「その他 - ソフトウェアライセンス」の版間の差分

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例えば、BSDライセンスはタイプ2、 GNU GPLはタイプ3ということになる。<br>
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著作権は、著作権者が有する数多くの権利の束として把握されるが、大別すれば、"コピーライト"と"著作者の権利"の2種類に分けられる。<br>
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著作権法上は、氏名表示権や同一性保持権など"著作者人格権"として規定されているが、これは"著作者の権利"である。<br>
コピーライトは、著作権法では複製権とそれに付随する様々な権利として規定されている。<br>
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しかし、この2つは、ほとんど相互に関連していない。<br>
例えば、コピーライトは著作物の流通を規定、著作者の権利は改変を規定していると言えば分りやすい。<br>
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パブリック・ドメインの場合、一切の権利が消滅しているため、著作者の権利も存在せず、改変も流通も完全に自由である。<br>
一方、流通(頒布)の面では、パブリック・ドメインと同様に非常に制限の緩いBSDライセンスでも、著作者の権利は少なくとも部分的には明確に留保されている。<br>
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これが、タイプ1とタイプ2の目に見える違いということである。<br>
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2022年5月5日 (木) 16:25時点における版

概要



パブリック・ドメイン

パブリック・ドメインとは

パブリック・ドメイン(公有)とは、ある無体物に関して、著作権や商標権が消滅ないし放棄された状態を指す。

パブリック・ドメインをGNU GPL等と同様のライセンスの一種と勘違いしがちであるが、パブリック・ドメインは状態であって、ライセンスではない。
作者は何の権利も主張しないため、ライセンスを指定する必要もない。

国内では、著作権は譲渡・放棄できるが著作者人格権は放棄できない等の様々な事情があるため、本来の意味でパブリック・ドメインに置くということはできない。
しかし、"一切権利を行使しない"と明確に宣言しておけば、パブリック・ドメイン相当にはなる。
実際そのようにして、ソフトウェアをパブリック・ドメイン相当に置くという開発者はそれなりに多い。

ライセンスの一種としてのパブリック・ドメイン

パブリック・ドメインはライセンスではないが、OSSのライセンスを考える場合、パブリック・ドメインもライセンスの一種と強引にみなすことにより、
以下の4種類のオープンソースライセンスのみを考えるだけでよい。

  • タイプ1: パブリックドメイン
  • タイプ2: パブリックドメイン + 著作者の権利
  • タイプ3: パブリックドメイン + 著作者の権利 + コピーレフト
  • タイプ4: パブリックドメイン + 著作者の権利 + コピーレフト + その他


近年では、多くのライセンスが存在しており、その文面は非常に複雑で解釈が困難な言い回しになっていることが多い。
しかし、各ライセンスが上記のどのタイプに属するのかさえ把握すれば理解しやすい。

例えば、BSDライセンスはタイプ2、 GNU GPLはタイプ3ということになる。

著作者の権利

著作権は、著作権者が有する数多くの権利の束として把握されるが、大別すれば、"コピーライト"と"著作者の権利"の2種類に分けられる。

著作権法上は、氏名表示権や同一性保持権など"著作者人格権"として規定されているが、これは"著作者の権利"である。
コピーライトは、著作権法では複製権とそれに付随する様々な権利として規定されている。

しかし、この2つは、ほとんど相互に関連していない。
例えば、コピーライトは著作物の流通を規定、著作者の権利は改変を規定していると言えば分りやすい。

パブリック・ドメインの場合、一切の権利が消滅しているため、著作者の権利も存在せず、改変も流通も完全に自由である。
一方、流通(頒布)の面では、パブリック・ドメインと同様に非常に制限の緩いBSDライセンスでも、著作者の権利は少なくとも部分的には明確に留保されている。

これが、タイプ1とタイプ2の目に見える違いということである。


GPL(GNU General Public License)

世界中で広く使われているオープンソースおよびフリーソフトウェア用のライセンスである。

GPLライセンスのソフトウェアは、誰でも自由に複製して編集することができ、
また、その編集したソフトウェアは自由に配布・販売することも許可されている。

GPLライセンスの特徴は、以下の4つである。

  1. すべて自己責任である。
  2. 著作権表示の保持する。
  3. 誰でも複製・改変・再配布・販売ができる。
  4. GPLライセンスのものをソフトウェアに使用する場合、そのソフトウェアやプログラムのライセンスもGPLライセンスにしなければならない。


ここで最も重要なのは4です。
編集したGPLライセンスのソフトウェアは自由に配布・販売することが許可されているが、そのソフトウェアもGPLライセンスにしなければならない。
つまり、改変して販売したソフトウェアをさらに配布・販売されても文句は言えないということである。

例えば、開発するソフトウェアに1行でもGPLライセンスのソフトウェアが使用されていれば、そのソフトウェアはGPLライセンスとなる。

以上の特徴から、GPLライセンスは"フリーソフトであり続ける"ことが可能になっている。


LGPL(GNU Lesser General Public License)

LGPLは、GPLライセンスの制約を緩めたものである。

GPLライセンスとの違いは、以下の1つである。

  • 動的ライブラリをリンクして使用する場合、LGPLライセンスを適応させなくてもよい。


開発するソフトウェアにおいて、LGPLライセンスの動的ライブラリを使用する場合、
LGPLライセンスのプログラムを外部ファイルとして使用するならば、LGPLライセンスにする必要はないということである。

ただし、静的ライブラリをリンクして使用する場合、開発するソフトウェアは全てLGPLライセンスとなる。


BSD(Berkeley Software Distribution License)

BSDライセンスは、GPL / LGPLと比較して緩いライセンスである。

BSDライセンスの特徴は、以下の2つである。

  1. すべて自己責任
  2. 再配布時には著作権表示を保持する


上記の2つを守れば、複製・改変・再配布・販売が可能である。
BSDライセンスをGPLに変更して再配布すること、ソースコードを非公開にしてソフトウェアを販売することもできる。

ただし、BSDライセンスには、以下の2種類のBSDライセンスが存在する。

  • BSDライセンス
  • 修正済みBSDライセンス


BSDライセンスは、初期開発者を表示することという条件があるが、これは謝辞のためというよりほとんど広告だった。
後日、その条項が削除された修正済みBSDライセンスが発表されたが、単にBSDライセンスと表記しているソフトウェアも多くある。

この違いに過敏になる必要はないが、BSDライセンスには2種類あるということは留意した方がよい。


MIT License

MITライセンスは、上記の修正済みBSDライセンスと同様の条件になる。
X11ライセンスやXライセンスと呼ばれることもある。

  • 全て自己責任
  • 再配布時には著作権表示を保持する


上記の2つを守れば、自由に使用することが可能である。


MPL(Mozilla Public License)

MPLライセンスは、FirefoxのMozillaプロジェクトのために用意されたライセンスである。

  • MPLライセンスのソフトウェアのソースコードを変更する場合、その部分はMPLライセンスで公開する。
  • LGPLライセンスと同様に、動的ライブラリをリンクして使用する場合、MPLライセンスが適応されない。


MPLライセンスは、LGPLライセンスとBSDライセンスの中間のような条件となっている。

MPLライセンスのソフトウェアまたはソースコードを別ファイルとして使用する場合、MPLライセンスは開発するソフトウェアにまで影響しない。
例えば、MPLライセンスのソフトウェアを使用する場合、そのプログラムが独立して1つのファイルとなっている状態であれば、
開発するソフトウェアをMPLライセンスにする必要はない。


CC(Creative Commons)

CCライセンスは、著作物全般に使用できるライセンスである。

CCライセンスの特徴は、"著作権者のクレジット表記"のみが絶対条件とされており、
他の3つの使用条件を組み合わせることで、著作権者の希望に沿ったライセンスを明示できる。

以下に、CCライセンスの4つの使用条件を示す。

  1. 著作権者のクレジット表記義務
    このアイコンが表示されている場合、原著作権者のクレジットを明記しなければならない。
  2. 非営利の場合のみ使用許可
    このアイコンが表示されている場合、この作品を営利目的で利用してはならない。
  3. 改変の禁止
    このアイコンが表示されている場合、この作品を改変・変形または加工してはならない。
  4. 同一条件の継承義務
    このアイコンが表示されている場合、この作品を改変・変形または加工した場合、その制作物をこの作品と同一の許諾条件でのみ、頒布することができる。


CCライセンスはクレジット表記が絶対条件であるため、Webサイトの制作において、使用が難しいライセンスである。

無料配布されているファイルにおいても、CCライセンスのものが多いため、使用する場合は著作者のクレジットを表記しなければならない。


Boostソフトウェアライセンス

全ての人もしくは組織に対し、このライセンスで保護されたソフトウェアおよび添付されるドキュメント(以下「ソフトウェア」)のコピーを取得し、
ソフトウェアを利用、複製、表示、頒布、実行、伝送すること、ソフトウェアの派生成果物を作成すること、ソフトウェアを提供された第三者に同様の権利を与えることに対する許可が無料でここに与えられる。
全ては以下の条件に従う。

ソフトウェアとこの条文全ての著作権表記(上記のライセンス許可とこの制約、次の免責事項を含む)を、ソフトウェアの全体あるいは一部のあらゆるコピーあるいはソフトウェアの全ての派生成果物に含めなければならない。
ただし、そのようなコピーあるいは派生成果物が、単にマシン上で実行可能なオブジェクトコードの形でソース言語処理器によって生成された場合は除く。

ソフトウェアは「あるがまま」に提供され、いかなる保証もない。
これには、明示的か暗黙的かを問わず、商業性の保証や特定の目的、タイトル、非侵害性に対する適合性も含まれるが、それに限定するものではない。
契約、不法行為、その他に関わらず、著作権者あるいはソフトウェアを頒布するいかなるものもソフトウェアの使用やその他の扱いから発生または発展、関連する、一切の損害や他の法的責任に対する法的義務を負わないものとする。