「電子部品 - バリスタ」の版間の差分

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静電気 : 人体には3000[V]から10[kV]を超える静電気を纏う可能性がある。<br>
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     帯電している状態で回路に触れた場合、回路には数千[V]の電圧が印加される。<br>
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雷サージ : 落雷の影響で3000[V]から4500[V]の電圧が回路に印加されることを雷サージという。<br>
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落雷の影響で3000[V]から4500[V]の電圧が回路に印加されることを雷サージという。<br>
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2019年7月27日 (土) 11:48時点における版

バリスタとは

バリスタとは、印加電圧が低い場合は抵抗値が大きく、印加電圧が高い場合は抵抗値が小さくなる性質を持っている。
可変抵抗(ボリューム)とは異なり、線形的に変化するわけではなく、ある電圧で急激に変化するのが特徴である。

電気的特性を見ると、抵抗値が変化する電圧というのは極性があり、
正電圧が所定以上印加もしくは負電圧が所定以上印加のどちらかで抵抗値が急激に下がる。

つまり、通常時は抵抗値が高く電流はほぼ流れないが、過電圧が印加された時のみ電流を流すことで、後段(周辺)の回路を保護することができる。
バリスタは抵抗値が変化する特徴を活かして、保護素子として回路の役に立つ。


サージ電圧吸収用としてのバリスタ

バリスタは、ある電圧(バリスタ電圧)を超えた時に抵抗値が低くなる特徴を活かして、主に電源回路のサージ電圧吸収用として使用される。
バリスタには極性がないため、AC / DCの両方に使用することができる。

電源回路は、静電気や雷サージの影響により故障する可能性があるため、保護しなければならない。
そこで、バリスタがあれば、静電気や雷サージで発生する高電圧を吸収して、回路への影響を抑えることができる。

一般的に、AC100[V]には270[V]仕様、AC230[V品]は470[V]仕様のバリスタを使用することが多い。

NOTE
静電気 :
人体には3000[V]から10[kV]を超える静電気を纏う可能性がある。
帯電している状態で回路に触れた場合、回路には数千[V]の電圧が印加される。

雷サージ :
落雷の影響で3000[V]から4500[V]の電圧が回路に印加されることを雷サージという。


バリスタの選定

バリスタを選定するにあたり、確認することは下記の4つである。
1. バリスタ電圧
2. 最大許容電圧
3. 制限電圧
4. サージ電流耐量

1. バリスタ電圧
バリスタ電圧とは、バリスタの抵抗値が下がって電流が流れ始める電圧のことをいう。
一般的な小型のバリスタでは、0.1[mA] - 1[mA]の電流が流れる時の電圧を指すことが多いが、
データシートを確認してバリスタ電圧の定義がどのように決められているか確認する。

2. 最大許容電圧
最大許容電圧とは、バリスタ電圧より低い電圧(抵抗値が高い状態で印可する電圧)を印可する場合に、
バリスタに連続して印加できる電圧の最大値を表す。
電源電圧(過電圧ではない)は常に印加されているが、常に印加されている電圧についてもバリスタに影響を与えないか確認する。
常に印加する電圧と最大許容電圧(AC / DCは別)を比較して選定する必要がある。

3. 制限電圧
バリスタに所定のインパルス電流(8 / 20[us])を流した時の端子間電圧のこと。
バリスタのデータシートにインパルス電流の大きさごとに制限電圧を記載している場合がある。

4. サージ電流耐量
サージ電流が流れた時、バリスタが耐えることができる最大電流のこと。
どの程度のサージ電流を吸収するか確認できる。