インストール - クリップボード

2021年6月19日 (土) 15:44時点におけるWiki (トーク | 投稿記録)による版 (→‎Clipit)

概要

クリップボードは、システム上のクリップボードに保存された全ての履歴を保持するユーティリティやツールのことである。

ここでは、様々なクリップボードマネージャとインストール手順を記載する。


CopyQ

CopyQとは

CopyQは強力なクリップボードマネージャであり、データの保存、エントリの編集したり、暗号化等をすることができる。
ここでは、CopyQのインストール方法を記載する。

CopyQのインストール

  • Windows
    CopyQのGithubにアクセスして、Windows10向けのEXEファイルをダウンロードする。
    ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストールする。

  • CentOS
    • パッケージ管理システムからインストール
      パッケージ管理システムを使用して、以下のコマンドを実行する。
      sudo yum install copyq
      または
      sudo dnf install copyq

    • ソースコードからインストール
      CopyQの依存関係のライブラリをインストールするため、以下のコマンドを実行する。
      sudo yum install cmake extra-cmake-modules gcc-c++ git libXfixes-devel libXtst-devel \
      qt5-qtbase-devel qt5-qtdeclarative-devel qt5-qtsvg-devel qt5-qttools-devel qt5-qtwayland-devel qt5-qtx11extras-devel \
      wayland-devel

      CopyQのソースコードをダウンロードする。
      git clone https://github.com/hluk/CopyQ.git
      cd CopyQ && mkdir build && cd build

      CopyQのソースコードをコンパイルしてインストールする。
      cmake .. -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<CopyQのインストールディレクトリ>
      make -j $(nproc)
      make install

  • SUSE
    • RPMファイルからインストール
      CopyQのGithubにアクセスして、SUSE向けのrpmファイルをダウンロードする。
      ダウンロードしたファイルにおいて、以下のコマンドを実行してインストールする。
      sudo zypper install ./copyq_<バージョン>_openSUSE_.*.rpm

    • ソースコードからインストール
      CopyQの依存関係のライブラリをインストールするため、以下のコマンドを実行する。
      sudo zypper install cmake extra-cmake-modules gcc-c++ git libXfixes-devel libXtst-devel \
      libqt5-qtbase-devel libqt5-qtdeclarative-devel libqt5-qtsvg-devel libqt5-qttools-devel libqt5-qtwayland-devel libqt5-qtx11extras-devel \
      wayland-devel

      CopyQのソースコードをダウンロードする。
      git clone https://github.com/hluk/CopyQ.git
      cd CopyQ && mkdir build && cd build

      CopyQのソースコードをコンパイルしてインストールする。
      cmake .. -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<CopyQのインストールディレクトリ>
      make -j $(nproc)
      make install


自動起動の設定

CopyQを使用する前に、自動起動エントリを設定しておくことを推奨する。
スタートアップエントリを設定することは、クリップボードのデータを常に監視して保存するためには重要である。

CopyQの起動エントリを設定するには様々な方法があるが、ここではターミナルに焦点を当てて記載する。

まず、デスクトップエントリディレクトリに移動する。

cd /usr/local/share/applications


自動起動エントリのディレクトリを作成して、CopyQのデスクトップエントリファイルをそのディレクトリにコピーする。

sudo cp com.github.hluk.copyq.desktop ~/.config/autostart


デスクトップエントリファイルのパーミッションを変更する。

chmod +x ~/.config/autostart/com.github.hluk.copyq.desktop


CopyQの操作方法

  • コピー
    CopyQには多くの機能があるが、主となるのはクリップボードマネージャである。
    使用するには、任意のテキストを選択してコピーすると、自動的にCopyQのエントリーとして保存される。


  • クリップボードに移動
    CopyQの古いエントリーをクリップボードに移動する場合は、古いエントリーを選択して[クリップボードに移動]アイコンを押下する。


  • エントリの暗号化
    CopyQに保存した機密情報は、暗号化機能を使用すべきである。
    暗号化するには、エントリーを選択して[ロック]アイコンを押下する。そうすると、GnuPGが起動して自動的にデータが暗号化される。
    ※注意
    暗号化機能は、GnuPGが必須である。


  • エントリの作成
    CopyQの機能には、クリップボードを使用せずにクリップボードの新規項目を作成する機能がある。
    この機能の使い方は、[新規項目]アイコンを押下して、そこからテキストを書き込み、[保存]アイコンを押下する。
    すると、CopyQが保存したデータの一覧に、新しいクリップボードエントリが追加される。



GPaste

GPasteとは

GNOMEベースの優れたクリップボードマネージャであるが、様々なデスクトップ環境でも動作する。
GPasteは、以下のような機能を持っている。

  • GNOMEシェルとの統合
  • クリップボードの履歴管理
  • クイックアクセスのショートカット
  • 画像のコピー
  • GTK+3 GUI


GPasteのインストール

GPasteのソースコードをダウンロードする。

git clone https://github.com/Keruspe/GPaste.git 
cd GPaste


GPasteのソースコードをコンパイルしてインストールする。

./autogen.sh
./configure --sysconfdir=/home/<ユーザ名>/.GPaste --prefix=/home/<ユーザ名>/InstallSoftware/GPaste
make -j 8
make install
sudo glib-compile-schemas /usr/share/glib-2.0/schemas/



Parcellite

Parcelliteとは

Parcelliteは、Linux向けのGTK+2の基本的な機能を備えたクリップボードマネージャである。

Parcelliteのインストール

Parcelliteの依存関係のライブラリをインストールする。

# CentOS 7
sudo yum install gtk3

# CentOS 8
sudo dnf install gtk3

# SUSE
sudo zypper install gtk3 


SourceForgeからソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。

tar zxvf parcellite-<バージョン名>.tar.gz
cd parcellite-<バージョン名>


Parcelliteのソースコードをコンパイルしてインストールする。

./configure --prefix=/home/<ユーザ名>/InstallSoftware/Parcellite
make -j 8
make install



Glipper

Glipperとは

Glipperは、GNOME向けのクリップボードマネージャであり、プラグインを使用して機能を拡張することができる。
クリップボードマネージャの基本的な機能のほとんどを持っている。

Glipperのインストール

Glipperの依存関係のライブラリをインストールする。

  • Python 2.4以降
  • pygtk-2.6以降(モジュール名 : gtk、gtk.gdk、gobject)
  • python-keybinder(モジュール名 : keybinder)
  • python-distutils-extra(モジュール名 : DistUtilsExtra)
  • python-appindicator(モジュール名 : appindicator)
  • python-xdg(モジュール名 : xdg.BaseDirectory)
  • オプション : python-prctl(モジュール名 : prctl)
  • オプション : python-crypto


# CentOS 7
sudo yum install python2 python3 pygtk python-keybinder python-distutils-extra python-appindicator python-xdg python-prctl python-crypto

# CentOS 8
sudo dnf install python2 python3 pygtk python-keybinder python-distutils-extra python-appindicator python-xdg python-prctl python-crypto

# SUSE
sudo zypper install python2 python3 pygtk python-keybinder python-distutils-extra python-appindicator python-xdg python-prctl python-crypto


Glipperの公式Webサイトからソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。

tar zxvf glipper-<バージョン名>.tar.gz


Glipperのソースコードを実行してインストールする。

sudo python setup.py install



Clipit

Clipitとは

GTK+の軽量で機能が豊富なクリップボードマネージャである。
Clipitは、Parcelliteからフォークされている。

Clipitのインストール

Clipitのビルドに必要な依存関係のライブラリをインストールする。

sudo zypper install gtk2-devel gtk3-devel xdotool-devel intltool automake autoconf autopoint


ClipitのGithubから、ソースコードをダウンロードする。

git clone https://github.com/CristianHenzel/ClipIt.git


Clipitのソースコードをビルドおよびインストールする。

./autogen.sh
./configure --with-gtk3 --prefix=/home/<ユーザ名>/InstallSoftware/Clipit
make -j $(nproc)
make install