Qtの基礎 - 終了処理
ナビゲーションに移動
検索に移動
概要
コンソールアプリケーション
QCoreApplication::quit()
メソッドおよびQCoreApplication::exit()
において、
両方ともアプリケーションを終了するために使用するが、動作と使用場面が異なる。
使用の指針を以下に示す。
- 一般的な状況では、
QCoreApplication::quit()
メソッドの使用を推奨する。
これは、イベントループを適切に終了して、保留中のイベントを処理する機会を与える。 QCoreApplication::exit()
メソッドは、
即座にアプリケーションを終了する必要がある場合 (例: クリティカルなエラーが発生した場合) や特定の終了コードを返す必要がある場合に使用する。- GUIアプリケーションでは、
QCoreApplication::quit()
メソッドの使用を推奨する。
これにより、ウインドウを適切に閉じて、リソースをクリーンアップする機会が与えられる。 - コンソールアプリケーションでは、
QCoreApplication::quit()
メソッドでもよいが、
特定の終了コードが必要な場合は、QCoreApplication::exit()
メソッドを使用することがある。
QCoreApplication::quit()
QCoreApplication::quit()
メソッドは、シグナルとして実装されている。
非同期で動作して、イベントループを安全に終了させることができる。
(イベントループの次の反復時に処理される)
戻り値はない。
一般的に、スロットとして接続、または、QTimer::singleShot()
と組み合わせて使用する。
以下の例では、QCoreApplication::quit()メソッドはシグナルとして動作するため、関数呼び出しは即座に戻り、次の行が実行される。
アプリケーションは次のイベントループの反復時に終了する。
// 使用例
#include <QCoreApplication>
#include <QTimer>
#include <iostream>
void useQuit()
{
std::cout << "Calling quit()..." << std::endl;
QCoreApplication::quit();
std::cout << "This line will be executed." << std::endl;
}
int main(int argc, char *argv[])
{
QCoreApplication a(argc, argv);
// QCoreApplication::quit()の例
QTimer::singleShot(1000, useQuit);
return a.exec();
}
QCoreApplication::exit()
QCoreApplication::exit(int returnCode = 0)
は、通常のメソッドとして実装されている。
同期的に動作して、イベントループを即座に終了させることができる。
(呼び出された時点で即座に処理される)
整数の戻り値を受け取り、それをアプリケーションの終了コードとして使用する。
特定の終了コードでアプリケーションを終了させる場合に使用する。
以下の例では、QCoreApplication::exit(0)メソッドが呼び出された直後にアプリケーションが終了するため、2番目のcout文は実行されない。
#include <QCoreApplication>
#include <iostream>
void useExit()
{
std::cout << "Calling exit()..." << std::endl;
QCoreApplication::exit(0);
std::cout << "This line will NOT be executed." << std::endl;
}
int main(int argc, char *argv[])
{
QCoreApplication a(argc, argv);
// QCoreApplication::exit()の例
QTimer::singleShot(1000, useExit);
return a.exec();
}