概要
等差数列は、隣り合う項の差が常に一定の数列である。
日常生活では、例えば、1時間ごとの気温の変化や定期的な積立預金の残高等がこれに似た形になることがある。
等比数列は、隣り合う項の比が常に一定の数列である。
現実の例としては、細胞分裂による細胞数の増加や複利計算による預金の増え方等が挙げられる。
「前の項に対して同じ割合で増減する」という特徴がある。
階差数列は、元の数列から隣り合う項の差を取って新しい数列を作り、それを繰り返す数列である。
例えば、2次関数のグラフ上の点の値から作った数列の階差数列は、最終的に0になるという性質がある。
これらの数列は、特に、予測・分析やデジタル信号処理等で活用されることが多い。
階差数列
基本
元の数列の隣り合う項の差を順番に並べたものを第1階差数列と呼ぶ。
と表す。
第1階差数列から、さらに階差を取ったものを第2階差数列と呼ぶ。
これを繰り返すことで第3、第4...階差数列が得られる。
例: 原数列: 2, 5, 10, 17, 26, 37 第1階差: 3, 5, 7, 9, 11 第2階差: 2, 2, 2, 2
性質
等差数列の第1階差数列は、定数列になる。
等比数列の第1階差数列は、元の数列の定数倍になる。
n次式で表される数列の第n階差数列は、定数列になる。
活用方法
- 数列のパターンを見つける場合
- 与えられた数列が何次式で表されるかを判断できる。
- 数列の一般項を求める場合のヒントになる。
応用例
数列 2, 5, 10, 17, 26, 37 の一般項を求める場合、第2階差が定数列であるため、2次式で表されることがわかる。
これは、 の形で表される。
計算により、
したがって、 と求められる。
階差数列の考え方を用いれば、複雑に見える数列でもその規則性を見つけやすくなる。
特に、多項式で表される数列の分析に効果的である。