概要
AGENTS.md は、OpenClawエコシステムにおけるエージェントのトップレベルの実行契約を定義するファイルである。
エージェントの優先順位 (Priorities)、境界線 (Boundaries)、ワークフロー (Workflows)、品質基準を記述し、セッション開始時に読み込まれ、
毎回のセッションでエージェントに自動的に注入される。
AGENTS.mdの主な役割を以下に示す。
- エージェントの動作構造の定義
- エージェントが何を優先して動作するかを明示する。
- 参照すべきファイルの指定
- ワークスペース内で参照すべきファイルとその用途を定義する。
- ワークスペースの運用ルールの定義
- セッションを通じて一貫して守るべきルールを記述する。
- メモリ管理の制御
- 日次ログおよび長期メモリの記録ルールを定義する。
AGENTS.md は、何をするか (動作指令、ワークフロー、ルール) を記述するファイルであり、どんな存在か (パーソナリティ、価値観) を記述するSOUL.mdとは役割が異なる。
下表に、AGENTS.mdの特徴を示す。
| ルール | 説明 |
|---|---|
| 安定したルールのみを記載する。 | 一時的なタスクではなく、常に有効であるルールと優先事項のみを記述する。 |
| スキャンしやすい構造を採用する。 | ヘッダ、箇条書き、コードブロックを活用し、エージェントが素早く参照できる形式にする。 |
| セッション開始時に毎回読み込まれる。 | 簡潔さを保つことで、コンテキストの圧迫を防ぐ。 |
基本構造
AGENTS.mdは、複数のセクションで構成される標準的なMarkdown形式のファイルである。
Priorities (優先順位)
エージェントが動作する際の優先順位を番号付きリストで定義する。
最も重要な事項を先頭に配置し、エージェントが判断に迷った際の指針となるよう記述する。
- 記述内容の例
- ユーザの生産性向上、正確なメモリとコンテキストの維持、プライバシーの尊重
Boundaries (境界線)
エージェントが実行してよい操作と、してはならない操作の境界線を定義する。
- 記述内容の例
- 外部システムへの操作前に確認を取る。
- 重要な操作のログを記録する。
- APIキーを外部に公開しない。
Workflows (ワークフロー)
エージェントが実行する定型的な作業手順を定義する。
ワークフローは、繰り返し行う作業を一貫した手順で実行するために使用する。
- 記述内容の例
- 日次レビュー手順 (メール確認、カレンダー確認、日次ログ更新)
- メモリ管理手順 (日次・週次・月次の記録ルール)
Memory Management (メモリ管理)
日次ログと長期メモリの記録ルールを定義する。
メモリ管理の詳細については、#メモリ管理との連携セクションを参照すること。
Tools & Integrations (ツールと統合)
エージェントが使用するツールや外部システムとの連携方法を定義する。
- 記述内容の例
- コードタスクにはGitHubを使用する。
- 重要な通信にはメールを使用する。
Security (セキュリティ)
セキュリティに関するルールを定義する。
- 記述内容の例
- APIキーを外部に公開しない、外部システムの変更前に確認を取る、重要な操作をログに記録する
セクションの基本的な構成を以下に示す。
# AGENTS.md
## Priorities
1. [優先順位1]
2. [優先順位2]
## Boundaries
* [境界線1]
* [境界線2]
## Workflows
### [ワークフロー名]
[ワークフローの説明]
## Memory Management
- Daily logs go to memory/YYYY-MM-DD.md
- Important facts go to MEMORY.md
記述ルール
AGENTS.mdを効果的に記述するためのルールを以下に示す。
安定したルールのみを記載する
AGENTS.mdには、セッションを跨いで常に有効なルールと優先事項のみを記述する。
- 記載すべき内容
- エージェントの役割、優先順位、境界線、定型ワークフロー、メモリ管理ルール
- 記載すべきでない内容
- 一時的なタスク、特定のセッションにのみ関係する指示
AGENTS.mdはセッション開始時に毎回読み込まれるため、一時的な指示を記載すると不要なコンテキストを消費する原因となる。
スキャンしやすい構造にする
エージェントが素早く参照できるように、構造化された形式で記述する。
- ヘッダを活用する
- セクションを明確に分割し、エージェントが必要な情報を素早く見つけられるようにする。
- 箇条書きを活用する
- 複数の項目を箇条書きで列挙し、一覧性を高める。
- コードブロックを活用する
- コマンドやコードは必ずコードブロックで記述する。
具体的で実行可能な指示を書く
曖昧な表現を避け、エージェントが迷いなく実行できる具体的な指示を記述する。
- 良い例
外部システムを変更する前に必ずユーザに確認を取る
- 悪い例
慎重に行動する
簡潔さを保つ
AGENTS.mdはセッション開始時に毎回読み込まれるため、過度に詳細な記述はコンテキストを圧迫する。
そのため、必要最小限の情報を簡潔に記述することを心がける。
- 推奨長さ
- 不必要に長くならないよう、各セクションは簡潔にまとめる。
- 詳細は別ファイルに分離する。
- 詳細な情報は別ファイルに記述し、AGENTS.md からリンクする。
メモリ管理との連携
AGENTS.mdは、OpenClawのメモリ管理システムと連携して動作する。
AGENTS.mdのメモリ管理セクションにおいて、何をどこに記録するかのルールを定義する。
日次ログ (memory/YYYY-MM-DD.md)
日々の活動は、memory/YYYY-MM-DD.md ファイルに記録する。
- 記録のタイミング
- セッション中または日次レビュー時に記録する。
- 記録する内容
- 実施した作業、確認した事実、発生した問題と対処法
- ファイル命名規則
- memory/2026-02-24.md のように、日付をYYYY-MM-DD形式でファイル名に使用する。
長期メモリ (MEMORY.md)
重要な事実や決定事項は、MEMORY.md ファイルに記録する。
- 記録のタイミング
- 週次レビュー時に日次ログを整理して記録する。月次で古いメモリファイルをアーカイブする。
- 記録する内容
- ユーザの好みや設定、重要な決定事項、長期的に参照が必要な情報
- MEMORY.mdの役割
- 長期メモリの単一の情報源 (Source of Truth) として機能する。
メモリ管理の運用サイクル
推奨されるメモリ管理の運用サイクルを以下に示す。
- 日次
- memory/YYYY-MM-DD.md に活動を追記する。
- 週次
- 日次ログをレビューし、重要な事実を MEMORY.md に集約する。
- 月次
- 古いメモリファイルをアーカイブし、MEMORY.md を整理する。
AGENTS.md にメモリ管理ルールを定義することで、エージェントはセッションをまたいで一貫したメモリ管理を実施できる。
記述例
汎用エージェント向けのAGENTS.md
汎用的なエージェント向けの定義の例を以下に示す。
# AGENTS.md
## Primary Responsibilities
1. Help users be more productive through automation
2. Maintain accurate memory and context
3. Respect user privacy and boundaries
## Operating Principles
* Be proactive but respectful
* Ask before taking external actions
* Keep logs organized and searchable
* Maintain MEMORY.md as source of truth
## Work Patterns
### Daily Review
* Check email for urgent items
* Review calendar
* Update daily log (memory/YYYY-MM-DD.md)
### Memory Management
* Daily: Append to memory/YYYY-MM-DD.md
* Weekly: Review and condense to MEMORY.md
* Monthly: Archive old memory files
## Tools & Integrations
* Use GitHub for code tasks
* Use email for important communications
* Use calendar for scheduling
## Security
* Never expose API keys
* Always ask before modifying external systems
* Log all significant actions
SOUL.mdとの役割分担
下表に、AGENTS.mdとSOUL.mdの役割の違いを示す。
| 項目 | AGENTS.md | SOUL.md |
|---|---|---|
| 役割 | 何をするか を定義する。 | どんな存在か を定義する。 |
| 記述内容 | 動作指令、ワークフロー、ルール | パーソナリティ、価値観、コミュニケーションスタイル |
| 例 | メモリ管理ルール、ツール使用方針、セキュリティ要件 | 丁寧さ、誠実さ、コミュニケーションのトーン |
| 読み込みタイミング | セッション開始時に毎回注入される。 | セッション開始時に毎回注入される。 |
両ファイルを組み合わせることにより、エージェントの動作と個性の両面を定義できる。
関連項目
- OpenClawの設定 - ファイル構成
- OpenClawワークスペースのファイル構成の概要
- OpenClawの設定 - SOUL.md
- エージェントのパーソナリティと価値観を定義するSOUL.md
- OpenClawの設定 - IDENTITY.md
- エージェントのアイデンティティを定義するIDENTITY.md
- OpenClawの設定 - USER.md
- ユーザ固有の設定を定義するUSER.md
- OpenClawの設定 - メモリとタスク管理
- OpenClawのメモリ管理システムとタスク管理の詳細