「データベース - 正規化」の版間の差分

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==== ボイスコッド正規形とは ====
==== ボイスコッド正規形とは ====
ボイスコッド正規形は、第3正規形をさらに分解したものである。<br>
ボイスコッド正規形は、第3正規形をさらに分解したものである。<br>
主キー以外のカラムが全て主キーに完全関数従属であり、それ以外の従属関係がある場合、表を分離することによりボイスコッド正規形となる。<br>
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ボイスコッド正規形では、全ての属性が候補キーに完全従属する。<br>
ボイスコッド正規形は、ほとんどの場合において第3正規形と等価であり、複数の属性からなる候補キーが複数存在する場合にのみ差異が生じうる。<br>
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第3正規形とボイスコッド正規形の違いを、以下に示す。<br>
* 第3正規形
*: 非キー属性を従属項とする関数従属性だけを問題とするため、候補キーを構成する属性の間に候補キーを決定項としない関数従属性が存在することを許す。
* ボイスコッド正規形
*: この問題が存在することを許さない。
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主キー以外のカラムが全て主キーに完全関数従属であり、それ以外の従属関係がある場合、表を分離することによりボイスコッド正規形となる。<br>
そのため、ボイスコッド正規形は、第3正規形をより完全にしたものであるといえる。<br>
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==== ボイスコッド正規形の手順 ====
==== ボイスコッド正規形の手順 ====
例えば、ユーザデータにメールアドレスが含まれているとする。<br>
例えば、受注伝票に顧客のメールアドレスが含まれているとする。<br>
登録時に登録済メールアドレスの再登録をエラーとする処理等を行うことにより、ユーザ名とメールアドレスは1:1の関係となる。<br>
商品の購入時に登録済みのメールアドレスを再登録する場合はエラーとする場合、顧客名とメールアドレスは1:1の関係となる。<br>
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この場合、ボイスコッド正規形ではテーブルを2つに分離することになる。<br>
この場合、ボイスコッド正規形ではテーブルを2つに分離することになる。<br>
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== 第4正規形 ==
==== 第4正規形とは ====
第4正規化では、ボイスコッド正規形等を適用して3つ以上の主キーのみで構成されたテーブルから、さらに主キーを分解して、多値従属性を排除する処理を行う。<br>
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==== 第4正規形の手順 ====
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%81%AE%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E5%8C%96<br>
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== 第5正規形 ==
==== 第5正規形とは ====
第5正規化とは、射影 - 結合正規形とも呼ばれており、<br>
第4正規形と同様、3つ以上の主キーのみで構成されたテーブルからさらに主キーを分解して、候補キーの中で結合従属性が満足できるようにする。<br>
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==== 第5正規形の手順 ====
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%81%AE%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E5%8C%96<br>
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2024年1月23日 (火) 05:33時点における版

概要

データベースの正規化とは、データを扱いやすくするために行うデータベース設計の理論である。

1データ1箇所の原則を実現するため、1970年にE.F.Codd氏がリレーショナルモデルの理論として提案された。
正規化の理論は、データの冗長性を排除し、更新時の整合性を維持しやすくすることを目指している。

データベースは常にレコードが追加、更新、削除されている。
もし、正規化を適切に行っていない場合は、データベースのレコード間で矛盾が発生して、データベースとして役割を果たさない。

データベースの正規化の目的は、データの重複や不要な依存関係を排除することである。
これにより、データの整合性を維持できるようになる。


関数従属

関数従属とは

ある属性Aの値が決まると他の属性Bの値が一意に決まる時、属性Bは、属性Aに関数従属である (A -> B) という。

完全従属

完全従属とは、2つの属性A、Bの間でA -> Bが成立して、Aが複数の属性の集合で成り立っている場合、属性Aのいかなる部分集合も関数従属が成立しない状態を表す。

部分従属

部分従属とは、関数従属が成立しているが、完全従属ではない状態を表す。

推移従属

推移従属とは、エンティティの3つの属性A、B、Cにおいて、A -> B、 B ≠ A、 B -> Cである時、 A -> Cが得られ、既存の関数従属から新たな関数従属が得られる状態を表す。


正規化の手順

正規化は、データの一元管理を行うために、データベース設計で行うべき理論である。
一般的には、第3正規化までを実施すればよいと云われているが、理論に当てはまる場合には第5正規化まで行う必要がある。

Database Normalization 1.png
図. 正規化の手順




非正規形

非正規形とは

現実の世界では、データは属性の集合として存在している。

例えば、注文伝票や納品伝票等の形で存在しているデータは、属性の集合ということができる。

一般的に、これらの属性は正規化されていないため、非正規形と呼ぶ。

下図に示す受注伝票を例にして、正規化の手順を実施する。

Database Normalization 2.png
図. 受注伝票



導出属性

導出属性は、正規化の作業を行う場合、取り除くのが原則である。

ただし、実際の設計では、管理項目を上流工程で削除する場合、元々管理されていた属性を失い、後で復旧することは困難となる。
そこで、導出属性である旨を明記した上でER図に記述する。

この非正規形のデータ集合を表の形に成形する。

Database Normalization 3.png
図. 非正規形のデータ集合を表の形に成形



表の形に成形する場合、表の定義として以下に示す2点に注意する。

  • 表を定義する列は、1列につき1つのみとする。
  • 表の各行を特定できるキー列(一意識別子)を考える。


下図に、非正規形のデータを表の形に成形している。

Database Normalization 4.png
図. 表として成形




第1正規化

第1正規化とは

第1正規化では、同一の情報のグループが繰り返し出現している部分を分解する。
その結果、第1正規形は、繰り返しの配列構造が排除された構造となる。

第1正規化の手順

  • 重複の削除
    同じ属性が繰り返されている部分の重複を削除する。
    この時、細かい複数の表に分解されるため、元の表と結合できるように、分解した表に元の表のキー項目(主キー)を外部キーとする。

    まず、属性が繰り返し出現するグループを別の表に分解して、元の表に残った行と、分解した繰り返し出現するグループの行を一意に決められる主キーをそれぞれ定義する。
    次に、 分解した表の行と元の表の関係を維持することを目的として、分解先の表に元の表と結合できるようにキー項目(外部キー)を定義する。


例: 受注伝票の第1正規化

  1. 元の表(注文表)の"注文番号"をキーとする。
  2. 下図に示すように、繰り返し出現するグループを分解して(注文明細表)、主キーをそれぞれ"注文番号"および"商品番号"とする。(複合キーとする)
  3. 分解した注文明細表と注文表との関係は、注文明細表に取り込んだ"注文番号"を使用して参照できるようにする。
  4. 注文明細表の注文番号は、注文表への外部キーとする。


Database Normalization 5.png
図. 第1正規形




第2正規化

第2正規化

第2正規化で焦点となるのは、主キーと主キー以外の属性との関係である。

例えば、注文明細表の"単価"と"受注数"は主キーにより一意に特定できるが、その決定方法は異なる。
"受注数"は、主キーを構成する"注文番号"および"商品番号"のどちらの属性が欠けても一意に特定できないが、"単価"は"商品番号"があれば一意に特定できる。
表の主キーの全てを必要とせず、"主キーの一部"のみで一意に指定可能な属性が存在する場合、その部分を別の表に分解することができる。

これが、第2正規化である。

第2正規化の手順

  1. 主キーが複数の列で構成されている複合主キーの表を対象とする。
  2. 複合主キーの一部に関数従属関係を持つ属性を洗い出し、別の表に分解する。
  3. 分解した表の行と元の表の行の関係を維持できるように、分解した表のキー項目(外部キー)を定義する。


例: 受注伝票と関数従属

注文明細表の"単価"は、複合主キーである"注文番号"と"商品番号"に完全従属していない。
しかし、注文明細表の"単価"は、複合主キーの1つである"商品番号"にのみ部分従属している。

例: 受注伝票の第1正規化から第2正規化

  1. 注文明細表が対象となる。
  2. 下図のように分解する。
    注文明細表の主キーは、"注文番号"および"商品番号"の複合主キーである。

    商品表の主キーは、"商品番号"である。
  3. 注文明細表の"商品番号"は、商品表を参照する外部キーとして定義する。


図. 第2正規形




ボイスコッド正規形

ボイスコッド正規形とは

ボイスコッド正規形は、第3正規形をさらに分解したものである。
主キー以外のカラムが全て主キーに完全関数従属であり、それ以外の従属関係がある場合、表を分離することによりボイスコッド正規形となる。

ボイスコッド正規形では、全ての属性が候補キーに完全従属する。
ボイスコッド正規形は、ほとんどの場合において第3正規形と等価であり、複数の属性からなる候補キーが複数存在する場合にのみ差異が生じうる。

第3正規形とボイスコッド正規形の違いを、以下に示す。

  • 第3正規形
    非キー属性を従属項とする関数従属性だけを問題とするため、候補キーを構成する属性の間に候補キーを決定項としない関数従属性が存在することを許す。
  • ボイスコッド正規形
    この問題が存在することを許さない。


そのため、ボイスコッド正規形は、第3正規形をより完全にしたものであるといえる。

ボイスコッド正規形の手順

例えば、受注伝票に顧客のメールアドレスが含まれているとする。
商品の購入時に登録済みのメールアドレスを再登録する場合はエラーとする場合、顧客名とメールアドレスは1:1の関係となる。

この場合、ボイスコッド正規形ではテーブルを2つに分離することになる。


第4正規形

第4正規形とは

第4正規化では、ボイスコッド正規形等を適用して3つ以上の主キーのみで構成されたテーブルから、さらに主キーを分解して、多値従属性を排除する処理を行う。

第4正規形の手順

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%81%AE%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E5%8C%96


第5正規形

第5正規形とは

第5正規化とは、射影 - 結合正規形とも呼ばれており、
第4正規形と同様、3つ以上の主キーのみで構成されたテーブルからさらに主キーを分解して、候補キーの中で結合従属性が満足できるようにする。

第5正規形の手順

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%81%AE%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E5%8C%96