PHPとデータベース - SELECT
概要
データベース操作において、最初に行うものは接続の確立である。
この時、データベースのホスト名、データベース名、ユーザ名、パスワード等の接続情報を指定する。
また、文字セットはUTF-8、エラーモードを適切に設定する。
プリペアドステートメントは、SQLインジェクション対策として不可欠な機能である。
クエリの中で変数を直接使用せず、プレースホルダーを使用することで、SQLインジェクション攻撃からアプリケーションを守ることができる。
データの取得方法には主に2つのアプローチがある。
- fetchメソッド
- 1レコードずつ取得する。
- 大規模なデータセットを扱う場合は、メモリ効率を考慮してfetchメソッドを使用したループ処理が推奨される。
- fetchAllメソッド
- 結果セット全体を1度に取得する。
トランザクション処理は、複数のクエリを1つの論理的な単位として実行する場合に使用する。
トランザクションを使用することにより、データの整合性を保ちながら、複数の操作を安全に実行することができる。
また、データベース接続のクリーンアップも重要である。
使用が終わったステートメントやデータベース接続は、適切にクローズする必要がある。
これにより、システムリソースを効率的に管理することができる。
単一のレコードの抽出
PDO::fetch
メソッドは、1レコードのみ取得する。
try {
$pdo = new PDO(
'mysql:host=<ホスト名またはIPアドレス>;dbname=<データベース名>;charset=utf8mb4',
'<DBユーザ名>',
'<DBユーザのパスワード>',
[PDO::ATTR_ERRMODE => PDO::ERRMODE_EXCEPTION]
);
$stmt = $pdo->prepare('SELECT * FROM users');
$stmt->execute();
$record = $pdo->fetch(PDO::FETCH_ASSOC)
}
catch (PDOException $e) {
die('接続エラー: ' . $e->getMessage());
}
繰り返し文を使用することにより、該当する複数のレコードを取得することができる。
※注意
大量のレコードを処理する場合は、メモリ使用量を考慮してfetch
メソッドを使用したループ処理が推奨される。
try {
$pdo = new PDO(
'mysql:host=<ホスト名またはIPアドレス>;dbname=<データベース名>;charset=utf8mb4',
'<DBユーザ名>',
'<DBユーザのパスワード>',
[PDO::ATTR_ERRMODE => PDO::ERRMODE_EXCEPTION]
);
$stmt = $pdo->prepare('SELECT * FROM users');
$stmt->execute();
while ($record = $pdo->fetch(PDO::FETCH_ASSOC)) {
echo htmlspecialchars($record['name'], ENT_QUOTES, 'UTF-8');
echo htmlspecialchars($record['address'], ENT_QUOTES, 'UTF-8');
}
}
catch (PDOException $e) {
die('接続エラー: ' . $e->getMessage());
}
$stmt = null;
$pdo = null;
複数のレコードの取得
PDO::fetchAll
メソッドは、該当するレコードを全て取得して、連想配列に変換する。
複数のレコードに対して処理を行う場合は、その連想配列をforeach文で1レコードずつ取得する。
$records = $pdo->fetchAll(PDO::FETCH_ASSOC);
foreach ($records as $record) {
echo htmlspecialchars($record['name']);
echo htmlspecialchars($record['address']);
}
以下の例では、usersテーブルから指定値以上のageカラムのレコードを全件抽出している。
$stmt = $pdo->prepare('SELECT * FROM users WHERE age > :age');
$stmt->execute([':age' => 20]);
$results = $stmt->fetchAll(PDO::FETCH_ASSOC);
foreach ($records as $record) {
echo htmlspecialchars($record['name'], ENT_QUOTES, 'UTF-8');
echo htmlspecialchars($record['address'], ENT_QUOTES, 'UTF-8');
}
プリペアードステートメントにおいて、以下に示すような記述がある。
一般的には前者のシンタックス (コロンなし) が推奨される。
これは、コードの一貫性を保ちやすく、より簡潔だからである。
$stmt->execute(['age' => 20]); // OK
$stmt->execute([':age' => 20]); // OK
また、PDOの内部でプレースホルダーの処理が適切に行われるため、キーにコロンをつける必要はない。