統計学 - 二項分布
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概要
二項分布は、成功か失敗のいずれかの結果しかない試行 (ベルヌーイ試行と呼ばれる) を複数回実施した場合の、成功回数の分布を表現する。
二項分布の表現として、確率質量関数 を用いる。
ここで、nは試行回数、kは成功回数、pは1回の試行における成功確率を表す。
この式中の は組み合わせの数を表しており、n個からk個を選ぶ方法の数を示している。
二項分布の実社会での例として、以下に示すようなものが挙げられる。
- 製品の不良品検査
- ロットから抽出したサンプルの中の不良品数の予測
- マーケティングにおける新商品の購入意向調査での肯定的な回答数の予測
- 医療における治療効果の判定
また、二項分布は試行回数nが大きくなるにつれ、正規分布に近似されることが知られている。(中心極限定理)
これは、実務上において重要な性質であり、計算の簡略化に役立つ。
また、二項分布では独立性と確率の一定性がある。
つまり、各試行は互いに独立していなければならず、各試行における成功確率は一定である必要がある。
例えば、コイン投げの場合、各投げは独立しており、かつ、表が出る確率は常に であると仮定する。
この分布の応用範囲は非常に広く、品質管理、世論調査、医学研究等、様々な分野で活用されている。
特に、ある事象が成功か失敗のどちらかに分類できる場合の確率予測に有用である。
なお、二項分布は、より一般的なポアソン分布や超幾何分布の特殊なケースとしても位置付けられる。
期待値および分散
- 期待値
- 分散
これらの値は、実際のデータの分布がどの程度理論値から外れているかを判断する時の基準として使用される。
例題
例題: 硬貨を2枚投げて、1枚だけ表が出る確率を求めよ。 解答: 二項分布の確率質量関数を使用する。 nは試行回数 = 2 (コインを2回投げる) kは成功回数 = 1 (表が出る回数) pは1回の試行での成功確率 = 1/2 (コインの表が出る確率) 2個から1個を選ぶ組み合わせの数 : よって、 したがって、硬貨を2回投げて1枚だけ表が出る確率は、 となる。