概要
必要なシステムおよびライブラリのインストール
MediaWikiの動作に必要となるシステムおよびライブラリをインストールする。
sudo apt-get install apache2 mariadb-server php php-mysql libapache2-mod-php php-xml php-mbstring
MediaWikiの拡張機能を全て有効化する場合は、以下の依存関係もインストールする。
sudo apt-get install php-apcu php-intl imagemagick inkscape php-gd php-cli php-curl git
依存関係のライブラリを有効化するために、Apache2を再起動する。
sudo systemctl restart apache2
MediaWikiのダウンロード
MediaWikiの公式Webサイトにアクセスして、MediaWikiをダウンロードする。
wget https://releases.wikimedia.org/mediawiki/x.xx/mediawiki-x.xx.x.tar.gz
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf mediawiki-<バージョン>.tar.gz mv mediawiki-<バージョン> mediawiki
Apacheのドキュメントルート(デフォルトでは、/var/www/htmlディレクトリ)に解凍したMediaWikiディレクトリを移動する。
sudo mv mediawiki /var/www/html
MediaWikiディレクトリの権限と所有者、所有グループを変更する。
cd /var/www/html sudo chmod 755 mediawiki sudo chown <Raspbianのユーザ名>:<Raspbianのグループ名> mediawiki
PHPの設定
APCuモジュールを使用する場合
APCuモジュールを使用する場合は、APCuモジュールをソースコードからインストールする必要がある。
まず、APcuモジュールのGithubにアクセスして、ソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf apcu-<バージョン>.tar.gz cd apcu-<バージョン>
次に、APCuモジュールをビルドおよびインストールする。
モジュールのインストールディレクトリは、/usr/lib64/extensionsディレクトリ、または、/<PHPのインストールディレクトリ>/lib64/extensions/no-debug-zts-xxxxxxxxディレクトリとなる。
ヘッダファイルのインストールディレクトリは、/usr/include/phpディレクトリ、または、/<PHPのインストールディレクトリ>/include/phpディレクトリとなる。
phpize ./configure --enable-apcu make -j $(nproc) make install
最後に、APCuモジュールの使用を許可するため、PHPの設定ファイルに以下に示す設定を記述する。
# php.iniファイル
extension = "/PHPのインストールディレクトリ>/lib64/extensions/no-debug-zts-20220829/apcu.so"
apc.enabled = 1
apc.shm_size = "2048M"
apc.mmap_file_mask = "/tmp/apc.XXXXXX"
PHP-FPMを使用する場合
PHP-FPMを使用する場合は、/etc/php-fpm.d/www.confディレクトリ、または、/<PHPのインストールディレクトリ>/etc/php-fpm.d/www.confファイルにおいて、
メモリエラー回避のために使用できるメモリサイズを変更する必要がある。
# /etc/php-fpm.d/www.confディレクトリ
# または
# /<PHPのインストールディレクトリ>/etc/php-fpm.d/www.confファイル
# 編集前
;php_admin_value[memory_limit] = 32M
# 編集後
# 128[MB]以上の値に変更する。
php_admin_value[memory_limit] = 128M
設定を反映させるため、NginXおよびPHP-FPMを再起動する。
sudo systemctl restart nginx php-fpm
Apache2の設定
仮想ホストを使用する場合は、インストール - Apache2(SUSE)#仮想ホストの構築 (パッケージ管理システムからApache2をインストールした場合)のページを参照すること。
MariaDBの設定
MariaDBサーバのインストール中に、rootアカウントのパスワードの入力を求められる。
もし、rootのパスワードが未設定の場合は、以下のコマンドを実行する。
sudo mysqladmin -u root password <パスワード>
MediaWikiで使用するデータベースを作成する。
sudo mysql -u root -p Enter password: mysql> CREATE DATABASE <データベース名>;
USE
コマンドを使用して、このシェルセッションの今後の操作でそのデータベースを使用するようシェルに指示する。
mysql> USE <データベース名>;
データベースユーザを作成して、パスワードを設定する。
このユーザは、localhostからデータベースに接続できる。
※注意
シングルクォーテーションも必須であることに注意する。
mysql> CREATE USER '<データベースユーザ名>'@'localhost' IDENTIFIED BY '<パスワード>';
新しく作成したデータベースユーザには権限が無いため、GRANT
コマンドを使用して幾つかのアクセス権を付与する必要がある。
ここでは、ALL
オプションを使用しているが、実際には、より多くの制限された権限をユーザに付与する方が良い。
mysql> GRANT ALL PRIVILEGES ON <データベース名>.* TO '<データベースユーザ名>'@'localhost'; mysql> FLUSH PRIVILEGES; mysql> quit
MediaWikiのインストール
上記の設定が全て完了しているとき、MediaWikiをインストールすることができる。
- WebブラウザでMediaWikiを配置したURL:http://<ホスト名またはIPアドレス>/mediawiki/mw-config を入力する。
- MediaWikiのメイン画面が表示されるので、[set up the wiki]を押下する。
mbstringやXML等のPHP拡張機能がインストールされているにも関わらず、
それらの拡張機能がインストールされていない表示される場合は、以下のコマンドを実行して、手動で有効化する。sudo phpenmod mbstring
sudo phpenmod xml
sudo systemctl restart apache2
- 言語設定を日本語にして[続行]を押下する。
- [環境の確認]画面で、規約を確認して[続行]ボタンを押下する。
また、データベースのホストの情報は、localhostではなく127.0.0.1のようにIPアドレスで入力する。
データベース名とデータベースのユーザ名は、上記セクションで設定したものを入力する。
最下部の[続行]ボタンを押下する。 - [データベースの設定]画面では、データベースの文字セットをUTF-8にして、[続行]ボタンを押下する。
- [MediaWikiの名前]画面では、任意の名前を付ける。
- [管理アカウント]画面では、MediaWikiのWebサイトにログインできるユーザ名とパスワードを入力する。
- [インストール]画面では、[続行]ボタンを押下する。
- [インストール完了]画面では、LocalSettings.phpをダウンロードして、/var/www/html/mediawikiディレクトリ直下に配置する。
エラー
ログイン
MediaWikiにログインする時、以下のエラーが出力されてログインできない場合がる。
これは、セッションとクッキーをAPCuでキャッシュする関係でエラーが出力される。
ログインのセッションに問題が発生しました。 セッション乗っ取りを防ぐため、操作を取り消しました。 前のページへ戻って再度読み込んだ後に、もう一度試してください。
上記のエラーを修正するには、LocalSettings.phpファイルを以下のように編集する。
# 修正前 $wgMainCacheType = CACHE_ACCEL; # 修正後 $wgMainCacheType = CACHE_ANYTHING;