概要



Makeコマンドの基本



コンパイラの変更

コンパイラを指定する場合、一般的に使用されるオプションはCCGCCCXXCCX等があるが、
Makefileファイルを確認して、どの変数が使用されているか確認する必要がある。

Makefileファイルが定義に沿って記述されている場合、C言語コンパイラを指定する時はCC、C++コンパイラを指定する時はCXXを使用する。

make CC=/home/<ユーザ名>/InstallSoftware/GCC/gcc-10_2_0/bin/gcc-10.2
または
make CXX=/home/<ユーザ名>/InstallSoftware/GCC/gcc-10_2_0/bin/g++-10.2


また、configureコマンドを実行する時に指定することもできる。
configureコマンドは、生成されるMakefileファイルに対して、新しいCC値またはCXX値を自動的に組み込む。

./configure CC=/home/<ユーザ名>/InstallSoftware/GCC/gcc-10_2_0/bin/gcc-10.2 --prefix=<インストールディレクトリ>
または
./configure CXX=/home/<ユーザ名>/InstallSoftware/GCC/gcc-10_2_0/bin/g++-10.2 --prefix=<インストールディレクトリ>



インクルードディレクトリの変更

makeコマンドの実行時において、参照するライブラリとヘッダファイルを指定する場合、LDFLAGSオプションとCFLAGSオプションを付加する。

以下の例では、ホームディレクトリのlibディレクトリとincludeディレクトリを指定している。

make LDFLAGS="-L/home/<ユーザ名>/lib" CFLAGS="-I/home/<ユーザ名>/include"
または
make LDFLAGS="-L/home/<ユーザ名>/lib" CPPFLAGS="-I/home/<ユーザ名>/include"


インクルードディレクトリの設定を永続化する場合は、.profileファイルまたは.bashrcファイルに、以下の設定を追記する。

export C_INCLUDE_PATH=<C言語のインクルードディレクトリ>
export CPLUS_INCLUDE_PATH=<C++のインクルードディレクトリ>



インストールディレクトリの変更

make installコマンドの実行時において、パッケージ内部のディレクトリ構造を変更せずに別の場所にインストールする場合、DESTDIRオプションを付加する。
例えば、インストールしたパッケージをtarballにして、別のPCにコピーする場合等に使用する。

以下の例では、configureコマンドの実行時のプレフィックスとして/hogeディレクトリ、
make installコマンドでは、ホームディレクトリをインストール先のディレクトリとしてインストールしている。

これにより、インストールディレクトリは、/home/<ユーザ名>/hogeディレクトリなる。

./configure --prefix=/hoge
make -j $(nproc)
make DESTDIR=/home/<ユーザ名> install