インストール - MPLAB X IDE

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2020年10月27日 (火) 04:57時点におけるWiki (トーク | 投稿記録)による版 (→‎ファームウェアのデバッグ)
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概要

MPLAB X IDEとは、Microchip社が公式で提供しているPICおよびAVR用の統合開発環境(IDE)である。
詳細を知りたい場合は、こちらの公式Webサイトを参照する。
https://www.microchip.com/mplab/mplab-x-ide

依存関係のライブラリのインストール

以下の依存関係のライブラリをインストールする。

# SUSE
sudo zypper install libX11-6-32bit libX11-xcb1-32bit libXau6-32bit libXext6-32bit libxcb1-32bit



MPLAB X IDEのダウンロード

下記のURLから、MPLAB X IDEをダウンロードする。

https://www.microchip.com/mplab/mplab-x-ide


Linuxの場合は、ダウンロードしたファイルを解凍する。

tar zxvf MPLABX-vX.XX-<windowsまたはlinux>-installer.tar



MPLAB X IDEのインストール

ダウンロードしたインストーラファイルに実行権限を付与ため、以下のコマンドを実行する。

chmod u+x MPLABX-vX.XX-<windowsまたはlinux>-installer.run


インストーラファイルを実行する。
Linuxの場合は以下のコマンドを実行する。Windowsの場合は実行ファイルをダブルクリックする。

sudo ./MPLABX-<バージョン名>-<windowsまたはlinux>-installer.run


後は、インストーラの指示に従って進めていく。

ここでは、MPLAB X IDEを/opt/microchip/MPLABXIDE-5_4ディレクトリにインストールしている。


XCコンパイラのインストール

MPLAB X IDEで使用するコンパイラを、Microchipの公式Webサイトにアクセスしてダウンロードする。
使用するマイコンに合わせて、XC8、XC16、XC32をダウンロードする。

  • XC8
    8ビットのAVRマイコンとPICマイコン
  • XC16
    16ビットのPICマイコンとdsPICマイコン
  • XC32
    32ビットのAVRマイコンとPCマイコン


ダウンロードしたファイルに実行権限を付与してインストールする。
(ここでは、XC8コンパイラをダウンロードしたものとして進める)

chmod u+x xc8-<バージョン名>-full-install-linux-installer.run
sudo ./xc8-<バージョン名>-full-install-linux-installer.run


ここでは、XC8コンパイラを/opt/microchip/xc8ディレクトリにインストールしている。

MPLAB X IDEを起動して、[Tool] - [Option] - [Embedded]アイコン - [Build Tools]タブを選択する。
[Scan for Build Tools]ボタンを実行する、または、[Add]ボタンを入力して[Base Directory]項目にXC8のインストールディレクトリを入力する。
[Toolchain:]項目にXCコンパイラが表示されているか確認する。

また、XCコンパイラにフォーカスを当てた状態で[Default]ボタンを押下すると、標準コンパイラに設定できる。


AVRツールチェインのインストール

XCコンパイラ以外にも使用できるコンパイラが存在する。
ここでは、Atmel Studioにも使用されているAVRツールチェインのインストール方法を記載する。

まず、Microchipの公式Webサイトにアクセスして、AVRツールチェインをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍して、MPLAB X IDEのインストールディレクトリに配置する。

sudo cp -r <AVRツールチェインのディレクトリ> <MPLAB X IDEのインストールディレクトリ>


MPLAB X IDEを起動して、[Tool] - [Option] - [Embedded]アイコン - [Build Tools]タブを選択する。
[Scan for Build Tools]ボタンを押下する。
または、[Add]ボタンを入力して[Base Directory]項目にAVRツールチェインを配置したディレクトリを入力する。

[Toolchain:]項目にAVRツールチェインが表示されているか確認する。


MPLAB X IDEのアンインストール

MPLAB X IDEのインストールディレクトリ直下に以下の2つのファイルが存在する。

  • Uninstall_MPLAB_X_IDE_v5.40.desktop
  • Uninstall_MPLAB_X_IDE_v5.40


これらのファイルの内、いずれかのファイルをスーパーユーザ権限で実行する。

sudo ./Uninstall_MPLAB_X_IDE_v5.40.desktop
または
sudo ./Uninstall_MPLAB_X_IDE_v5.40



XCコンパイラのアンインストール

まず、MPLAB X IDEを起動して、[Tool] - [Option] - [Embedded]アイコン - [Build Tools]タブを選択する。
[Options]画面左にある[Toolchain:]項目から、アンインストールするXCコンパイラにフォーカスを当てて、[Remove]ボタンを押下する。
MPLAB X IDEを終了する。

次に、XCコンパイラのインストールディレクトリ直下に移動して、以下のいずれかのファイルをスーパーユーザ権限で実行する。

sudo ./Uninstall MPLAB XC8 C Compiler.desktop
または
sudo ./Uninstall-xc8-v2.20



ファームウェアの書き込み

ここでは、書き込みデバイスとしてAtmel-ICEを使用している。

  1. [File]メニューバー - [Project Properties]を選択する。
    または、メイン画面左上の[Projects]ウインドウにあるプロジェクトを右クリックして、[Properties]を選択する。
    または、下図の赤枠のプルダウンから[Customize...]を選択する。
    MPLAB Install 1.png
  2. [Project Properties]画面が表示されるので、画面左の[Categories:]ウインドウから[Conf: Release] - [Atmel-ICE]を選択する。
  3. 画面右にある[Option Categories:]プルダウン - [Communication]を選択して、以下の項目を変更する。
    [Interface]項目を[ISP]に設定する。
    [Speed (MHz)]項目を[0.125]に設定する。
  4. [Apply]ボタンを押下後、[OK]ボタンを押下する。
  5. [Make and Program Device]アイコンを押下して、ファームウェアをマイコンに書き込む。



ファームウェアのデバッグ

ここでは、書き込みデバイスとしてAtmel-ICEを使用している。

  1. [File]メニューバー - [Project Properties]を選択する。
    または、メイン画面左上の[Projects]ウインドウにあるプロジェクトを右クリックして、[Properties]を選択する。
    または、下図の赤枠のプルダウンから[Customize...]を選択する。
    MPLAB Install 1.png
  2. [Project Properties]画面が表示されるので、画面左の[Categories:]ウインドウから[Conf: Debug] - [Atmel-ICE]を選択する。
  3. 画面右にある[Option Categories:]プルダウン - [Debug Option]を選択して、以下の項目を変更する。
    [Use Software Breakpoints]チェックボックスにチェックを入力する。
  4. 画面右にある[Option Categories:]プルダウン - [Communication]を選択して、以下の項目を変更する。
    [Interface]項目を[debugWire]に設定する。
  5. [Apply]ボタンを押下後、[OK]ボタンを押下する。
  6. [Debug Main Project]アイコンを選択して、ファームウェアのデバッグを行う。
この時、下図のメッセージボックスが表示される場合は、10秒以内にマイコンに供給している電源を切り、再度電源を入れて、[OK]ボタンを押下する。
MPLAB Install 2.png

また、デバッグを開始する際、下図のメッセージが表示される時がある。
これは、現在、AVRマイコンがISPモードであるため、debugWIREを使用することができないからである。
メッセージボックスの[Yes]ボタンを押下すると、Atmel-ICEのISPモードを使用してdebugWIREモードに切り替えることができる。
MPLAB Install 3.png


※注意
[Communication]プルダウン項目の[Speed(MHz)]の値は"0.000"となっており、非活性となっているため、変更することができない。
この問題について、Microchip社曰く、バグであるとのことである。

そのため、デバッグ開始時に以下のようなエラーが発生する。

Unexpected status code when executing setBaud, expected 0 but got -51 (SPI_STATUS_BAUD_INVALID)


このバグを回避するには、以下の2つの方法がある。

  • 回避策 1
    MPLAB X IDEプロジェクトのnbprojectディレクトリ直下にあるconfigurations.xmlファイルを、以下のように、手動で有効な速度に編集する。
    以下のエレメントは、<AtmelIceTool>要素内に存在する。
    [Speed(MHz)]の値は、0.125[MHz]または動作させるマイコンのクロック速度の1/4等を入力する。
    <property key="communication.speed" value="0.125"/>

  • 回避策 2
    MPLAB X IDEプロジェクトを、v5.35で作成して、v5.40以降でプロジェクトを開いて使用する。