「統計学 - コーシー分布」の版間の差分
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2025年1月6日 (月) 17:13時点における最新版
概要
連続型確率変数が従う確率分布の代表例として、コーシー分布 (ブライト・ウィグナー分布、または、ローレンツ分布とも呼ばれる) が知られている。
コーシー分布の確率密度関数の基本形は次式で表される。
ここで、 はそれぞれ定数であり、μはコーシー分布の最頻値 (確率密度関数f(x)が最大になるxの値) である。
これは、原子核・光学等の分野で見受けられる関数である。
例えば、電子e-と陽電子e+が正面衝突する時、 あるエネルギーにおいては衝突する確率が高くなるような共鳴と呼ばれる現象が知られており、コーシー分布に従う。
コーシー分布は特徴的な確率密度関数として知られており、関数が偶関数であり確率密度関数の最大値(最頻値におけるf(x))は、 であるが、期待値は決定することができない。
したがって、期待値が存在しないため分散も定義することができない。
分散を拡張した2次モーメントと呼ばれる量も発散する。
また、コーシー分布では中心極限定理が成立しない。
コーシー分布の規格化
コーシー分布を定数Nを用いて、 とする。
この定数Nは、確率密度関数f(x)が満たすべき性質 から定めることができる。
この条件を規格化条件という。
つまり、
ここで変数変換を行う。
変数変換後の次式を求める。
したがって、 となる。
規格化されたコーシー分布の確率密度関数は、次式で与えられることになる。