「設定 - LightDM」の版間の差分

提供:MochiuWiki : SUSE, EC, PCB
ナビゲーションに移動 検索に移動
7行目: 7行目:
<br>
<br>
LightDMの他に、XDM、[[設定 - GDM|GDM]]、[[設定 - SDDM|SDDM]]等のディスプレイマネージャが存在する。<br>
LightDMの他に、XDM、[[設定 - GDM|GDM]]、[[設定 - SDDM|SDDM]]等のディスプレイマネージャが存在する。<br>
<br><br>
== LightDMのインストール ==
LightDMをインストールする。<br>
# SUSE
sudo zypper install lightdm
<br>
変更可能な全てのディスプレイマネージャを表示する。<br>
sudo update-alternatives --list default-displaymanager
<br>
* ディスプレイマネージャを対話式に変更する場合
*: <pre>sudo update-alternatives --config default-displaymanager</pre>
*: <br>
* ディスプレイマネージャを非対話式に変更する場合
*: <pre>sudo update-alternatives --set default-displaymanager /usr/lib/X11/displaymanagers/lightdm</pre>
<br><br>
<br><br>



2024年10月8日 (火) 22:20時点における版

概要

LightDMは、グラフィカルログインおよびユーザ認証を提供するディスプレイマネージャである。
ディスプレイマネージャは、ユーザにログイン画面を表示して、ユーザがユーザ名とパスワードの有効な組み合わせを正常に入力する時、セッションが開始される。

LightDMは非常に軽量なログインマネージャであり、XFCE、MATE、Cinnamon等のリソースを消費しないデスクトップ環境を持つ多くのLinuxディストリビューションにプリインストールされている。
背景やテーマ等のバニラ設定は少し退屈に見えるがカスタマイズ機能があるため、全てを簡単にカスタマイズすることができる。

LightDMの他に、XDM、GDMSDDM等のディスプレイマネージャが存在する。


LightDMのインストール

LightDMをインストールする。

# SUSE
sudo zypper install lightdm


変更可能な全てのディスプレイマネージャを表示する。

sudo update-alternatives --list default-displaymanager


  • ディスプレイマネージャを対話式に変更する場合
    sudo update-alternatives --config default-displaymanager

  • ディスプレイマネージャを非対話式に変更する場合
    sudo update-alternatives --set default-displaymanager /usr/lib/X11/displaymanagers/lightdm



LightDMの設定

全体の設定

LightDMの設定ファイル (/etc/lightdm/lightdm.conf) で設定できる項目を、以下に示す。

最も重要なセクションは、[LightDM]セクション と [Seat:*]セクション である。

※注意

  • 全てのセクションが常に使用されるわけではない。
    システムの設定や使用環境により、必要なセクションが変わる場合がある。
  • LightDMのバージョンによって利用可能なセクションが異なる場合がある。
  • カスタムセクションを追加することも可能であるが、LightDMがそれらを認識するかどうかは設定内容による。


 # /etc/lightdm/lightdm.confファイル
 
 [LightDM]
 # デバッグモードを有効にするかどうか (true / false)
 # デバッグ情報を詳細に出力したい場合に使用する
 debug=false
 
 # LightDMのログファイルの保存先
 # システムのログ管理を変更したい場合に指定する
 log-directory=/var/log/lightdm
 
 # 実行時の最小空きディスク容量(メガバイト単位)
 # 指定された容量以下になると、LightDMは起動しない
 minimum-vt=7
 
 # LightDMが使用する仮想端末番号
 # 通常は変更する必要はない
 minimum-vt=7
 
 # ユーザセッションのデフォルトサービス名
 # 特定のセッションマネージャーを使用したい場合に指定する
 user-session=default
 
 # Xorgサーバの設定ファイルへのパス
 # カスタムのXorg設定を使用する場合に指定する
 xserver-config=xorg.conf
 
 # Xorgサーバのコマンドライン引数
 # Xorgの動作をカスタマイズしたい場合に使用する
 xserver-command=X -core
 
 # シート設定セクション
 [Seat:*]
 # 自動ログインを有効にするかどうか (true / false)
 autologin-guest=false
 
 # 自動ログインするユーザ名
 autologin-user=
 
 # 自動ログインの遅延時間 (秒単位)
 autologin-user-timeout=0
 
 # 自動ログインセッション
 autologin-session=
 
 # ゲストアカウントを許可するかどうか (true / false)
 allow-guest=true
 
 # ゲストセッションのパス
 guest-session=
 
 # グリーター (ログイン画面) のセッション
 greeter-session=<テーマ名  例: slick-greeter>
 
 # ユーザセッションを保存するかどうか (true / false)
 user-session=default
 
 # ログイン後にXorgセッションを終了するかどうか (true / false)
 exit-on-failure=false
 
 # デフォルトのディスプレイ設定ファイルへのパス
 display-setup-script=
 
 # セッション設定スクリプトへのパス
 session-setup-script=
 
 # グリーターの認証エージェントへのパス
 greeter-auth-agent=
 
 # ログイン画面の背景画像へのパス
 background=
 
 # ディスプレイ設定セクション
 [XDMCPServer]
 # XDMCPサーバーを有効にするかどうか (true / false)
 enabled=false
 
 # XDMCPサーバーがリッスンするポート番号
 port=177
 
 # VNC設定セクション
 [VNCServer]
 # VNCサーバを有効にするかどうか (true / false)
 enabled=false
 
 # VNCサーバがリッスンするポート番号
 port=5900
 
 # VNCサーバの認証方法 (VncAuth / None)
 authentication=VncAuth
 
 # VNCサーバのパスワードファイルへのパス
 password=


テーマの設定

パッケージ管理システムからテーマをインストールできる場合は、このステップを省略できる。
PlingのWebサイトにアクセスして、任意のテーマをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。

tar xf <テーマ名>.tar.xz


テーマのディレクトリを、以下に示すいずれかのディレクトリに保存する。

mv <テーマ> ~/.local/share/themes/
sudo mv <テーマ> /usr/share/themes/


テーマを有効にするため、LightDMの設定ファイルである/etc/lightdm/slick-greeter.confファイルを編集する。

sudo vi /etc/lightdm/slick-greeter.conf


 # /etc/lightdm/slick-greeter.confファイル
 
 # ...略
 
 theme-name=<テーマ名>
 
 # ...略


背景画像の変更

背景を変更する場合、LightDMの設定ファイルである/etc/lightdm/lightdm.confファイルを編集する。
ただし、高画質の画像は起動を遅らせる可能性があることに注意する。

sudo vi /etc/lightdm/lightdm.conf


 # /etc/lightdm/lightdm.confファイル
 
 # シート設定セクション
 [Seat:*]
 background=<背景画像のパス>


自動ログイン

LightDMには、NVidiaドライバに関するいくつかの問題もあり、自動ログインが機能しない場合がある。
ただし、自動ログインはセキュリティ上の問題を引き起こすため非推奨である。

LightDMの設定ファイルを編集する。

sudo vi /etc/lightdm/lightdm.conf


 # /etc/lightdm/lightdm.confファイル
 
 [Seat:*]
 autologin-user=<自動ログインするユーザ名>


自動ログインを有効にする場合は、ユーザをautologinグループに追加する。

sudo groupadd -r autologin
sudo gpasswd -a <自動ログインするユーザ名> autologin


各ユーザのLightDMのセッションを指定する場合は、~/.dmrcファイルに指定されたセッションを使用してログインする。
有効なセッション名のリストは、Xセッションは/usr/share/xsessions/*.desktop、Waylandセッションは/usr/share/wayland-sessions/*.desktopにインストールされている。

※注意
GNOMEユーザとgnome-keyringユーザは、自動的にロックが解除されるよう、キーリングに空のパスワードを設定する必要がある。

このファイルの設定を上書きして全体の設定を定義する場合は、/etc/lightdm/lightdm.confファイルのautologin-sessionキーで指定する。

sudo vi /etc/lightdm/lightdm.conf


 # /etc/lightdm/lightdm.confファイル
 
 [Seat:*]
 autologin-user=<自動ログインするユーザ名>
 autologin-session=<セッション名>



その他の設定

起動時の仮想キーボード

画面起動時において、仮想キーボードが表示される場合がある。
もし、仮想キーボードを非表示にする場合は、LightDM設定ファイル (/etc/lightdm/lightdm.confファイル) を編集する。

sudo vi /etc/lightdm/lightdm.conf


 # /etc/lightdm/lightdm.confファイル
 
 [SeatDefaults]
 
 # ...略

 # 追記
 # この設定は、Onboard (多くのディストリビューションで使用される仮想キーボード) を非表示モードで起動する
 greeter-setup-script=/usr/bin/onboard --hidden
 
 # ...略


さらに、仮想キーボードを完全に無効にする場合は、以下に示す設定も追記する。

sudo vi /etc/lightdm/lightdm.conf


 # /etc/lightdm/lightdm.confファイル
 
 # X serverの起動オプションを変更して、アクセシビリティ機能 (仮想キーボードを含む) を無効にする
 xserver-command=X -core -novtswitch -nolisten tcp -accessx -dpms


LightDMを再起動する、または、PCを再起動する。

※注意
一部のシステムでは、/etc/lightdm/lightdm.conf.d/ディレクトリ内に新しい設定ファイル (例: 50-no-onscreen-keyboard.conf) を作成して、設定を追加する必要もある、