「線形代数の基礎 - 固有値 固有ベクトル」の版間の差分

提供:MochiuWiki : SUSE, EC, PCB
ナビゲーションに移動 検索に移動
58行目: 58行目:
   
   
  <math>(A - I) \vec{x} = \begin{pmatrix} 2 & 1 \\ 2 & 1 \end{pmatrix} \vec{x} = 0</math>
  <math>(A - I) \vec{x} = \begin{pmatrix} 2 & 1 \\ 2 & 1 \end{pmatrix} \vec{x} = 0</math>
  の解なので固有ベクトルは <math>\begin{pmatrix} 1 \\ 2 \end{pmatrix}</math> の定数倍
  の解なので固有ベクトルは <math>\begin{pmatrix} 1 \\ -2 \end{pmatrix}</math> の定数倍
<br>
<br>
  例題. <math>\lambda = 4</math> に対応する固有ベクトル
  例題. <math>\lambda = 4</math> に対応する固有ベクトル

2024年12月6日 (金) 01:06時点における版

概要



固有値 / 固有ベクトルの定義

固有値・固有ベクトルの定義


が成立する時、 を行列Aの固有ベクトル、 を行列Aの固有値という。

ただし、Aは正方行列、 でないベクトル、 はスカラーである。



固有空間の定義

固有値および固有ベクトルに関連する概念として、固有空間がある。

固有空間の定義

正方行列Aの固有値  に対して、

で定まる線型空間 ​ のことを、Aの固有値λの固有空間という。


つまり、固有空間とは同じ固有値λに対応する固有ベクトルを集めた集合である。
ただし、ゼロベクトルも固有空間の元である。


特性方程式

  • 固有値を求めるために必要な定理

が 行列Aの固有値
この を行列Aの特性方程式 (固有方程式) という。


固有値の求め方

例題.

 の固有値と固有ベクトルを求めよ。


解答.



したがって、特性方程式は




したがって、固有値は となる。


固有ベクトルの求め方

例題.  に対応する固有ベクトル


の解なので固有ベクトルは  の定数倍


例題.  に対応する固有ベクトル

の解なので固有ベクトルは  の定数倍


※注意
3次の正方行列の場合、特性方程式が3次方程式になり、固有ベクトルを3本求める必要がある。