディレクトリにあるbuiltin_tools_versions.txtファイルを、サードパーティ製AVR-GCCコンパイラのディレクトリにコピーする。

cp <Arduinoのインストールディレクトリ>/hardware/tools/avr_org/builtin_tools_versions.txt <Arduinoのインストールディレクトリ>/hardware/tools/avr


Arduino IDEを起動すると、サードパーティ製AVR-GCCコンパイラを自動的に検出する。
正常に動作するか確認するため、Blinkサンプルをコンパイルして、LEDが点滅していることを確認する。


VSCodeでの開発

VSCodeでは、コード補完機能も使用できることから、開発が効率化することができる。
このセクションでは、Arduinoの開発をVSCodeで行うための設定に関する手順を記載する。

前提条件

前提条件として、以下の導入が完了しているものとする。

  • VSCode
  • VSCodeの拡張機能(Arduino for Visual Studio Code、arduino-snippets、C/C++ for Visual Studio Code)
  • Arduino IDE


VSCodeの設定

VSCodeを起動して、[ファイル]メニュー - [ユーザー設定] - [設定]を選択して、設定画面を開く。
設定画面右の[ユーザー]タブ - [拡張機能] - [ArduinoConfiguration]を選択する。

以下に、設定項目と編集内容を記載する。

  • arduino.path
    Arduino IDEの実行ファイルがあるディレクトリを入力する。
    Windowsの場合 : C:\Program Files (x86)\Arduino
    Linuxの場合 : <Arduino IDEのインストールディレクトリ>

  • arduino.commandPath
    Arduino IDEのインストールディレクトリにある実行ファイル名を入力する。
    Windowsの場合 : arduino_debug.exe
    Linuxの場合 : arduino

  • arduino.defaultBaudRate
    シリアルモニタのボーレートのデフォルト値を設定する。
    ボーレートの値は、9600を推奨する。

  • C_Cpp.intelliSenseEngine
    コード補完機能の設定である。この設定項目では、Tag Parserを選択する。

  • C_Cpp.default.includePath
    インクルードする時に読み込むライブラリの場所を入力する。
    [setting.jsonで編集]を選択する。
    以下に設定例を示す。

    Windowsの場合
    "C_Cpp.default.includePath": [
    "C:\\Users\\<ユーザ名>\\Documents\\Arduino\\libraries",
    "C:\\Program Files (x86)\\Arduino\\tools",
    "C:\\Program Files (x86)\\Arduino\\libraries",
    "C:\\Program Files (x86)\\Arduino\\hardware"]

    Linuxの場合
    "C_Cpp.default.includePath": [
    "/home/<ユーザ名>/Arduino/libraries",
    "/home/<ユーザ名>/InstallSoftware/Arduino/arduino-<バージョン名>/libraries",
    "/home/<ユーザ名>/InstallSoftware/Arduino/arduino-<バージョン名>/tools",
    "/home/<ユーザ名>/InstallSoftware/Arduino/arduino-<バージョン名>/hardware"]


以下に、setting.jsonの設定例を示す。

{
   "workbench.colorTheme": "Atom One Light",
   "telemetry.enableCrashReporter": false,
   "telemetry.enableTelemetry": false,
   "arduino.defaultBaudRate": 9600,
   "arduino.path": "/home/<ユーザ名>/InstallSoftware/Arduino/arduino-1.8.13",
   "arduino.commandPath": "arduino",
   "arduino.logLevel": "info",
   "arduino.enableUSBDetection": true,
   "arduino.disableTestingOpen": false,
   "arduino.skipHeaderProvider": false,
   "C_Cpp.intelliSenseEngine": "Tag Parser",
   "C_Cpp.default.includePath": [
       "/home/<ユーザ名>/Arduino/libraries",
       "/home/<ユーザ名>/InstallSoftware/Arduino/arduino-1.8.13/libraries",
       "/home/<ユーザ名>/InstallSoftware/Arduino/arduino-1.8.13/tools",
       "/home/<ユーザ名>/InstallSoftware/Arduino/arduino-1.8.13/hardware"]
}