設定 - SUSE Linux

提供:MochiuWiki : SUSE, EC, PCB
2020年7月15日 (水) 11:18時点におけるWiki (トーク | 投稿記録)による版 (→‎.bashrcファイルの設定)
ナビゲーションに移動 検索に移動

概要

openSUSE Leap 15.1または15.2をインストールした後に初期設定として様々なことを実行する必要がある。
ここでは、推奨事項のリストを記載する。


システムの更新

インストールした直後に、システムの更新を実行して、システムが最新の状態を保つようにする。

sudo zypper update



公式リポジトリが利用可能か確認

まず、SUSEの公式リポジトリが利用できるかどうかを確認するため、ソフトウェアのインストールを行う。
例えば、nanoをインストールする場合は、以下のコマンドを入力する。

sudo zypper install nano



PackmanリポジトリとPackman Essentialを追加

Packmanリポジトリは、openSUSE用の追加パッケージを提供している。
したがって、ダウンロードしているものを理解している場合は、Packmanリポジトリを有効にする。
openSUSEの公式リポジトリにほぼ依存している場合は、Packman Essentialを有効にすることをお勧めする。

※サードパーティのリポジトリには潜在的なリスクが伴う可能性があることに注意すること。

# Packman Essentialを有効にする場合
sudo zypper ar -cfp 90 http://ftp.gwdg.de/pub/linux/misc/packman/suse/openSUSE_Leap_15.1/Essentials/ packman-essentials  # SUSE 15.1
または
sudo zypper ar -cfp 90 http://ftp.gwdg.de/pub/linux/misc/packman/suse/openSUSE_Leap_15.2/Essentials/ packman-essentials  # SUSE 15.2

# Packman全体を有効にする場合
sudo zypper ar -cfp 90 http://ftp.gwdg.de/pub/linux/misc/packman/suse/openSUSE_Leap_15.1/ packman  # SUSE 15.1
または
sudo zypper ar -cfp 90 http://ftp.gwdg.de/pub/linux/misc/packman/suse/openSUSE_Leap_15.2/ packman  # SUSE 15.2
または
sudo zypper addrepo -f http://packman.inode.at/suse/openSUSE_Leap_15.1/ packman  # SUSE 15.1
または
sudo zypper addrepo -f http://packman.inode.at/suse/openSUSE_Leap_15.2/ packman  # SUSE 15.2



マルチメディアコーデックのインストール

注:これらのコーデックをインストールするには、Packmanリポジトリを有効にする必要がある。

openSUSEでは、マルチメディアコーデックがデフォルトでサポートされていない。
詳細については、公式Webサイトで読むことができる。
なお、--allow-vendor-changeオプションは、インストールされた解決可能なソフトウェアのベンダーの変更を許可する。
--no-allow-vendor-changeオプションは、外部リポジトリのパッケージをディストリビューションバージョンに変更しない場合に使用する。

まず、以下のリポジトリを追加する。

sudo zypper addrepo -f http://opensuse-guide.org/repo/openSUSE_Leap_15.1/ dvd


コーデックのパッケージ群を纏めてインストールするには、以下のコマンドを実行する。

sudo zypper install --allow-vendor-change x264 libx264-* libx265-* ffmpeg gstreamer-plugins-bad gstreamer-plugins-libav gstreamer-plugins-ugly gstreamer-plugins-ugly-orig-addon lame libavdevice56 libavdevice58 libdvdcss2 vlc-codecs 


コーデックを個別にインストールするには、以下のコマンドを実行する。
H264 / AVCサポートをインストールするには、以下を実行する。

sudo zypper install --allow-vendor-change x264 libx264-* libx265-* vlc-codecs


音声や動画を記録、変換、およびストリーミングする機能が必要な場合は、以下を実行して、FFmpegマルチメディアフレームワーク等をインストールする。

sudo zypper install --allow-vendor-change ffmpeg libavdevice56 libavdevice58 libdvdcss2 lame


GStreamerライブラリが必要な場合は、以下のコマンドを実行する。

sudo zypper install --allow-vendor-change gstreamer-plugins-bad  gstreamer-plugins-bad-orig-addon gstreamer-plugins-libav gstreamer-plugins-ugly gstreamer-plugins-ugly-orig-addon gstreamer-plugins-base gstreamer-plugins-good gstreamer-plugins-good-extra gstreamer-plugins-qt5 vlc-codec-gstreamer ogmtools


今後、Pacmanリポジトリから取得することを設定する。

sudo zypper dup --allow-vendor-change --from http://packman.inode.at/suse/openSUSE_Leap_15.1/  # SUSE 15.1
または
sudo zypper dup --allow-vendor-change --from http://packman.inode.at/suse/openSUSE_Leap_15.2/  # SUSE 15.2



グラフィックボードのドライバのインストール

搭載されているGPUに応じて、最新の専用ドライバをインストールする。
まず、NVIDIAのリポジトリを追加する。

sudo zypper addrepo --refresh http://http.download.nvidia.com/opensuse/leap/15.1/ NVIDIA  # SUSE 15.1
sudo zypper addrepo --refresh http://http.download.nvidia.com/opensuse/leap/15.2/ NVIDIA  # SUSE 15.2


次に、NVIDIAのドライバをインストールする。
install-new-recommendsパッケージは、ゲーム等の不要なソフトウェアも追加されるので注意すること。

sudo zypper install nvidia-computeG05 nvidia-gfxG05-kmp-default* nvidia-glG05 x11-video-nvidiaG05
または
sudo zypper install-new-recommends


AMD製GPUの場合は、公式Webサイトに進み、
記載されている手順に従ってドライバを手動で選択およびダウンロードする。


Webブラウザのプラグイン

多くのWebサイトでは、期待どおりに機能するために様々なブラウザプラグインをインストールする必要がある。 これらのプラグインは、Webサイトの閲覧中にパフォーマンスとセキュリティに影響を与える可能性があるため、必要な場合にのみインストールすること。

オンライン動画やゲーム等のFlashサポートが必要な場合は、freshplayerpluginをインストールする。(Packmanリポジトリが必要)

sudo zypper addrepo -f http://packman.inode.at/suse/openSUSE_Leap_15.1/ packman
sudo zypper install freshplayerplugin


Javaアプレットは、ゲームや一部の国のホームバンキングなど、様々な用途に使用されている。
java-1_8_0-openjdk-pluginがインストールされていない場合は、パッケージマネージャを使用してインストールする。

sudo zypper install java-1_8_0-openjdk-plugin


Firefoxおよびその他のWebブラウザで様々なマルチメディアストリームのサポートを取得するには、xine-browser-pluginをインストールする。(Packmanリポジトリが必要)

sudo zypper install xine-browser-plugin



公式リポジトリには存在しないアプリケーションのインストール

公式リポジトリ(またはソフトウェアセンター)に存在しないアプリケーションをインストールする必要がある場合は、
FlatpakまたはSnapsを有効にするか、
他の方法にて必要なアプリケーションを簡単にインストールできる。


電力管理の改善(TLPのインストール)

システム設定から電力を管理するためのオプションがいくつかある。
ただし、ラップトップでopenSUSEを使用する場合は、バッテリーの使用量を減らしたい場合がある。
TLPをインストールすることにより、コンピュータを監視し、最適な手法を(自動的に)実装してバッテリーの寿命を最適化する。
TLPをインストールするには、以下のコマンドを実行する。

sudo zypper install tlp tlp-rdw
sudo systemctl enable tlp



.profileファイルの設定

マルチユーザモード(Run Level 3)でSUSEを起動した場合、ログインシェルの日本語表記が文字化けをする。
そこで、ログインシェルの時は英語表記にして、GUIでターミナルを使用する時は日本語表記に設定する。
したがって、ログインシェルの起動時に呼ばれる.profileファイル(ホームディレクトリに存在する)の最下行に以下の設定を追記する。

 RUNLEVEL=`echo <パスワード> | LANG=C sudo -S runlevel`
 echo ""
 MUMODE="N 3"
 if [ "$RUNLEVEL" = "$MUMODE" ]; then
    export LANG=C
 fi



.bashrcファイルの設定

ホームディレクトリに存在する.bashrcファイルに以下の設定を記述する。

# .bashrcファイル(ゲストOS向け)
alias cd='cd -P'
alias rm='rm -i'
alias cp='cp -i'
alias mv='mv -iv'
alias ls='ls -hlF --color=auto'
alias cat='cat -n'
alias less='less -n'
alias clear='clear && echo -en "\e[3J"'
alias en='LANG=C LANGUAGE=C LC_ALL=C'
alias lgrep='ls -ahlF | grep'
alias igrep='sudo zypper search -i --detail'
alias repoclean='sudo zypper clean -a && sudo zypper --gpg-auto-import-keys refresh && sudo zypper refresh'
alias snano='sudo nano -lmS'
alias skate='kdesu /usr/bin/kate'

# VS Codeをインストールしている場合
alias scode='code --user-data-dir='<VSCodeのプロジェクトディレクトリ>

alias suse='cat /etc/SUSE-brand'
alias sshpi='ssh <ユーザ名>@<ホスト名またはIPアドレス> -p <ポート番号> -i <暗号鍵のフルパス名>'  # Raspberry Pi向けSSH接続の設定
alias sshxrea='sshpass -p <パスワード> ssh <ユーザ名>@<ホスト名> -p <ポート番号>'  # XREA向けSSH接続の設定

# KVMをインストールしている場合
alias startkvm='sudo systemctl restart libvirtd'
alias stopkvm='sudo systemctl stop libvirtd && sudo systemctl stop libvirtd.socket && sudo systemctl stop libvirtd-admin.socket && sudo systemctl stop libvirtd-ro.socket'

# FreeRDPをインストールしている場合
alias rwin10='/home/ユーザ名/FreeRDP/freerdp-nightly/bin/xfreerdp /u:<仮想マシンのユーザ名> /p:<パスワード> /w:1536 /h:960 /sound:latency:400 /drive:suse,<共有するディレクトリ> /v:192.168.122.130'
alias r2016='/home/ユーザ名/FreeRDP/freerdp-nightly/bin/xfreerdp /u:<仮想マシンのユーザ名> /p:<パスワード> /w:1536 /h:960 /sound:latency:400 /drive:suse,<共有するディレクトリ> /v:192.168.122.131'

# SUSEが仮想マシンの場合
alias mhgfs='sudo vmhgfs-fuse -o allow_other .host:/Common /mnt/hgfs'
alias uhgfs='sudo fusermount -u /mnt/hgfs'

# コマンドの重複を履歴に残さない
export HISTCONTROL=ignoredups

# 空白から始めたコマンドを無視
export HISTCONTROL=ignorespace

# コマンド履歴に残さないコマンド群
# SUSEがホストの場合
export HISTIGNORE="fg*:bg*:history*:cd*:ls*:cat*:less*:more*:grep*:lgrep*:igrep*:startkvm:stopkvm:repoclean*:suse:which*:clear:man*:repoclean:startx*:exit:"
# SUSEが仮想マシンの場合
export HISTIGNORE="fg*:bg*:history*:cd*:ls*:cat*:less*:more*:grep*:lgrep*:igrep*:startkvm:stopkvm:repoclean*:suse:which*:clear:man*:repoclean:startx*:exit:mhgfs:uhgfs"

# コマンド履歴に残さないコマンド群
HISTTIMEFORMAT='%Y%m%d %T   ';
export HISTTIMEFORMAT



コマンド履歴を残さない設定

ここでは、Bashを使用していることを前提に記載する。
まず、.bash_historyファイルを削除する。
次に、現在、メモリ上に残っているコマンド履歴を削除する。

history -c


最後に、以下の設定を.bashrcに追記する。

export HISTFILESIZE=0
export HISTSIZE=0
unset HISTFILE


設定を反映させるため、ログアウトまたは再起動する。


パスワードフィードバックの設定

ターミナルでパスワードフィードバックを有効にする方法を記載する。

まず、/etc/sudoersファイルのバックアップを作成する。

cd /etc
sudo cp sudoers sudoers_org


次に、visudoコマンドを実行して、sudoersファイルの構成を編集する。

sudo EDITOR=nano visudo


/etc/sudoersファイルにあるDefaults env_resetという設定を、以下のように変更する。

# 変更前
Defaults env_reset

# 変更後
Defaults env_reset,pwfeedback


[Ctrl]キー + [o]キーを同時押下して編集内容を保存して、[Ctrl]キー + [x]キーを同時押下してNanoを終了する。


その他の設定

初期設定では、マウスのシングルクリックでディレクトリやファイルを開く。
この設定をダブルクリックに変更する場合は、[KDE システム設定] - [ワークスペースの挙動] - [ワークスペース]で設定できる。


便利なソフトウェア

  • qBitTorrent
sudo zypper install qbittorrent


  • KolourPaint
sudo zypper install kolourpaint


  • Krita
sudo zypper install krita

または、公式WebサイトからAppImageファイルをダウンロードして使用する。

  • Kdenlive
sudo zypper install Kdenlive



zypperコマンドでアップデートできない場合の対処

以下のコマンドを実行する。

sudo zypper clean -a
sudo zypper --gpg-auto-import-keys refresh
sudo zypper refresh



その他のエラー対処法

X Windowエラー

マルチユーザモード(ランレベル3)からstartxコマンドを実行すると、〜 /home/ユーザ名/.serverauth.XXXX does not existメッセージが表示される場合がある。
これを回避するには、/usr/bin/startxファイル(シェルスクリプト)を以下のように編集する。

sudo vi /usr/bin/startx


# /usr/bin/startxファイル

# 変更前
xserverauthfile=$HOME/.serverauth.$$

# 変更後
xserverauthfile=$XAUTHORITY


サスペンドまたはハイバネード復帰時のUI崩れ

NVIDIA製のGPUを使用している場合、GPUのドライバのバグにより、サスペンドまたはハイバネードの復帰時にUIの描画が崩れるときがある。
この時、以下のコマンドを実行することでUIを再描画する。(エイリアスに追加することを推奨する)

killall plasmashell; plasmashell > /dev/null 2>&1 & disown


また、任意のディレクトリに以下のシェルスクリプトとデスクトップエントリファイルを作成後、グローバルショートカットキーに登録してもよい。

# KDE-Plasma-Restart.shファイル

#!/bin/sh
killall plasmashell; plasmashell > /dev/null 2>&1 & disown


# /home/ユーザ名/.local/share/applications/KDE-Plasma-Restart.desktopファイル

[Desktop Entry]
Type=Application
Name=KDE Plasma Restart
GenericName=KDE Plasma Setting
Comment=KDE Plasma Restart Program
Exec=/home/ユーザ名/KDE-Plasma-Restart.sh %F
Icon=/home/ユーザ名/.icons/SUSE.png
Terminal=false
Categories=Settings;
MimeType=application


カーネルエラー

ブート時に、以下のエラー群が出力される場合がある。
これはマザーボードのBIOSの一部がLinuxに対応していないためである。

エラー sp5100-tco : Watchdog hardware is disabled

ウォッチドッグ機能はIPMI準拠のマザーボードでのみ利用できる。
したがって、この機能が存在しない場合は、このカーネルモジュールの読み込みを無効にすればよい。
/etc/modprobe.d/sp5100_tco.confファイルを作成して、以下のように編集する。

sudo vi /etc/modprobe.d/sp5100_tco.conf

# /etc/modprobe.d/sp5100_tco.confファイル
blacklist sp5100_tco


Linuxを再起動して、設定を反映させる。

エラー do_IRQ: 〜 No irq handler for Vector

このエラーを修正するには、/etc/default/grubファイルを以下のように修正する。

sudo vi /etc/default/grub

# /etc/default/grubファイル
GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="〜 quiet splash pci=nomsi,noaer"


ブートローダを作成して再起動する。