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ページの作成:「== 概要 == MSP-FETは、Texas Instruments社が提供するMSP430マイコン用のプログラミングおよびデバッグツールである。<br> このツールは、JTAGインターフェース または Spy-Bi-Wire (SBW) インターフェースを使用して、MSP430マイコンとの通信を行う。<br> <br> JTAG (Joint Test Action Group) は、元々はプリント基板のテストのために開発された標準規格である。<br> 現在では…」
 
編集の要約なし
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一般的に、MSP430F2xx、MSP430G2xx、F4xx、F5xx、F6xx、FRxxファミリーの多くのマイコンがSBW (Spy-Bi-Wire) をサポートしている。<br>
一般的に、MSP430F2xx、MSP430G2xx、F4xx、F5xx、F6xx、FRxxファミリーの多くのマイコンがSBW (Spy-Bi-Wire) をサポートしている。<br>
MSP430F2013は、Spy-Bi-Wire専用のデバイスであり、4線式JTAGの信号ピンは存在しない。<br>
MSP430F2013は、4線式JTAGとSpy-Bi-Wire (SBW) の両方に対応している最新世代のデバイスである。<br>
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| デバイス特性 || 大型デバイス || 小型デバイス<br>省ピン設計 || USB対応マイコン || 汎用小型デバイス
| デバイス特性 || 大型デバイス || 小型デバイス<br>省ピン設計 || USB対応マイコン || 汎用小型デバイス
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| ピン設計 || ポートピン (P4.4~P4.7) との多重化 || 省ピン設計により、多くのピンをアプリケーションに使用可能<br>Spy-Bi-Wire専用 || ポートピン (PJ.0~PJ.3) との多重化<br>USB機能搭載 || ポートピン (P1.4~P1.7) との多重化により柔軟な設計が可能
| ピン設計 || ポートピン (P4.4~P4.7) との多重化 || ポートピン (P1.4~P1.7) との多重化により柔軟な設計が可能 || ポートピン (PJ.0~PJ.3) との多重化<br>USB機能搭載 || ポートピン (P1.4~P1.7) との多重化により柔軟な設計が可能
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| 用途の特徴 || 古い世代のデバイスで、専用JTAGピンを持つ設計 || 限られたピン数で最大限の機能を実現<br>センサーアプリケーションに最適 || USB接続が必要なアプリケーション<br>データロガー、センサシステム || 開発時と製品化時で異なるインターフェースを選択可能<br>省電力アプリケーションに最適
| 用途の特徴 || 古い世代のデバイスで、専用JTAGピンを持つ設計 || 限られたピン数で最大限の機能を実現<br>センサーアプリケーションに最適<br>開発時と製品化時で異なるインターフェースを選択可能 || USB接続が必要なアプリケーション<br>データロガー、センサシステム || 開発時と製品化時で異なるインターフェースを選択可能<br>省電力アプリケーションに最適
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| 主要機能 || 多機能<br>12ビットADC || 16ビットシグマデルタADC<br>USI (SPI/I2C) || USB 2.0<br>12ビットADC || 10ビットADC<br>USCI (UART/SPI/I2C)
| 主要機能 || 多機能<br>12ビットADC || 16ビットシグマデルタADC<br>USI (SPI/I2C) || USB 2.0<br>12ビットADC || 10ビットADC<br>USCI (UART/SPI/I2C)
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! colspan="5" | デバッグインターフェース対応
! colspan="5" | デバッグインターフェース対応
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| 4線式JTAG || サポート || - || サポート || サポート
| 4線式JTAG || サポート || サポート || サポート || サポート
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| 2線式Spy-Bi-Wire || - || サポート || サポート || サポート
| 2線式Spy-Bi-Wire || - || サポート || サポート || サポート
125行目: 125行目:
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| TEST/SBWTCK || - || ピン11 (TEST/SBWTCK) || 64ピンRGC:<br>ピン59 (TEST/SBWTCK)<br><br>80ピンPN:<br>ピン71 (TEST/SBWTCK) || 20ピンPDIP/TSSOP/VQFN:<br>ピン17 (TEST/SBWTCK)<br><br>28ピンTSSOP:<br>ピン25 (TEST/SBWTCK)<br><br>32ピンQFN:<br>ピン24 (TEST/SBWTCK)
| TEST/SBWTCK || - || ピン11 (TEST/SBWTCK) || 64ピンRGC:<br>ピン59 (TEST/SBWTCK)<br><br>80ピンPN:<br>ピン71 (TEST/SBWTCK) || 20ピンPDIP/TSSOP/VQFN:<br>ピン17 (TEST/SBWTCK)<br><br>28ピンTSSOP:<br>ピン25 (TEST/SBWTCK)<br><br>32ピンQFN:<br>ピン24 (TEST/SBWTCK)
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! colspan="5" | 4線式JTAG信号線 (14ピンPDIP/TSSOP)
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| TCK || ピン5 (P4.4/TCK) || ピン6 (P1.4/SMCLK/A2+/TCK) || 64ピンRGC:<br>ピン63 (PJ.3/TCK)<br><br>80ピンPN:<br>ピン75 (PJ.3/TCK) || 20ピンPDIP/TSSOP/VQFN:<br>ピン6 (P1.4/SMCLK/TCK)<br><br>28ピンTSSOP:<br>ピン6 (P1.4/SMCLK/TCK)<br><br>32ピンQFN:<br>ピン4 (P1.4/SMCLK/TCK)
|-
| TMS || ピン3 (P4.5/TMS) || ピン7 (P1.5/TA0/A2-/SCLK/TMS) || 64ピンRGC:<br>ピン62 (PJ.2/TMS)<br><br>80ピンPN:<br>ピン74 (PJ.2/TMS) || 20ピンPDIP/TSSOP/VQFN:<br>ピン7 (P1.5/TA0.0/TMS)<br><br>28ピンTSSOP:<br>ピン7 (P1.5/TA0.0/TMS)<br><br>32ピンQFN:<br>ピン5 (P1.5/TA0.0/TMS)
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| TDI/TCLK || ピン4 (P4.6/TDI) || ピン8 (P1.6/TA1/A3+/SDO/SCL/TDI/TCLK) || 64ピンRGC:<br>ピン61 (PJ.1/TDI/TCLK)<br><br>80ピンPN:<br>ピン73 (PJ.1/TDI/TCLK) || 20ピンPDIP/TSSOP/VQFN:<br>ピン14 (P1.6/TA0.1/TDI/TCLK)<br><br>28ピンTSSOP:<br>ピン14 (P1.6/TA0.1/TDI/TCLK)<br><br>32ピンQFN:<br>ピン21 (P1.6/TA0.1/TDI/TCLK)
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| TDO/TDI || ピン1 (P4.7/TDO) || ピン9 (P1.7/A3-/SDI/SDA/TDO/TDI) || 64ピンRGC:<br>ピン60 (PJ.0/TDO)<br><br>80ピンPN:<br>ピン72 (PJ.0/TDO) || 20ピンPDIP/TSSOP/VQFN:<br>ピン15 (P1.7/CAOUT/TDO/TDI)<br><br>28ピンTSSOP:<br>ピン23 (P1.7/CAOUT/TDO/TDI)<br><br>32ピンQFN:<br>ピン22 (P1.7/CAOUT/TDO/TDI)
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! colspan="5" | 4線式JTAG信号線 (16ピンQFN)
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| TCK || - || ピン5 (P1.4/SMCLK/A2+/TCK) (QFN) || - || -
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| TMS || - || ピン6 (P1.5/TA0/A2-/SCLK/TMS) (QFN) || - || -
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| TDI/TCLK || - || ピン7 (P1.6/TA1/A3+/SDO/SCL/TDI/TCLK) (QFN) || - || -
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| TDO/TDI || - || ピン8 (P1.7/A3-/SDI/SDA/TDO/TDI) (QFN) || - || -
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! colspan="5" | Spy-Bi-Wire信号線 (16ピンQFN)
! colspan="5" | Spy-Bi-Wire信号線 (16ピンQFN)
138行目: 158行目:
| フラッシュROM / RAM容量 || 60[KB] / 2[KB] || 2[KB] / 128[B] || 128[KB] / 8[KB] || 16[KB] / 512[B]
| フラッシュROM / RAM容量 || 60[KB] / 2[KB] || 2[KB] / 128[B] || 128[KB] / 8[KB] || 16[KB] / 512[B]
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| 特記事項 || 4線式JTAG専用<br>TESTピンは専用ピンとして存在しない || 2線式Spy-Bi-Wire専用<br>4線式JTAGピンは存在しない<br>16ビットシグマデルタADC搭載<br>USI (SPI/I2C)搭載 || USB 2.0対応<br>12ビットADC搭載<br>両方のJTAGモードをサポート || 両方のJTAGモードをサポート<br>JTAGピンはGPIOと共用可能<br>10ビットADC搭載<br>LaunchPad開発キット対応
| 特記事項 || 4線式JTAG専用<br>TESTピンは専用ピンとして存在しない || 両方のJTAGモードをサポート<br>JTAGピンはGPIOと共用可能 (P1.4~P1.7)<br>16ビットシグマデルタADC搭載<br>USI (SPI/I2C)搭載 || USB 2.0対応<br>12ビットADC搭載<br>両方のJTAGモードをサポート || 両方のJTAGモードをサポート<br>JTAGピンはGPIOと共用可能<br>10ビットADC搭載<br>LaunchPad開発キット対応
|}
|}
</center>
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165行目: 185行目:
両方の電源供給方法に対応するため、ジャンパブロックを使用して切り替え可能な設計にすることができる。<br>
両方の電源供給方法に対応するため、ジャンパブロックを使用して切り替え可能な設計にすることができる。<br>
柔軟性が不要な場合は、必要な接続方法を直接配線してジャンパブロックを省略することもできる。<br>
柔軟性が不要な場合は、必要な接続方法を直接配線してジャンパブロックを省略することもできる。<br>
<br>
==== 14ピンJTAG接続 ====
下図に、MSP430F2013マイコンと14ピンJTAGコネクタとの接続を示す。<br>
MSP430F2013は、4線式JTAGとSpy-Bi-Wireの両方に対応している。<br>
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[[ファイル:MSP430F2013 JTAG Debugging.png|フレームなし|中央|775x450px]]
<br>
* ※注記1 - 電源供給の選択
*: ターゲットボード側でローカル電源を使用する場合は <u>JP1 - 3</u> を接続する。
*: MSP-FETから電源を供給する場合は <u>JP1 - 1</u> を接続する。
*: <br>
* ※注記2 - RST/NMIピンのR1とC1の設定
*: RST/NMIピンのR1とC1の構成はデバイスファミリーにより異なる。
*: MSP430F2013では、回路図に示されているように 47[kΩ]のプルアップ抵抗 と 1.1[nF] (または 100[pF]~2.2[nF]の範囲) のコンデンサ が標準的な値である。
*: これにより、リセット信号のノイズ耐性と適切な立ち上がり時間を確保する。
*: <u>MSP430F2013は両方のJTAGモードに対応しているため、4線式JTAGを使用する場合でもC1の上限は2.2[nF]を超えてはならない。</u>
*: MSP430F2013のデータシートの「JTAG and Spy-Bi-Wire Interface」セクションでも、このRSTピン回路の推奨値が記載されている。
*: <br>
* ※注記3 - TESTピンの有無
*: TESTピンは、多重化されたJTAGピンを持つMSP430ファミリーメンバーで使用可能である。
*: <br>
*: <u>MSP430F2013にはTEST/SBWTCKピン (14ピンパッケージではピン11、16ピンQFNではピン10) が存在する。</u>
*: このピンは、Spy-Bi-Wire通信ではSBWTCKクロック信号として使用され、4線式JTAG通信でもテストモード選択に使用される。
*: 内部プルダウン抵抗 (25[kΩ]~90[kΩ]、典型値60[kΩ]) が実装されているが、基板設計では追加の外部プルダウン抵抗は通常不要である。
*: <br>
* ※注記4 - JTAGコネクタRSTピン接続の必要性
*: JTAGコネクタのRSTピンへの接続は、SBW (Spy-Bi-Wire) 通信をサポートするデバイスをプログラミングまたはデバッグする場合に必須である。
*: これは、4線式JTAG通信を使用している場合でも同様である。
*: <br>
*: <u>MSP430F2013は両方のJTAG通信モードに対応しているため、JTAGコネクタのRSTピン接続は必須である。</u>
*: この接続により、以下の機能が確保される:
*:* JTAGコマンドによるリセットが失敗した場合の予備手段として機能する。
*:* デバッグツールが確実にデバイスをリセットすることができる。
*:* Spy-Bi-Wire通信モードではRST/NMI/SBWTDIOピンとして双方向データ通信に使用される。
*: <br>
* ※注記5 - SBW (Spy-Bi-Wire) 通信デバイスでのC1容量制限
*: <u>SBW (Spy-Bi-Wire) 通信をサポートするMSP430F2013をJTAG通信で使用する場合でも、C1の上限値は2.2[nF]を超えてはならない。</u>
*: SBW (Spy-Bi-Wire) 通信の典型値は1.1[nF]である。
*: この範囲は、SBW速度、電圧、基板設計により、100[pF]~2.2[nF]の間で変化することがある。
*: <br>
*: MSP430F2013では、RST/NMI/SBWTDIOピンのC1として <u>1.1[nF]が推奨値</u> である。
*: この値により、リセット信号のノイズフィルタリングと適切なデバウンス特性が得ることができる。
*: <u>この容量制限は、4線式JTAG使用時にも適用される重要な設計ガイドラインである。</u>
*: <br>
* ※注記6 - ノイズ・ESD対策のプルダウン抵抗
*: 過度なノイズやESD (静電気放電) が懸念される用途では、ターゲットデバイスの適切なプログラミングを維持しながら、
*: 500[Ω]~1[kΩ]のプルダウン抵抗をTEST/SBWTCKピンに追加することができる。
*: <br>
*: MSP430F2013にはTEST/SBWTCKピン (14ピンパッケージではピン11、16ピンQFNではピン10) が存在する。
*: 内部プルダウン抵抗 (典型値60[kΩ]) が実装されているが、高ノイズ環境では以下に示す事柄に注意すること。
*:* <u>JTAGピン (TDO/TDI、TDI/TCLK、TMS、TCK) およびTEST/SBWTCKピンにはESD保護回路が内蔵されているが、高ノイズ環境では信号ラインに直列抵抗 (22[Ω]~47[Ω]程度) または追加のプルダウン抵抗 (500[Ω]~1[kΩ]) の追加を検討する。</u>
*:* <u>GNDプレーンを適切に配置して、信号ラインの長さを最小限に抑える。</u>
*:* <u>TEST/SBWTCKピンへの追加プルダウン抵抗は、Spy-Bi-Wire通信使用時に特に有効である。</u>
<br>
<u>※注意</u><br>
<u>JTAG通信の接続時において、以下に示す事柄を確認する必要がある。</u><br>
* <u>ピン1の位置を正しく確認すること。<br>コネクタには通常、切り欠きやマークでピン1が示されている。</u>
* <u>ターゲット基板の電源電圧が、MSP-FETの対応範囲 (1.8[V]~3.6[V]) 内であることを確認すること。<br>ただし、フラッシュROMのプログラミングまたは消去時は2.2[V]~3.6[V]の範囲が必要である。</u>
* <u>MSP-FETはターゲット基板の電源電圧を検出して動作するため、ターゲット基板に電源が供給されていることを確認すること。</u>
<br>
<br>
==== SBW (Spy-Bi-Wire) 接続 ====
==== SBW (Spy-Bi-Wire) 接続 ====
下図に、MSP430F2013マイコンとSBW (Spy-Bi-Wire) コネクタとの接続を示す。<br>
下図に、MSP430F2013マイコンとSBW (Spy-Bi-Wire) コネクタとの接続を示す。<br>
MSP430F2013は、SBW (Spy-Bi-Wire) 通信専用のデバイスであり、4線式JTAGの信号ピンは存在しない。<br>
MSP430F2013は、4線式JTAGとSpy-Bi-Wire (SBW) 通信の両方に完全対応している。<br>
<br>
<br>
[[ファイル:MSP430F2013 SBW Debugging.png|フレームなし|中央|775x425px]]
[[ファイル:MSP430F2013 SBW Debugging.png|フレームなし|中央|775x425px]]
221行目: 300行目:
* <u>ピン2 (VCC_TOOL) と ピン4 (VCC_TARGET) を同時に接続してはならない。</u>
* <u>ピン2 (VCC_TOOL) と ピン4 (VCC_TARGET) を同時に接続してはならない。</u>
<br>
<br>
==== RST/NMIピンのコンデンサC1容量の選定ガイド ====
==== RST/NMIピンのコンデンサC1容量の選定ガイド ====
RST/NMIピンに接続するコンデンサC1の上限値は、SBW (Spy-Bi-Wire) 機能の有無によって異なる。<br>
RST/NMIピンに接続するコンデンサC1の上限値は、SBW (Spy-Bi-Wire) 機能の有無によって異なる。<br>
238行目: 318行目:
| 典型値は、1100[pF]程度
| 典型値は、1100[pF]程度
|-
|-
| SBW専用<br>MSP430マイコン<br>(MSP430F2013等)
| SBW専用<br>MSP430マイコン<br>(MSP430G2230等)
| SBW
| SBW
| 2200[pF]以下<br>(推奨 : 100[pF]~2200[pF]<br>典型値 : 1100[pF])
| 2200[pF]以下<br>(推奨 : 100[pF]~2200[pF]<br>典型値 : 1100[pF])
| 4線式JTAGピンは存在しない<br>SBW専用デバイス
| 4線式JTAGピンは存在しない<br>SBW専用デバイス
|-
| 両方対応<br>MSP430マイコン<br>(MSP430F2013等)
| JTAG
| 2200[pF]以下<br>(推奨 : 100[pF]~2200[pF]<br>典型値 : 1100[pF])
| JTAGを使用する場合でも上限は2200[pF]<br>SBWと同じ制限が適用される
|-
| 両方対応<br>MSP430マイコン<br>(MSP430F2013等)
| SBW
| 2200[pF]以下<br>(推奨 : 100[pF]~2200[pF]<br>典型値 : 1100[pF])
| 典型値は、1100[pF]程度
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| SBW非対応<br>旧世代MSP430<br>(MSP430F149等)
| SBW非対応<br>旧世代MSP430<br>(MSP430F149等)
278行目: 368行目:
<br>
<br>
===== 基板設計時の重要事項 =====
===== 基板設計時の重要事項 =====
* 使用するMSP430マイコンのデータシートでSBW機能の有無を確認する。(MSP430F2013はSBW専用)
* 使用するMSP430マイコンのデータシートでSBW機能の有無を確認する。(MSP430F2013は両方対応)
* 典型値として1100[pF]程度を使用する。
* 典型値として1100[pF]程度を使用する。
* 通信が不安定な場合は、100[pF]~2200[pF]の範囲で調整する。
* 通信が不安定な場合は、100[pF]~2200[pF]の範囲で調整する。
286行目: 376行目:
<u>※注意</u><br>
<u>※注意</u><br>
<u>この容量制限は安定したデバッグ接続を確保するための重要な設計ガイドラインであるため、基板設計時には必ず遵守すること。</u><br>
<u>この容量制限は安定したデバッグ接続を確保するための重要な設計ガイドラインであるため、基板設計時には必ず遵守すること。</u><br>
<u>MSP430F2013はSBW専用デバイスであるため、この制限は常に適用される点に注意すること。</u><br>
<u>MSP430F2013は両方のJTAGモードに対応したデバイスであるため、4線式JTAG使用時にもこの制限が適用される点に注意すること。</u><br>
<br>
<br>
===== トラブルシューティング =====
===== トラブルシューティング =====
301行目: 391行目:
MSP-FETを使用してデバッグを行うためには、ターゲット基板の設計時に重要な事柄を考慮する必要がある。<br>
MSP-FETを使用してデバッグを行うためには、ターゲット基板の設計時に重要な事柄を考慮する必要がある。<br>
これらの考慮事項を無視する場合、デバッグが困難あるいは不可能になる場合がある。<br>
これらの考慮事項を無視する場合、デバッグが困難あるいは不可能になる場合がある。<br>
<br>
==== JTAGピンの保護 ====
JTAGピン (TDI/TCLK、TDO/TDI、TMS、TCK) は、製品の最終動作時には通常使用されないが、開発やデバッグ時には重要である。<br>
MSP430F2013では、これらのJTAGピンはP1.4~P1.7ポートピンと多重化されている。<br>
つまり、これらのピンは、他の回路要素から適切に保護される必要がある。<br>
<br>
特に注意すべき事柄として、JTAGピンには直列抵抗を接続しないことが挙げられる。<br>
直列抵抗は、信号の立ち上がりと立ち下がりを遅くし、通信エラーの原因となる可能性がある。<br>
もし、JTAGピンを他の目的でも使用する必要がある場合は、0[Ω]抵抗や小さな値の抵抗 (22[Ω]~47[Ω]) を使用して、製品化時にはこれらをショートすることを検討する。<br>
<br>
MSP430F2013の14ピンパッケージ (PDIP/TSSOP) では、以下のピンがJTAGとGPIOで多重化されている:<br>
* ピン6 (P1.4/SMCLK/A2+/TCK) - JTAG: TCK、GPIO: P1.4、または SMCLK出力
* ピン7 (P1.5/TA0/A2-/SCLK/TMS) - JTAG: TMS、GPIO: P1.5、または Timer_A0 出力
* ピン8 (P1.6/TA1/A3+/SDO/SCL/TDI/TCLK) - JTAG: TDI/TCLK、GPIO: P1.6、または Timer_A1 出力
* ピン9 (P1.7/A3-/SDI/SDA/TDO/TDI) - JTAG: TDO/TDI、GPIO: P1.7、または USI データ入力
<br>
16ピンパッケージ (QFN) では:<br>
* ピン5 (P1.4/SMCLK/A2+/TCK) - JTAG: TCK、GPIO: P1.4、または SMCLK出力
* ピン6 (P1.5/TA0/A2-/SCLK/TMS) - JTAG: TMS、GPIO: P1.5、または Timer_A0 出力
* ピン7 (P1.6/TA1/A3+/SDO/SCL/TDI/TCLK) - JTAG: TDI/TCLK、GPIO: P1.6、または Timer_A1 出力
* ピン8 (P1.7/A3-/SDI/SDA/TDO/TDI) - JTAG: TDO/TDI、GPIO: P1.7、または USI データ入力
<br>
製品の最終段階では、これらのピンをGPIOやその他の機能に使用できるが、開発段階ではJTAG機能として確保しておくことが推奨される。<br>
<br>
<br>
==== デカップリングコンデンサ ====
==== デカップリングコンデンサ ====
404行目: 517行目:
# 次に、ターゲット基板に電源を供給する。<br>MSP-FETは、ターゲット基板から電源電圧を検出するため、ターゲット基板に電源が供給されていることが必須である。<br>MSP430F2013の動作電圧範囲は1.8[V]~3.6[V]である (ただし、フラッシュROMのプログラミングまたは消去時は2.2[V]~3.6[V])。
# 次に、ターゲット基板に電源を供給する。<br>MSP-FETは、ターゲット基板から電源電圧を検出するため、ターゲット基板に電源が供給されていることが必須である。<br>MSP430F2013の動作電圧範囲は1.8[V]~3.6[V]である (ただし、フラッシュROMのプログラミングまたは消去時は2.2[V]~3.6[V])。
#: <br>
#: <br>
# MSP-FETとターゲット基板をSpy-Bi-Wireケーブルで接続する。<br>MSP430F2013はSpy-Bi-Wire専用のデバイスであり、4線式JTAGには対応していない。
# MSP-FETとターゲット基板をJTAGケーブル または Spy-Bi-Wireケーブルで接続する。<br>MSP430F2013は両方のインターフェースに対応しているため、用途に応じて選択できる。
#: <br>
#: <br>
# Code Composer Studioを起動して、デバッグ設定を行う。<br>デバッグ設定では、使用するデバッガ (MSP-FET) と ターゲットデバイス (MSP430F2013) を選択する。<br>接続モードは2線式Spy-Bi-Wireを選択する。
# Code Composer Studioを起動して、デバッグ設定を行う。<br>デバッグ設定では、使用するデバッガ (MSP-FET) と ターゲットデバイス (MSP430F2013) を選択する。<br>接続モード (4線式JTAG または 2線式Spy-Bi-Wire) も選択する。
#: <br>
#: <br>
# [接続]ボタンを押下すると、Code Composer StudioはMSP-FETを介してターゲットマイコンと通信を試みる。
# [接続]ボタンを押下すると、Code Composer StudioはMSP-FETを介してターゲットマイコンと通信を試みる。
493行目: 606行目:
JTAGセキュリティヒューズのブローは、開発環境のヒューズブロー機能を使用して実行する。<br>
JTAGセキュリティヒューズのブローは、開発環境のヒューズブロー機能を使用して実行する。<br>
ヒューズブロー時の条件は以下の通りである:<br>
ヒューズブロー時の条件は以下の通りである:<br>
* 供給電圧VCC: 2.5[V] (25℃時)
* 供給電圧VCC
* TESTピンのヒューズブロー電圧VFB: 6[V]~7[V]
*: 2.5[V] (25℃時)
* ヒューズブロー中のTESTピンへの供給電流IFB: 最大100[mA]
* TESTピンのヒューズブロー電圧VFB
* ヒューズブロー時間tFB: 最大1[ms]
*: 6[V]~7[V]
* ヒューズブロー中のTESTピンへの供給電流IFB
*: 最大100[mA]
* ヒューズブロー時間tFB
*: 最大1[ms]
<br>
<br>
Spy-Bi-Wire接続でヒューズブロー機能を使用する場合は、R2 (330[Ω]の保護抵抗) が必要である。<br>
Spy-Bi-Wire接続でヒューズブロー機能を使用する場合は、R2 (330[Ω]の保護抵抗) が必要である。<br>
524行目: 641行目:
<u>※注意</u><br>
<u>※注意</u><br>
* <u>ヒューズブローを実行する前に、必ずプログラムコードのバックアップを取ること。</u>
* <u>ヒューズブローを実行する前に、必ずプログラムコードのバックアップを取ること。</u>
* <u>ヒューズブローを実行すると、デバッグが完全に不可能になる。製品の出荷前に十分なテストを行うこと。</u>
* <u>ヒューズブローを実行すると、デバッグが完全に不可能になる。</u><br><u>そのため、製品の出荷前に十分なテストを行うこと。</u>
* <u>ヒューズブローは不可逆的な操作である。一度実行すると、JTAGアクセスを復元する方法は存在しない。</u>
* <u>ヒューズブローは不可逆的な操作である。</u><br><u>1度実行すると、JTAGアクセスを復元する方法は存在しない。</u>
* <u>誤ってヒューズブローを実行した場合、そのデバイスは開発用途には使用できなくなる。</u>
* <u>誤ってヒューズブローを実行した場合、そのデバイスは開発用途には使用できなくなる。</u>
<br><br>
<br><br>
578行目: 695行目:
テスターを使用して、VCCピン (14ピンパッケージではピン1、16ピンQFNではピン16) に正しい電圧 (1.8[V]~3.6[V]) が供給されているかを確認する。<br>
テスターを使用して、VCCピン (14ピンパッケージではピン1、16ピンQFNではピン16) に正しい電圧 (1.8[V]~3.6[V]) が供給されているかを確認する。<br>
<br>
<br>
次に、Spy-Bi-Wireケーブルの接続を確認する。<br>
次に、JTAGケーブル または Spy-Bi-Wireケーブルの接続を確認する。<br>
ケーブルが正しく接続されているか、ピンの向きが正しいかを確認する。<br>
ケーブルが正しく接続されているか、ピンの向きが正しいかを確認する。<br>
ケーブルが緩んでいたり、接触不良がある場合、通信エラーが発生する可能性がある。<br>
ケーブルが緩んでいたり、接触不良がある場合、通信エラーが発生する可能性がある。<br>
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これらのピンが他の回路によって固定されている場合、JTAGモードに入ることができない可能性がある。<br>
これらのピンが他の回路によって固定されている場合、JTAGモードに入ることができない可能性がある。<br>
RSTピンには外部プルアップ抵抗 (47[kΩ]) が、TESTピンには内部プルダウン抵抗 (典型値60[kΩ]) が接続されていることを確認する。<br>
RSTピンには外部プルアップ抵抗 (47[kΩ]) が、TESTピンには内部プルダウン抵抗 (典型値60[kΩ]) が接続されていることを確認する。<br>
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さらに、ターゲットマイコンのJTAGピン (P1.4~P1.7) が他の目的で使用されていないかを確認する。<br>
プログラムコードでこれらのピンをGPIOとして設定している場合、JTAG通信が妨げられる可能性がある。<br>
この場合、フラッシュ消去モードでマイコンに接続し、フラッシュROMを消去してから再度プログラムをダウンロードする必要がある。<br>
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電源供給方法(VCC_TOOLとVCC_TARGET)の選択が正しいかも確認する。<br>
電源供給方法(VCC_TOOLとVCC_TARGET)の選択が正しいかも確認する。<br>
619行目: 740行目:
別のUSBポートやUSBケーブルを試してみることも有効である。<br>
別のUSBポートやUSBケーブルを試してみることも有効である。<br>
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次に、Spy-Bi-Wireケーブルの長さを確認する。<br>
次に、JTAGケーブル または Spy-Bi-Wireケーブルの長さを確認する。<br>
ケーブルが長すぎる場合、ノイズの影響を受けやすく、通信エラーが発生する可能性がある。<br>
ケーブルが長すぎる場合、ノイズの影響を受けやすく、通信エラーが発生する可能性がある。<br>
ケーブルの長さを0.2[m]以下にすることが推奨される。<br>
ケーブルの長さを0.2[m]以下にすることが推奨される。<br>
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また、ターゲット基板の周辺にノイズ源がないかを確認する。<br>
また、ターゲット基板の周辺にノイズ源がないかを確認する。<br>
モーターやスイッチング電源などのノイズ源は、Spy-Bi-Wire通信に影響を与える可能性がある。<br>
モーターやスイッチング電源などのノイズ源は、JTAG/Spy-Bi-Wire通信に影響を与える可能性がある。<br>
可能であれば、ノイズ源から離れた場所でデバッグを行う。<br>
可能であれば、ノイズ源から離れた場所でデバッグを行う。<br>
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