CMake - インクルード

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概要



非ターゲットのインクルード (target_include_directoriesコマンド)

find_packageコマンドは、includeコマンドで手動で行う設定を、REQUIREDオプション等を使用して自動で行うことができる。

 find_package(PkgConfig)


find_packageコマンドは、pkg_search_moduleコマンドよりも柔軟でより多くのオプションが存在する。
また、CMakeには豊富なパッケージ定義が付属しており、パッケージ管理システムからインストールしたソフトウェアは/usr/share/cmake/Modules/Find*.cmakeファイルにある。

target_include_directories(<ターゲット名> PUBLIC ...)コマンドは、
<ターゲット名>を使用する全てのターゲットにおいて、自動的にインクルードディレクトリが使用されるようになる。

ただし、CMakeLists.txtファイル内のターゲットにのみ有効であり、pkg_search_moduleコマンドで取得したライブラリに対しては機能しない。

 # pkg-configコマンドの使用
 find_package(PkgConfig REQUIRED)
 
 # pkg-configコマンドを使用してライブラリとヘッダファイルを自動的に設定
 pkg_check_modules(<任意の変数名> <.pcファイル内の[Name]セクション名  例. sdl2> REQUIRED IMPORTED_TARGET)
 
 # ...略
 
 target_link_libraries(<ターゲット名>
    ${<任意の変数名>_LIBRARIES}
 )
 
 target_include_directories(<ターゲット名> PUBLIC
    ${<任意の変数名>_INCLUDE_DIRS}
 )
 
 target_compile_options(<ターゲット名> PUBLIC
    ${<任意の変数名>_CFLAGS}
    # または
    ${<任意の変数名>_CFLAGS_OTHER}
 )



インクルードパスの指定

target_include_directoriesコマンド (推奨)

インクルードパスを指定する場合、target_include_directoriesコマンドを使用する。
target_include_directoriesコマンドを使用することにより、ターゲット単位でインクルードパスを適切に管理できる。

特定のターゲットに対してのみインクルードディレクトリを設定する場合は、target_include_directoriesコマンドを使用することを推奨する。

  • PUBLIC
    このターゲット、および、このターゲットに依存する他のターゲットでも使用する。
  • PRIVATE
    このターゲットでのみ使用する。
  • INTERFACE
    このターゲットには使用せず、このターゲットに依存する他のターゲットでのみ使用する。
  • $<BUILD_INTERFACE:...>
    ビルド時のインクルードパス
  • $<INSTALL_INTERFACE:...>
    インストール後のインクルードパス
  • ${PROJECT_SOURCE_DIR}
    CMakeが自動的に設定する変数であり、プロジェクトのトップレベルのソースディレクトリへの絶対パスを表す。
    CMakeプロジェクトのトップレベル (project()コマンドを実行したディレクトリ) の絶対パスが格納されている。
    サブディレクトリからこの変数を参照すると、トップレベルのディレクトリパスが返される。
 # ターゲットの定義
 add_library(my_library
    source1.cpp
    source2.cpp
 )
 
 # ターゲットのインクルードディレクトリを指定
 target_include_directories(my_library
    PUBLIC
       $<BUILD_INTERFACE:${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}/include>
       $<INSTALL_INTERFACE:include>
    PRIVATE
       ${PROJECT_SOURCE_DIR}/external/lib1/include
       ${PROJECT_SOURCE_DIR}/external/lib2/include
 )


include_directoriesコマンド (非推奨)

include_directoriesコマンドの使用は避けるべきである。
これは、プロジェクト全体で共通のインクルードパスを設定するため、意図しないインクルードが発生する可能性があるからである。

include_directoriesコマンドは、プロジェクト内の全てのターゲットに対して指定されたディレクトリを適用する。

 include_directories(/path/to/include)


include_directoriesコマンドを複数使用する場合、デフォルトでは、指定したパスは最後尾となる。
ただし、include_directoriesコマンドにBEFOREオプションを付加した場合は最前となる。

以下の例では、"-I/path1/to/include -I/path2/to/include"となる。

 include_directories(/path1/to/include)
 include_directories(/path2/to/include)


以下の例では、"-I/path2/to/include -I/path1/to/include" となる。

 include_directories(/path1/to/include)
 include_directories(BEFORE /path2/to/include)