「シェルスクリプトの基礎 - 入出力」の版間の差分

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== キーボードからの入力を受け付ける ==
== 入力 ==
readコマンドを使用することで、キーボードから入力した内容を変数に格納することができる。<br>
readコマンドを使用することで、キーボードから入力した内容を変数に格納することができる。<br>
  <source lang="sh">
  <source lang="sh">
  read 変数名
  read 変数名
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===== 入力したキーの内容を表示 =====
入力したキーの内容を変数DATAへ格納し、その内容を表示させる。<br>
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readでキー入力を読み込んだ後は、そのまま処理が継続する。<br>
==== 入力データの表示 ====
以下の例では、キーボードで入力したデータを変数<code>DATA</code>へ格納し、その内容を表示させている。<br>
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<code>read</code>コマンドで入力データを読み込んだ後は、そのまま処理が継続する。<br>
これを利用することで、何かキー入力されるまで処理を停止させることができる。<br>
これを利用することで、何かキー入力されるまで処理を停止させることができる。<br>
  <source lang="sh">
  <source lang="sh">
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===== 入力したキーにより処理を分岐させる =====
==== 入力データと処理の分岐 ====
case文と組み合わせることで、入力されたキーの内容によって処理を分岐することができる。<br>
caseコマンドと組み合わせることで、入力されたキーの内容によって処理を分岐することができる。<br>
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以下では、yキーを入力した場合はOK、nキーを入力した場合はNG、それ以外の場合はPush y or n key.と表示させる。<br>
以下では、yキーを入力した場合はOK、nキーを入力した場合はNG、それ以外の場合はPush y or n key.と表示させる。<br>
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===== 入力したキーにより処理を繰り返す =====
==== 入力データと反復処理 ====
入力した内容によって処理を繰り返したい場合は、while文と組み合わせる。<br>
入力した内容によって処理を繰り返したい場合は、whileコマンドと組み合わせる。<br>
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以下のシェルスクリプトでは、<br>
以下のシェルスクリプトでは、<br>
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===== 複数の入力を受け付ける =====
==== 複数の入力データ ====
変数を複数用意することで複数の入力を受け付けることができる。<br>
変数を複数用意することで複数の入力を受け付けることができる。<br>
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以下のシェルスクリプトでは、変数DATA1、DATA2、DATA3という3つの変数を宣言しているので、<br>
以下のシェルスクリプトでは、変数DATA1、DATA2、DATA3という3つの変数を宣言しているので、<br>
スペース(タブでも可)で区切った3つの値を変数に格納することができる。<br>
スペース(タブでも可)で区切った3つの値を変数に格納することができる。<br>
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  echo "Entered key: $DATA3"
  echo "Entered key: $DATA3"
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==== readコマンドのオプション ====
== readのオプション ==
readコマンドには複数のオプションがあるが、下表によく使用するオプションを記載する。<br>
readには複数のオプションがあるが、下表によく使用するオプションを記載する。<br>
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'''表. readのオプション'''<br>
{| class="wikitable"
{| class="wikitable"
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== 出力 ==
==== echoコマンド ====
echoコマンドで変数の値を出力する時は、以下のように、ダブルクォートで囲む必要がある。<br>
<source lang="sh">
# 実行
$DATA="AAA  BBB  CCC"
echo "$DATA"
# 出力
AAA  BBB  CCC
</source>
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==== echoコマンドと文字の色 ====
<code>echo</code>コマンドにおいて、出力内容の色を変更するには、以下のように記述する。<br>
<source lang="sh">
# 実行
error()
{
    echo -e "\033[31m$*\033[00m"
}
warn()
{
    echo -e "\033[33m$*\033[00m"
}
info()
{
    echo -e "\033[32m$*\033[00m"
}
</source>
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# 出力
<span style="color:#C00000">error 'Error message'</span>
<span style="color:yellow">warn 'Warning message'</span>
<span style="color:green">info 'Information message'</span>
</source>
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__FORCETOC__
__FORCETOC__
[[カテゴリ:シェルスクリプト]]
[[カテゴリ:シェルスクリプト]]

2020年10月7日 (水) 20:01時点における版

概要

ここでは、シェルスクリプトでキーボードからの入力を受け付ける方法を記載する。


入力

readコマンドを使用することで、キーボードから入力した内容を変数に格納することができる。

 read 変数名


入力データの表示

以下の例では、キーボードで入力したデータを変数DATAへ格納し、その内容を表示させている。

readコマンドで入力データを読み込んだ後は、そのまま処理が継続する。
これを利用することで、何かキー入力されるまで処理を停止させることができる。

 #!/bin/bash
 
 echo -n "Press any key: "
 read DATA
 echo ""
 echo "Entered key: $DATA"


-pオプションを使用することで、こういう記述方法ができる。

 read -p "表示する文" 変数名


 #!/bin/bash
 
 read -p "Press any key: " DATA
 echo ""
 echo "Entered key: $DATA"


入力データと処理の分岐

caseコマンドと組み合わせることで、入力されたキーの内容によって処理を分岐することができる。

以下では、yキーを入力した場合はOK、nキーを入力した場合はNG、それ以外の場合はPush y or n key.と表示させる。

 #!/bin/bash
 
 read -p "Are you ok ? (y/n): " DATA
 case "$DATA" in
    [yY]) echo "OK" ;;
    [nN]) echo "NG" ;;
    *)    echo "Push y or n key."
 esac


入力データと反復処理

入力した内容によって処理を繰り返したい場合は、whileコマンドと組み合わせる。

以下のシェルスクリプトでは、
Repeat ?(y/n):と表示した後、yキーを入力すると処理を繰り返して、また、Repeat ?(y/n):と表示して入力待ちとなる。
nキーを入力すると、End Repead.と表示してbreakにより繰り返し処理から抜ける。
yキーまたはnキー以外が入力された場合、Input y or n keyと表示して、再度、Repeat ?(y/n):と表示して入力待ちとなる。

 #!/bin/bash
 
 while :
 do
    read -p "Repeat ? (y/n): " DATA
    if [ "$DATA" = "y" ]; then
       echo "Repeat !!"
    elif [ "$DATA" = "n" ]; then
      echo "End repead."
      break
    else
      echo "Input y or n key"
    fi
 done


複数の入力データ

変数を複数用意することで複数の入力を受け付けることができる。

以下のシェルスクリプトでは、変数DATA1、DATA2、DATA3という3つの変数を宣言しているので、
スペース(タブでも可)で区切った3つの値を変数に格納することができる。

 #!/bin/bash
 
 read -p "Press any key: " DATA1 DATA2 DATA3
 echo ""
 echo "Entered key: $DATA1"
 echo "Entered key: $DATA2"
 echo "Entered key: $DATA3"


※区切り文字を変更する場合
区切り文字は、環境変数のIFSを使用することで変更することができる。
以下のシェルスクリプトでは、区切り文字をカンマ(,)に変更して実行している。

 #!/bin/bash
 
 IFS=, read -p "Press any key: " DATA1,DATA2,DATA3
 echo ""
 echo "Entered key: $DATA1"
 echo "Entered key: $DATA2"
 echo "Entered key: $DATA3"


readコマンドのオプション

readコマンドには複数のオプションがあるが、下表によく使用するオプションを記載する。

オプション 説明
-a 変数 入力した値を配列変数に格納する。
-n 文字数 文字数で指定した分だけ読み込む。
キーボードで直接入力すると、2文字を入力した時点で、自動的に入力処理が終了して値が変数に格納される。
また、コピー&ペーストで2文字以上の文字を入力した場合も、指定した分だけが変数に格納される。
-p 文字列 文字列を表示した後、入力待ちになる。
改行文字が入力されると、入力の受け付けが終了する。
-r \(バックスラッシュ)を文字列として変数に格納する。
-s 画面上に入力した文字を表示しない。
-t 秒数 入力待ち時間に制限を付ける。



出力

echoコマンド

echoコマンドで変数の値を出力する時は、以下のように、ダブルクォートで囲む必要がある。

 # 実行 
 $DATA="AAA   BBB   CCC"
 echo "$DATA"
 
 # 出力
 AAA   BBB   CCC


echoコマンドと文字の色

echoコマンドにおいて、出力内容の色を変更するには、以下のように記述する。

 # 実行
 error()
 {
    echo -e "\033[31m$*\033[00m"
 }
 
 warn()
 {
    echo -e "\033[33m$*\033[00m"
 }
 
 info()
 {
    echo -e "\033[32m$*\033[00m"
 }


# 出力
error 'Error message'
warn 'Warning message'
info 'Information message'
</source>