「Linuxコマンド - Make」の版間の差分
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Makefileファイルが定義に沿って記述されている場合、C言語コンパイラを指定する時は<code>CC</code>、C++コンパイラを指定する時は<code>CXX</code>を使用する。<br> | Makefileファイルが定義に沿って記述されている場合、C言語コンパイラを指定する時は<code>CC</code>、C++コンパイラを指定する時は<code>CXX</code>を使用する。<br> | ||
make CC= | make CC=<gccの実行ファイルのパス 例: $HOME/GCC/bin/gcc-13> | ||
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make CXX= | make CXX=<g++の実行ファイルのパス 例: $HOME/GCC/bin/g++-13> | ||
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また、<code>configure</code>コマンドを実行する時に指定することもできる。<br> | また、<code>configure</code>コマンドを実行する時に指定することもできる。<br> | ||
<code>configure</code>コマンドは、生成されるMakefileファイルに対して、新しいCC値またはCXX値を自動的に組み込む。<br> | <code>configure</code>コマンドは、生成されるMakefileファイルに対して、新しいCC値またはCXX値を自動的に組み込む。<br> | ||
./configure CC= | ./configure CC=<gccの実行ファイルのパス 例: $HOME/GCC/bin/gcc-13> --prefix=<インストールディレクトリ> | ||
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./configure CXX= | ./configure CXX=<g++の実行ファイルのパス 例: $HOME/GCC/bin/g++-13> --prefix=<インストールディレクトリ> | ||
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2024年1月10日 (水) 02:19時点における版
概要
makeのインストール
多くのLinuxディストリビューションでは、標準でmakeがインストールされている。
もし、別途インストールする必要がある場合、ソースコードからmakeをインストールする。
GNUソフトウェアの公式Webサイトにアクセスして、makeのソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf make-<バージョン>.tar.gz cd make-<バージョン>
makeをビルドおよびインストールする。
mkdir build && cd build ../configure --prefix=<makeのインストールディレクトリ> make -j $(nproc) make install
~/.profileファイル等に、環境変数PATH
を追記する。
vi ~/.profile
# ~/.profileファイル export PATH="/<makeのインストールディレクトリ>/bin:$PATH"
Makeコマンドの基本
コンパイラの変更
コンパイラを指定する場合、一般的に使用されるオプションはCC
、GCC
、CXX
、CCX
等があるが、
Makefileファイルを確認して、どの変数が使用されているか確認する必要がある。
Makefileファイルが定義に沿って記述されている場合、C言語コンパイラを指定する時はCC
、C++コンパイラを指定する時はCXX
を使用する。
make CC=<gccの実行ファイルのパス 例: $HOME/GCC/bin/gcc-13> または make CXX=<g++の実行ファイルのパス 例: $HOME/GCC/bin/g++-13>
また、configure
コマンドを実行する時に指定することもできる。
configure
コマンドは、生成されるMakefileファイルに対して、新しいCC値またはCXX値を自動的に組み込む。
./configure CC=<gccの実行ファイルのパス 例: $HOME/GCC/bin/gcc-13> --prefix=<インストールディレクトリ> または ./configure CXX=<g++の実行ファイルのパス 例: $HOME/GCC/bin/g++-13> --prefix=<インストールディレクトリ>
インクルードディレクトリの変更
make
コマンドの実行時において、参照するライブラリとヘッダファイルを指定する場合、LDFLAGS
オプションとCFLAGS
オプションを付加する。
以下の例では、ホームディレクトリのlibディレクトリとincludeディレクトリを指定している。
make LDFLAGS="-L/home/<ユーザ名>/lib" CFLAGS="-I/home/<ユーザ名>/include" または make LDFLAGS="-L/home/<ユーザ名>/lib" CPPFLAGS="-I/home/<ユーザ名>/include"
インクルードディレクトリの設定を永続化する場合は、.profileファイルまたは.bashrcファイルに、以下の設定を追記する。
export C_INCLUDE_PATH=<C言語のインクルードディレクトリ> export CPLUS_INCLUDE_PATH=<C++のインクルードディレクトリ>
インストールディレクトリの変更
make install
コマンドの実行時において、パッケージ内部のディレクトリ構造を変更せずに別の場所にインストールする場合、DESTDIR
オプションを付加する。
例えば、インストールしたパッケージをtarballにして、別のPCにコピーする場合等に使用する。
以下の例では、configure
コマンドの実行時のプレフィックスとして/hogeディレクトリ、
make install
コマンドでは、ホームディレクトリをインストール先のディレクトリとしてインストールしている。
これにより、インストールディレクトリは、/home/<ユーザ名>/hogeディレクトリなる。
./configure --prefix=/hoge make -j $(nproc) make DESTDIR=/home/<ユーザ名> install