概要
OpenClawは、オープンソースのセルフホスト型AIエージェントゲートウェイである。
メッセージングプラットフォームを主要なユーザインターフェースとして使用し、LLM (大規模言語モデル) を介した自律的なタスク実行を行う。
旧称はClawdbot (2025年11月公開)、Moltbot (2026年1月改名) であり、2026年1月30日にOpenClawへ改名された。
下表に、OpenClawの主要な特徴を示す。
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| マルチプロバイダ対応 | Anthropic (Claude)、OpenAI (GPT)、Google (Gemini)、GitHub Copilot、Z.AI (GLM)、Ollama等の主要プロバイダをサポート |
| マルチチャネル対応 | 12以上のメッセージングプラットフォームに対応 WhatsApp、Telegram、Discord、Slack、Signal、iMessage、Google Chat、Microsoft Teams、Matrix等 |
| プライバシー重視の設計 | 全てのデータはローカルのSQLiteデータベースに保存 |
| アーキテクチャ | Gateway (制御プレーン) + エージェント (実行環境) |
| MCP対応 | MCP (Model Context Protocol) をサポート |
| 拡張機能 | スキル、フック、cronジョブによる拡張機能 |
| ブラウザ自動操作 | CDP制御によるChrome / Chromiumの自動操作 |
| 音声対応 | 音声認識 (Whisper) およびTTS (Text-to-Speech) 対応 |
OpenClawは、Node.js 22以降で実装されている。
セッション管理、マルチエージェント対応を備え、会話履歴の保存、コンテキスト圧縮、メモリシステム (日次ログ、長期メモリ、セマンティック検索) を持つ。
Gatewayは ws://127.0.0.1:18789 でWebSocket制御プレーンとして動作し、systemd (Linux) / launchd (MacOS) によるバックグラウンドサービスとして常駐する。
設定ファイルはJSON5形式 (~/.openclaw/openclaw.json) であり、コメントと末尾カンマが使用可能である。
主な機能
OpenClawは、多様な機能を提供する包括的なAIエージェントプラットフォームである。
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| Gateway | WebSocket制御プレーン (ws://127.0.0.1:18789) systemd / launchdによるバックグラウンドサービス |
| マルチチャネル対応 | WhatsApp、Telegram、Discord、Slack、Signal、iMessage等の12以上のプラットフォーム |
| マルチプロバイダ対応 | Anthropic、OpenAI、Google、Z.AI、Ollama、OpenRouter、Groq等をサポート |
| セッション管理 | 会話履歴の保存、コンテキスト圧縮、セッションスコープ管理 |
| メモリシステム | 日次ログ (memory/YYYY-MM-DD.md)、長期メモリ (MEMORY.md)、セマンティック検索 |
| スキルシステム | ClawHubによるスキルの検索・インストール ワークスペース、ローカル、バンドルの3階層 |
| フック | ツール実行前後の自動処理 (コード品質チェック、テスト自動実行等) |
| ブラウザ自動操作 | CDP制御によるChrome / Chromiumの自動操作 |
| cronジョブ | スケジュールされたタスクの自動実行 |
| サンドボックス | Docker / Podmanによるツール実行のサンドボックス化 |
| マルチエージェント | 複数エージェントの独立したワークスペース、認証、ルーティング |
| TUI / WebChat | ターミナルベースのTUIとブラウザベースのWebChatインターフェース |
| 音声対応 | Whisperによる音声認識、ElevenLabsによるTTS |
対応AIプロバイダとモデル
OpenClawは、多数のLLMプロバイダに対応している。
主要プロバイダ一覧
| プロバイダ | 認証方法 | 備考 |
|---|---|---|
| Anthropic | APIキー (ANTHROPIC_API_KEY)またはOAuth (Claude Pro / Max) |
Claude Opus 4.5、Sonnet 4.5、Haiku 4.5等をサポート 推奨プロバイダ |
| OpenAI | APIキー (OPENAI_API_KEY) |
GPT-5.x、GPT-4o、o3等をサポート |
| OpenAI Codex | OAuth | openclaw onboard --auth-choice openai-codex で認証
|
APIキー (GOOGLE_API_KEY) |
Gemini 3等をサポート Vertex AI、Gemini CLI OAuthはプラグインで対応 | |
| GitHub Copilot | GitHub認証 (OAuth) | COPILOT_GITHUB_TOKEN
|
| Z.AI | APIキー (ZAI_API_KEY) |
GLM-5、GLM-4.7、GLM-4.6等をサポート プロバイダプレフィックス : zai/
|
| OpenRouter | APIキー (OPENROUTER_API_KEY) |
複数プロバイダのルーティング Auto Model対応 |
| Ollama | ローカル実行 (認証不要) | ローカルモデルの実行 http://127.0.0.1:11434/v1 で自動検出 |
| Groq | APIキー (GROQ_API_KEY) |
高速推論 |
| Cerebras | APIキー (CEREBRAS_API_KEY) |
GLM-4.7、GLM-4.6も利用可能 |
| Mistral | APIキー (MISTRAL_API_KEY) |
Mistral Largeをサポート |
| xAI | APIキー (XAI_API_KEY) |
Grokモデルをサポート |
| MiniMax | APIキー (MINIMAX_API_KEY) |
Anthropic互換エンドポイント |
| AWS Bedrock | AWS認証情報 | Anthropicモデルのホスティング |
推奨モデル
| 用途 | 推奨モデル |
|---|---|
| 高精度エージェント | Claude Opus 4.5 (anthropic/claude-opus-4-5) |
| バランス重視 | Claude Sonnet 4.5 (anthropic/claude-sonnet-4-5) |
| 高速処理 | Claude Haiku 4.5、GPT-4o-mini |
| 複雑な推論 | Claude Opus 4.6、o3 |
| ローカル実行 | Devstral-24B、Qwen3-Coder:32B (Ollama / LM Studio) |
| コスト効率重視 | GLM-5、GLM-4.7 (Z.AI) |
| コスト自動最適化 | OpenRouter Auto Model (openrouter/openrouter/auto) |
ローカルモデル (Ollama)
Ollamaを使用することで、ローカル環境でモデルを実行できる。
Ollamaのインストール
Ollamaの公式サイトからインストールスクリプトをダウンロードして実行する。
curl -fsSL https://ollama.com/install.sh | bash
モデルのダウンロード
Ollamaでモデルをダウンロードする。
ollama pull devstral
OpenClawでの設定
Ollamaはローカル実行時に自動検出される。
openclaw.json ファイルで明示的に設定する場合は以下のように記述する。
{
agents: {
defaults: {
model: {
primary: "ollama/devstral"
}
}
}
}
前提条件
OpenClawをインストールするには、以下に示す前提条件を満たす必要がある。
標準インストール時の前提条件
| 要件 | 詳細 |
|---|---|
| OS | Linux、MacOS、Windows (WSL2経由) |
| Node.js | 22以降 (インストールスクリプトが自動検出・インストール可能) |
| ネットワーク | AIプロバイダへの接続に必要 |
| AIプロバイダのAPIキー | 使用するプロバイダのAPIキーまたは認証情報 Anthropic推奨 |
OpenClawのインストール
クイックインストール (Linux)
公式のインストールスクリプトを使用してインストールする。
なお、Node.jsが未インストールの場合、自動的にインストールされる。
curl -fsSL https://openclaw.ai/install.sh | bash
インストール完了後、オンボーディングウィザードを実行する。
openclaw onboard --install-daemon
--install-daemon オプションにより、systemdユーザサービスとしてGatewayがインストールされ、バックグラウンドで常駐する。
npm (全プラットフォーム)
npmを使用してグローバルインストールする。
npm install -g openclaw@latest
インストール後、オンボーディングウィザードを実行する。
openclaw onboard --install-daemon
pnpm
pnpmを使用してグローバルインストールすることもできる。
pnpm add -g openclaw@latest openclaw onboard --install-daemon
Docker
Docker環境でOpenClawを実行する場合は以下のコマンドを実行する。
docker run -d \ --name openclaw \ -p 8080:8080 \ -e ANTHROPIC_API_KEY=sk-ant-... \ -e AUTH_PASSWORD=changeme \ -e OPENCLAW_GATEWAY_TOKEN=my-secret-token \ -v openclaw-data:/data \ coollabsio/openclaw:latest
/data ボリュームをマウントすることにより、設定、状態、ワークスペースがコンテナ再起動後も永続化される。
ソースコードからのビルド
GitHubリポジトリからクローンしてビルドすることもできる。
git clone https://github.com/openclaw/openclaw.git cd openclaw pnpm install pnpm ui:build
Node.jsのインストール
OpenClawにはNode.js 22以降が必要である。
Node.jsのインストールについては、インストール - Node.jsのページを参照すること。
nvmを使用する場合、~/.profileファイル等にNVMの初期化スクリプトが含まれていることを確認すること。
含まれていない場合は、openclaw コマンドが見つからなくなることがある。
バージョン確認
インストール後、バージョンを確認する。
openclaw --version
初期設定
オンボーディングウィザード
OpenClawのインストール後、オンボーディングウィザードを実行する。
ウィザードは、Gateway、ワークスペース、チャネル、スキルの設定を対話的にガイドする。
openclaw onboard --install-daemon
ウィザードは以下のステップを順番に実行する。
| No. | ステップ | 説明 |
|---|---|---|
| 1 | リスク確認 | エージェントの権限に関するセキュリティ警告 |
| 2 | 既存設定の処理 | 保持 / 変更 / リセットの選択 |
| 3 | フロー選択 | QuickStart (デフォルト) または Advanced (詳細制御) |
| 4 | モード選択 | ローカルGateway または リモート接続 |
| 5 | 認証設定 | モデルプロバイダの認証 (OAuth / APIキー) |
| 6 | モデル選択 | プライマリモデルとオプションのフォールバック |
| 7 | チャネル設定 | メッセージングプラットフォームの接続 |
| 8 | スキル設定 | オプションのスキルインストール |
プロバイダの認証
Anthropicとの連携 (推奨)
APIキーを使用する場合、openclaw models auth コマンドで認証を設定する。
openclaw models auth add --provider anthropic
または、環境変数でAPIキーを設定する。
export ANTHROPIC_API_KEY="sk-ant-..."
Claude Pro / Max サブスクリプションを使用する場合、OAuthで認証する。
openclaw models auth setup-token --provider anthropic
環境変数を永続化する場合は、~/.profileファイル等に環境変数 ANTHROPIC_API_KEY を設定する。
export ANTHROPIC_API_KEY="sk-ant-..."
Z.AI (GLM) との連携
Z.AIのGLMモデル (GLM-5、GLM-4.7等) をOpenClawで使用するには、Z.AIのAPIキーが必要である。
Z.AIのAPIコンソールにアクセスして、APIキーを取得する。
認証の設定手順
openclaw onboard コマンド または openclaw models auth add コマンドでZ.AIプロバイダを追加する。
openclaw models auth add --provider zai
または、環境変数でAPIキーを設定する。
export ZAI_API_KEY="<Z.AIのAPIキー>"
openclaw.json ファイルでGLM-5をプライマリモデルに設定する例を以下に示す。
{
agents: {
defaults: {
model: {
primary: "zai/glm-5",
fallbacks: ["zai/glm-4.7", "zai/glm-4.6"]
}
}
}
}
※注意
z.ai/* および z-ai/* のプロバイダプレフィックスは、自動的に zai/* に正規化される。
GLM-5の情報
GLM-5は、Z.AI (Zhipu AI) が開発した大規模言語モデルである。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総パラメータ数 | 744B (アクティブ : 40B) |
| アーキテクチャ | Mixture-of-Experts (MoE) |
| コンテキストウィンドウ | 198K |
| 注意機構 | DeepSeek Sparse Attention (DSA) |
| 後学習 | 非同期RL基盤 (Slime) |
| 推論 | AIME 2026 I : 92.7%、GPQA-Diamond : 86.0% |
| コーディング | SWE-bench Verified : 77.8%、SWE-bench Multilingual : 73.3% |
| エージェント | BrowseComp : 62.0、Terminal-Bench 2.0 : 56.2 |
OpenClawバージョン 2026.2.21にて、GLM-5のネイティブサポートが追加されている。
設定ファイル
OpenClawの設定ファイルは、~/.openclaw/openclaw.json ファイルに配置される。
JSON5形式 (コメント、末尾カンマ対応) で記述する。
設定ファイルの場所
| パス | 用途 |
|---|---|
| ~/.openclaw/openclaw.json | メイン設定ファイル |
| ~/.openclaw/workspace/ | スキル、プロンプト、メモリ |
| ~/.openclaw/credentials/ | チャネル認証情報 |
| ~/.openclaw/agents/<agentId>/sessions/ | エージェントセッションデータ |
| ~/.openclaw/openclaw.db | ローカルSQLiteデータベース |
ワークスペースファイル
ワークスペースファイルは ~/.openclaw/workspace/ ディレクトリに配置され、エージェントのセッション開始時に読み込まれる。
| ファイル | 用途 |
|---|---|
| AGENTS.md | エージェントの指示・動作定義 |
| SOUL.md | ペルソナとトーンの定義 |
| USER.md | ユーザ情報 |
| IDENTITY.md | 名前、絵文字、テーマ |
| TOOLS.md | ツールに関するメモ |
| HEARTBEAT.md | ハートビートチェックリスト |
| MEMORY.md | 長期メモリ (メインDMセッションのみ) |
| memory/YYYY-MM-DD.md | 日次ログ (追記専用) |
設定ファイルの例
{
// JSON5 - コメント対応
identity: {
name: "Clawd",
emoji: "🦞"
},
agent: {
workspace: "~/.openclaw/workspace",
model: {
primary: "anthropic/claude-sonnet-4-5"
}
},
channels: {
whatsapp: {
allowFrom: ["+8190XXXXXXXX"]
}
}
}
下表に、設定可能な主要項目を示す。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
identity |
エージェントの名前、絵文字、テーマ |
agent.model.primary |
プライマリモデル (プロバイダ/モデル名 形式) 例: anthropic/claude-sonnet-4-5、zai/glm-5 |
agent.model.fallbacks |
フォールバックモデルのリスト (レート制限時に自動切替) |
channels |
メッセージングプラットフォームの設定 |
gateway |
Gatewayのポート、バインドモード、リロードモードの設定 |
sandbox |
サンドボックスモード (off / non-main / all)
|
session |
セッションスコープ、リセットポリシー、アイドルタイムアウト |
openclaw.json ファイルはスキーマバリデーションが厳密であり、未知のキーが含まれるとGatewayが起動に失敗する。
設定変更後は、openclaw doctor コマンドで検証すること。
CLIコマンド
OpenClawは、150以上のCLIコマンドを提供する。
主要コマンド
| コマンド | 説明 |
|---|---|
openclaw onboard |
対話型セットアップウィザードを起動 |
openclaw onboard --install-daemon |
セットアップ + デーモンインストール |
openclaw gateway |
WebSocket Gatewayサーバを起動 |
openclaw gateway start | stop | restart |
Gatewayサービスを管理 (systemd / launchd) |
openclaw tui |
ターミナルベースのTUIを起動 |
openclaw dashboard |
Web UI (Control UI) を開く。 |
openclaw doctor |
ヘルスチェックとクイックフィックス |
openclaw doctor --deep --yes |
ディープスキャンと自動修正 |
openclaw config get | set | unset |
設定値の読み書き (JSON5 / ドット記法) |
openclaw configure |
対話型設定エディタ |
openclaw models list --all |
使用可能なモデル一覧を表示 |
openclaw models set <モデル> |
プライマリモデルを設定 |
openclaw models status --probe |
認証プロファイルのライブ確認 |
openclaw models auth add |
プロバイダAPIキーを追加 |
openclaw models auth setup-token |
推奨のAnthropic認証 |
openclaw models fallbacks add <モデル> |
フォールバックチェーンに追加 |
openclaw channels login |
WhatsApp QRペアリング (Webフロー) |
openclaw channels add |
Telegram / Discord / Slackボットを追加 |
openclaw channels status --probe |
チャネルの接続状態を確認 |
openclaw agents list |
設定済みエージェント一覧を表示 |
openclaw agents add |
新しいエージェントを追加 |
openclaw agents delete |
エージェントを削除 |
openclaw memory status |
メモリシステムの状態を確認 |
openclaw memory search "クエリ" |
セマンティックベクトル検索 |
openclaw sessions |
会話セッション一覧を表示 |
openclaw logs --follow |
Gatewayログをテール表示 (カラー化) |
openclaw status --all --deep |
完全な診断を実行 |
openclaw browser start | stop |
ヘッドレスブラウザの起動 / 停止 |
openclaw cron list |
スケジュールされたジョブ一覧 |
openclaw security audit |
セキュリティ監査を実行 |
openclaw reset |
設定 / セッション / 状態のリセット |
openclaw --version |
バージョンを表示 |
openclaw --help |
ヘルプを表示 |
グローバルフラグ
| フラグ | 説明 |
|---|---|
--dev |
開発モードで実行 |
--profile <名前> |
別のプロファイルで実行 (テスト用の分離環境) |
--workspace <パス> |
ワークスペースパスを指定 |
エージェントの直接実行
エージェントターンをCLIから直接実行することもできる。
使用例
プロジェクトの概要を説明する。
openclaw agent --message "このプロジェクトの概要を説明して"
モデルを指定して実行する。
openclaw agent --message "テストを実行して" --model anthropic/claude-sonnet-4-5
スラッシュコマンド
メッセージングプラットフォーム、TUI、WebChatからスラッシュコマンドを使用して、エージェントの動作を制御できる。
スラッシュコマンドはGatewayで処理され、AIモデルには送信されない。
| コマンド | 説明 |
|---|---|
/status |
現在のステータスを表示 (コンテキスト使用量、プロバイダ情報) |
/new [モデル] |
新しいセッションを開始 (オプションでモデルを指定) |
/stop |
現在のエージェント実行を中止、キューをクリア |
/model <モデル名> |
セッションのモデルを切替 エイリアス : /models
|
/compact [指示] |
古いコンテキストを要約して圧縮 |
/context [list|detail|json] |
コンテキストウィンドウの内容を表示 |
/send on|off|inherit |
デリバリー (チャネル送信) のオン / オフ切替 |
/think <レベル> |
思考レベルの設定 (off / minimal / low / medium / high / xhigh) エイリアス : /thinking、/t
|
/verbose on|full|off |
詳細モード切替 (ツール実行詳細の表示) エイリアス : /v
|
/tts on|off |
テキスト読み上げの切替 |
/queue <モード> |
メッセージキューの設定 |
/export-session [パス] |
現在のセッションをHTMLでエクスポート エイリアス : /export
|
/skill <スキル名> |
スキルを名前で実行 |
/config |
永続化設定の読み書き (要 commands.config: true)
|
/debug |
ランタイムオーバーライドの設定 |
/bash <コマンド> |
ホストシェルコマンドの実行 (要 commands.bash: true)
|
/exit |
TUIを終了 |
ローカルシェルコマンド (TUI)
TUI内で ! をプレフィックスとして、ローカルシェルコマンドを実行できる。
!ls -la !git status
!poll で長時間実行ジョブの出力を確認、!stop でジョブを停止できる。
CLIバイナリのビルド (RHEL / SUSE)
OpenClawをRHEL / SUSE環境でソースコードからビルドすることができる。
ビルドの前提条件
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| OS | RHEL 9.x / SUSE 15.6 / 16 |
| Node.js | 22以降 |
| pnpm | パッケージマネージャ |
| git | ソースコードの取得に必要 |
| ネットワーク | 依存パッケージの取得に必要 |
前提条件の確認コマンド
# Node.jsバージョン確認 (22以降が必要) node -v # pnpmバージョン確認 pnpm --version # pnpmが未インストールの場合 npm install -g pnpm
ソースコードの取得
GitHubリポジトリからソースコードをクローンする。
git clone https://github.com/openclaw/openclaw.git cd openclaw
依存関係のライブラリのインストール
プロジェクトディレクトリで依存パッケージをインストールする。
pnpm install
ビルドの実行
UIのビルドを実行する。
pnpm ui:build
動作確認
ビルドが完了したら、動作を確認する。
# バージョン表示で動作確認 ./node_modules/.pnpm/node_modules/.bin/openclaw --version ## または ./packages/clawdbot/node_modules/.bin/openclaw --version ## または ./packages/moltbot/node_modules/.bin/openclaw --version
OpenClawの設定を行う。
./node_modules/.pnpm/node_modules/.bin/openclaw onboard --install-daemon
トラブルシューティング
| 問題 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
node -v が22未満 |
Node.jsのバージョンが古い | Node.js 22以上をインストールする。 nvmの使用を推奨する。 |
pnpm install 失敗 |
ネットワーク接続なし / プロキシ | ネットワーク接続を確認する。 プロキシ設定が必要な場合は、 npm config set proxy コマンドで設定する。
|
| native moduleのビルド失敗 | C/C++ コンパイラ不足 | ビルドツールをインストールする。# RHEL sudo dnf groupinstall "Development Tools" # SUSE sudo zypper install -t pattern devel_basis |
openclaw コマンドが見つからない |
環境変数 PATH にNPMが未設定 |
npm prefix -g コマンドの出力に /bin を追加して、PATH に設定する。
|
Gatewayサービスの管理
OpenClawのGatewayは、systemd (Linux) でバックグラウンドサービスとして管理される。
systemdサービスの管理
# Gatewayサービスの起動 openclaw gateway start # Gatewayサービスの停止 openclaw gateway stop # Gatewayサービスの再起動 openclaw gateway restart # ステータス確認 openclaw status # ログの確認 (リアルタイム) openclaw logs --follow
Gatewayのヘルスチェック
# 基本ヘルスチェック openclaw doctor # ディープスキャン + 自動修正 openclaw doctor --deep --yes # Gatewayの直接ヘルスプローブ openclaw health --json --verbose
チャネル設定
OpenClawは、12以上のメッセージングプラットフォームと接続できる。
対応チャネル一覧
| チャネル | 接続方法 | 備考 |
|---|---|---|
QRコードペアリング (openclaw channels login) |
専用の電話番号の使用を推奨 | |
| Telegram | ボットトークン (openclaw channels add) |
grammYフレームワーク使用 |
| Discord | ボットトークン | discord.js使用 |
| Slack | Bolt連携 | ネイティブスラッシュコマンド対応 |
| Signal | signal-cli連携 | - |
| iMessage | BlueBubbles (推奨) / レガシーimsg | MacOS必須 |
| Google Chat | Chat API | - |
| Microsoft Teams | 拡張機能 | - |
| Matrix | 拡張機能 | - |
| WebChat | Control UI内蔵 | http://127.0.0.1:18789/ でアクセス |
WhatsApp接続の例
WhatsAppチャネルを接続する。
openclaw channels login
ターミナルにQRコードが表示されるので、スマートフォンのWhatsAppアプリの [リンク済みデバイス] からスキャンする。
OpenClaw専用に別の電話番号 (eSIM等) を使用することを推奨する。
スキルシステム
スキルは、OpenClawのエージェントに新しい機能を追加するモジュールである。
スキルの検索とインストール
ClawHubを使用してスキルを検索・インストールする。
# スキルのインストール clawhub install <スキル名> # 全スキルの更新 clawhub update --all # インストール済みスキル一覧 openclaw skills list
スキルの優先順位
スキルは以下の優先順位で読み込まれる。
- <ワークスペース>/skills/
- エージェント固有 (最高優先度)
- ~/.openclaw/skills/
- 管理 / ローカル (ワークスペース間で共有)
- バンドルスキル
- OpenClawに同梱 (最低優先度)
注意事項
プライバシーとデータ取り扱い
OpenClawはオープンソース (MITライセンス) であり、コードの透明性を確保している。
- 全てのデータは、ローカルのSQLiteデータベースに保存される。
- 外部へのデータ送信は、明示的に設定しない限り行われない。
- 使用するAIプロバイダのプライバシーポリシーを確認すること。
- GitHubリポジトリで実装を検証可能
セキュリティ
OpenClawはファイルシステムへのアクセス、シェルコマンドの実行、ブラウザ操作が可能なため、セキュリティ設定に注意が必要である。
- APIキー、パスワード等の機密情報をコードやワークスペースファイルに含めない。
openclaw security auditコマンドでセキュリティ監査を実行する。- Gatewayトークン (
OPENCLAW_GATEWAY_TOKEN) を設定して不正アクセスを防止する。 - サンドボックスモードを有効にしてツール実行を制限する。
- Control UIを公開インターネットに公開しない。
- スキルをインストールする前に内容を確認する。
ClawHubのスキルには悪意のあるものが含まれる可能性がある。
その他の注意事項
- OpenClawは高い権限を持つGatewayであり、単なるCLIツールではない。
デーモンの状態をopenclaw doctorとopenclaw logs --followコマンドで監視すること。 - ~/.openclaw ディレクトリをパスワード管理と同等に取り扱うこと。
- 初回セットアップ時に BOOTSTRAP.md ファイルを実行してエージェントのアイデンティティを設定することを推奨する。