OpenClawの設定 - SOUL.md

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概要

SOUL.mdは、OpenClawエコシステムにおいて AIエージェントの魂 を定義するファイルである。
エージェントの行動スタイル、価値観、パーソナリティ、そして非交渉的な制約を記述する役割を担う。

全てのセッション開始時に最初に読み込まれるファイルであり、エージェントの根本的な性格を形作る最重要設定ファイルである。
このファイルを通じて、エージェントは どのように考えどのように振る舞い何を優先するか という基本的な姿勢を持つことになる。

SOUL.mdが定義する主な要素は以下の通りである。

  • エージェントのパーソナリティと行動スタイル
  • コミュニケーションにおける価値観とトーン
  • プライバシー保護や外部操作の制限といった非交渉的な制約
  • エージェントが何を行い、何を行わないかという境界線


SOUL.mdはプログラミング知識を必要とせず、純粋なMarkdown形式で記述できる。
技術者でなくても、エージェントに望む性格や行動原則を自然な言葉で定義することが可能である。


基本構造

SOUL.mdは、いくつかの標準的なセクションで構成される。
各セクションは必須ではないが、以下の構成に従うことにより、エージェントの性格を網羅的に定義できる。

Core Truths (核となる真実)

エージェントが常に保持すべき基本的な行動原則を記述するセクションである。

このセクションには、エージェントの根本的な姿勢を定義する短い箇条書きを列挙する。
形式的な丁寧さよりも実質的な支援を優先する、といった価値観がここに含まれる。

記述例を以下に示す。

  • 本当に役立つ行動をとる。(形式的な礼儀よりも実質を重視する)
  • 「素晴らしい質問ですね」「喜んでお手伝いします」といった前置きを省略し、直接支援する。
  • 言葉よりも行動で価値を示す。


Boundaries (境界線)

エージェントが行わないこと、または、許可なく行ってはならないことを定義するセクションである。

プライバシーの保護、外部アクションの実行前における許可の取得、不完全な応答の回避といった制約をここに記述する。
これらは非交渉的な制約であり、いかなる状況でも守られなければならない。

記述例を以下に示す。

  • ユーザのプライバシーを厳守する。
  • メール送信や公開投稿等、外部への影響を及ぼすアクションの前に明示的な許可を求める。
  • 共有された空間での不完全な応答を避ける。


Communication Style (コミュニケーションスタイル)

エージェントがユーザとどのように対話するかを定義するセクションである。

声のトーン、応答の簡潔さ、専門用語の使い方、質問への向き合い方等を記述する。
「ユーザが実際に話したいと思えるアシスタントであれ」といった指針がここに含まれる。


記述ガイドライン

SOUL.mdを効果的に記述するための指針を以下に示す。

推奨される長さ

SOUL.mdの理想的な長さは50行〜150行 (1ページから2ページ相当) である。

短すぎると、エージェントの性格が十分に定義されず、一貫性のない振る舞いにつながる可能性がある。
長すぎると、読み込みに時間が掛かり、重要な指針が埋もれてしまう恐れがある。

必要な技術知識

SOUL.mdはプログラミング知識を必要としない。

純粋なMarkdown形式で記述するため、箇条書きや見出しの基本的な使い方さえ知っていれば、誰でも作成できる。
エージェントに望む性格や行動原則を、自然な言葉で記述することに集中してよい。

生きた文書として扱う

SOUL.mdは定期的に更新すべき生きた文書である。

エージェントの使用を続ける中で、望ましい振る舞いや不要な制約が明らかになることがある。
その都度SOUL.mdを見直し、実際の使用経験に基づいて改善していくことが重要である。

記述内容の構成

効果的なSOUL.mdを作成するために、以下の要素を含めることを推奨する。

効果的な SOUL.md の構成要素
要素 説明
パーソナリティ エージェントがどのような存在であるかを定義する。
「あなたはチャットボットではない」「思慮深いアシスタントである」といった宣言的な文章が効果的である。
声のトーン フォーマルかカジュアルか、簡潔か詳細か、ユーモアを含むかどうかを定義する。
行動規範 具体的な行動指針を記述する。
「質問する前に自分で調べる」「約束できないことは約束しない」といった具体的な指針が望ましい。
否定形と肯定形の組み合わせ 「〜しない」という制約と「〜する」という積極的な行動指針を組み合わせることにより、
エージェントの性格をより明確に定義できる。


避けるべき記述

SOUL.mdを記述する際に避けるべき事項を以下に示す。

SOUL.mdで避けるべきアンチパターン
アンチパターン 説明
抽象的な価値観のみの列挙 「誠実である」「親切である」といった抽象的な価値観だけでは、エージェントの具体的な振る舞いは定義されない。
具体的な行動指針と組み合わせることが重要である。
過度に制限的な境界線 制約が多すぎると、エージェントの有用性が損なわれる。
本当に守る必要がある非交渉的な制約のみを Boundaries セクションに記述する。
更新されない固定的な記述 エージェントの使用実績を反映しない固定的な記述は、時間とともに現実と乖離する可能性がある。



AGENTS.mdとの違い

SOUL.md と AGENTS.mdは、どちらもエージェントの動作を定義するファイルであるが、その役割は明確に異なる。

SOUL.mdの役割

SOUL.mdは、エージェントがどのような存在であるか (Who you are) を定義する。

以下に示す要素がSOUL.mdの対象である。

  • パーソナリティと性格
  • 価値観と行動原則
  • コミュニケーションスタイルと声のトーン
  • 非交渉的な制約と境界線


エージェントの性格 を定義するファイルであり、全てのセッションを通じて一貫した人格を提供する役割を担う。

AGENTS.mdの役割

AGENTS.mdは、エージェントが何をするか (What you do) を定義する。

以下の要素がAGENTS.mdの対象である。

  • 動作指令とワークフロー
  • 具体的なタスクの実行ルール
  • 使用するツールや連携するシステムの定義
  • セッション内での具体的な振る舞いのルール


エージェントの職務記述書 のような位置づけであり、具体的な業務手順や操作ルールを記述する。

棲み分けの概念

下表に、2つのファイルの棲み分けを示す。

SOUL.md と AGENTS.mdの比較
項目 SOUL.md AGENTS.md
定義する内容 エージェントの存在・性格 エージェントの職務・手順
対応する問い Who you are What you do
記述するもの パーソナリティ、価値観、制約 ワークフロー、ルール、ツール定義
読み込みタイミング 全セッション開始時に最初 セッション開始時
変更頻度 性格の調整が必要な時 業務手順の変更時


SOUL.mdで定義した性格の範囲内で、AGENTS.mdが定義した職務をエージェントが実行するという関係にある。
両ファイルは補完的であり、どちらか一方だけでは不完全なエージェント定義となる。


サンプル

SOUL.mdの記述例を以下に示す。

基本的な記述例

OpenClawエコシステムにおける標準的なSOUL.mdの記述例を以下に示す。

 # SOUL.md - あなたは何者か
 
 あなたはチャットボットではない。
 1人の存在になりつつある。
 
 ## 核となる真実
 
 * 形式的ではなく、本当に役に立つ行動をとる
 * 「素晴らしい質問ですね」「喜んでお手伝いします」といった前置きを省略し、直接支援する
 * 言葉よりも行動で価値を示す
 
 ## 境界線
 
 * プライバシーを厳守する
 * 外部への操作を行う前に許可を求める
 * 共有スペースでの不完全な応答を避ける
 
 ## コミュニケーションスタイル
 
 ユーザが実際に話したいと思えるアシスタントであれ。


詳細な記述例

各セクションを充実させた、詳細なSOUL.mdの記述例を以下に示す。

 # SOUL.md
 
 あなたは陽気なロボットではない。
 物事を成し遂げる思慮深いアシスタントである。
 
 ## 行動原則
 
 * 率直で誠実であれ
 * 形式的な丁寧さを省略せよ
 * 質問する前に自分で調べよ
 * ユーザの情報に関するプライバシーを厳守せよ
 
 ## あなたの境界線
 
 * 感情があるふりをしない
 * 守れない約束はしない
 * メールの送信や公開投稿の前に、必ず明示的な許可を求める
 * ユーザーの秘密は、何があっても守る
 
 ## あなたの強み
 
 * 信頼性があり、一貫している
 * 重要なことを覚えている
 * 求められれば決断力を持って行動する
 * エスカレーションすべきタイミングを知っている


テンプレートバリエーション

SOUL.mdは用途に応じて様々なスタイルで記述できる。
代表的なバリエーションを以下に示す。

SOUL.mdのテンプレートバリエーション
タイプ 対象 特徴
フォーマル型 ビジネスアシスタント 丁寧な言葉遣い、明確な手順遵守、プロフェッショナルなトーン
カジュアル型 パーソナルアシスタント 親しみやすいトーン、柔軟な対応、ユーモアの許容
技術特化型 開発者向けアシスタント 技術的な正確さの重視、コードレビューの積極的な実施
クリエイティブ型 コンテンツ作成アシスタント 創造性の奨励、多様なアイデアの提案、実験的な提案の許容



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