「C Sharpとネットワーク - HttpClient」の版間の差分
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==== 手順 ==== | |||
<code>HttpClient</code>クラスは、<code>private</code>キーワードおよび<code>static</code>キーワードを指定したプロパティとして持つ必要がある。<br> | <code>HttpClient</code>クラスは、<code>private</code>キーワードおよび<code>static</code>キーワードを指定したプロパティとして持つ必要がある。<br> | ||
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Microsoftの公式ドキュメント[https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/architecture/antipatterns/improper-instantiation/ 不適切なインスタンス化のアンチパターン]の中でこの問題について取り上げており、<br> | Microsoftの公式ドキュメント[https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/architecture/antipatterns/improper-instantiation/ 不適切なインスタンス化のアンチパターン]の中でこの問題について取り上げており、<br> | ||
HttpClientを使用した実装をする時は、インスタンスを静的変数(static)にして使用するとの記載がある。<br> | HttpClientを使用した実装をする時は、インスタンスを静的変数(static)にして使用するとの記載がある。<br> | ||
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==== サンプルコード ==== | |||
== サンプルコード == | |||
まず、<code>HttpClient</code>クラスのオブジェクトを生成する。<br> | まず、<code>HttpClient</code>クラスのオブジェクトを生成する。<br> | ||
この時、タイムアウトの設定等はコンストラクタで行う必要がある。<br> | この時、タイムアウトの設定等はコンストラクタで行う必要がある。<br> | ||
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また、1つの<code>HttpClient</code>クラスは1つのソケット(1つのホスト)として使用した方がよいため、<br> | また、1つの<code>HttpClient</code>クラスは1つのソケット(1つのホスト)として使用した方がよいため、<br> | ||
異なるホストにもリクエストを投げる場合は、別の<code>HttpClient</code>クラスのオブジェクトを生成する方がよい。<br> | 異なるホストにもリクエストを投げる場合は、別の<code>HttpClient</code>クラスのオブジェクトを生成する方がよい。<br> | ||
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== HTTP通信 == | |||
==== ベースとなるクラス ==== | |||
<syntaxhighlight lang="c#"> | |||
// 通信先のベースURL | |||
private readonly string baseUrl; | |||
// HTTPクライアント | |||
private readonly HttpClient httpClient; | |||
// コンストラクタ | |||
public SampleServiceHttpClient(string baseUrl) | |||
{ | |||
this.baseUrl = baseUrl; | |||
this.httpClient = new HttpClient(); | |||
} | |||
</syntaxhighlight> | |||
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==== GET ==== | |||
URLに情報を付加してGETリクエストを送受信する。<br> | |||
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<code>HttpClient</code>クラスの<code>SendAsync()</code>メソッドは、<code>HttpResponseMessage</code>クラスを返す。<br> | |||
レスポンスが取得できるため、ステータスコードやボディを確認および使用することができる。<br> | |||
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JSON以外のテキストファイルやPDFファイル等をダウンロードする場合、レスポンスのボディにファイル内容が入ることがある。<br> | |||
<syntaxhighlight lang="c#"> | |||
// URLに情報を付加してGETリクエストを送受信する | |||
public string Get(string someId) | |||
{ | |||
String requestEndPoint = this.baseUrl + "/some/search/?someId=" + someId; | |||
var request = this.CreateRequest(HttpMethod.Get, requestEndPoint); | |||
string resBodyStr; | |||
var resStatusCoode = HttpStatusCode.NotFound; | |||
Task<HttpResponseMessage> response; | |||
// 通信の実行 | |||
// 引数にrequestを使用する場合は、GetAsync()やPostAsync()ではなく、SendAsync()である | |||
try | |||
{ | |||
response = httpClient.SendAsync(request); | |||
resBodyStr = response.Result.Content.ReadAsStringAsync().Result; | |||
resStatusCoode = response.Result.StatusCode; | |||
} | |||
catch (HttpRequestException e) | |||
{ | |||
return null; | |||
} | |||
if (!resStatusCoode.Equals(HttpStatusCode.OK)) | |||
{ // レスポンスが200以外の場合 | |||
return null; | |||
} | |||
if (String.IsNullOrEmpty(resBodyStr)) | |||
{ // レスポンスのボディが空の場合 | |||
return null; | |||
} | |||
return resBodyStr; | |||
} | |||
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2024年1月23日 (火) 19:23時点における版
概要
HttpClient
クラスは、HTTPリクエストを投げる場合に使用するクラスである。
.NET Framework 4.0以前では、それまではHttpWebRequest
クラス、WebClient
が使用されていた。
HttpClient
クラスは.NET Framework 4.5以降から提供された機能であり、簡単にHTTPリクエストを投げることができるクラスとして追加された。
HttpClientクラスの仕様
HttpClient
クラスのインスタンスを生成する時、内部では新しいソケットを開く。
したがって、メソッド内でHttpClient
クラスのインスタンスを生成する場合、常に新しいソケットを開くため、リソースを消費することになる。
HttpClient
クラスのインスタンスを破棄した場合、ソケットが閉じるタイミングは、状態がTIME_WAIT
に遷移して、暫く時間が経つと自動的に解放される。
これは、リクエストする頻度が少ない場合は問題無いが、大量にリクエストを行う場合は大きなボトルネックとなる。
アンチパターン
HttpClientクラス
HttpClient
クラスのインスタンスの生成において、IDisposable
インターフェースを実装しているのでusing
ブロックで囲うものがある。
しかし、これは通信を実行するごとにソケットを開くことにより、大量のリソースを消費してリソースが枯渇する場合がある。
以下の例では、http://aspnetmonsters.com に対して、GETを行う10リクエストを開く。
// アンチパターン
using System;
using System.Net.Http;
public class Program
{
public static async Task Main(string[] args)
{
for (var i = 0; i < 10; i++)
{
using(var client = new HttpClient())
{
var result = await client.GetAsync("http://aspnetmonsters.com");
Console.WriteLine(result.StatusCode);
}
}
Console.WriteLine("Connections done");
}
}
次に、アプリケーションを終了して、netstatコマンドを実行してPCのソケットの状態を確認する。
状態はTIME_WAIT
であり、WebサイトをホストしているPCへの接続が開かれている状態である。
これは、接続は閉じられているが、ネットワーク上で遅延が発生している可能性があるため、追加のパケットが送られてくるのを待つ状態である。
Proto Local Address Foreign Address State TCP 10.211.55.6:12050 waws-prod-bay-017:http TIME_WAIT TCP 10.211.55.6:12051 waws-prod-bay-017:http TIME_WAIT TCP 10.211.55.6:12053 waws-prod-bay-017:http TIME_WAIT TCP 10.211.55.6:12054 waws-prod-bay-017:http TIME_WAIT TCP 10.211.55.6:12055 waws-prod-bay-017:http TIME_WAIT TCP 10.211.55.6:12056 waws-prod-bay-017:http TIME_WAIT TCP 10.211.55.6:12057 waws-prod-bay-017:http TIME_WAIT TCP 10.211.55.6:12058 waws-prod-bay-017:http TIME_WAIT TCP 10.211.55.6:12059 waws-prod-bay-017:http TIME_WAIT TCP 10.211.55.6:12060 waws-prod-bay-017:http TIME_WAIT TCP 10.211.55.6:12061 waws-prod-bay-017:http TIME_WAIT TCP 10.211.55.6:12062 waws-prod-bay-017:http TIME_WAIT ...略
Windowsでは、デフォルトではTIME_WAITの状態で240秒間コネクションを保持する。
これは、[HKEY_LOCAL_MACHINE_SYSTEM] - [CurrentControlSet] - [Services] - [Tcpip] - [Parameters] - [TcpTimedWaitDelay]で設定される。
OSが新しいソケットを開くことが可能なスループットには限界があるため、コネクションプールを使い切ると、以下に示すようなエラーが表示される。
Unable to connect to the remote server System.Net.Sockets.SocketException: Only one usage of each socket address (protocol/network address/port) is normally permitted.
ただし、OSのシステム変数を変更するのではなく、根本的な設計の問題を解決する必要がある。
HttpRequestMessageクラス
固定のリクエストヘッダや認証情報を付加したHttpRequestMessage
クラスを使用する場合、共通の内部メソッドであるCreateRequest()
を使用する。
これは、HttpRequestMessage
クラスのインスタンスを生成した後、SendAsync()
メソッドを使用してメッセージを送信する。
var getReult = await client.GetAsync("http://kirakira-service.com/");
var postRsult = await client.PostAsync("http://sugoi-service.com/");
Cookieのキャッシュ
Cookieの送受信を行う場合、Cookieがキャッシュされる。
これは、HttpClient
クラスのインスタンス生成時において、UseCookies
プロパティをfalse
にすることにより回避できる。
もし、プロキシサーバを実装しており、かつ、Cookieを引き継ぐ必要がある場合は、Cookieヘッダを追加する。
var handler = new HttpClientHandler()
{
UseCookies = false, // false : Cookieをキャッシュしない
// true : Cookieをキャッシュする
};
var client = new HttpClient(handler);
ソリューション
手順
HttpClient
クラスは、private
キーワードおよびstatic
キーワードを指定したプロパティとして持つ必要がある。
Microsoftの公式ドキュメント不適切なインスタンス化のアンチパターンの中でこの問題について取り上げており、
HttpClientを使用した実装をする時は、インスタンスを静的変数(static)にして使用するとの記載がある。
サンプルコード
まず、HttpClient
クラスのオブジェクトを生成する。
この時、タイムアウトの設定等はコンストラクタで行う必要がある。
複数のHttoClient
クラスを使用して同時に実行する場合も、HttpClient
はそのような使用を想定した設計となっている。
ただし、static
キーワードを付加する場合、DNSの変更が反映されず、HttpClient
クラスは(HttpClientHandler
クラスを通じて)、ソケットが閉じるまでコネクションを無制限に使用し続ける。
HttpClient
クラスは、DNS TTLを尊重しており、デフォルトではこの値は1時間である。
1時間過ぎれば、HttpClient
クラスはDNSのエントリが有効であることを検証して、必要に応じて更新されたIPアドレスに対して新しいコネクションを作成する。
そのため、HttpClient
クラスのオブジェクトに、コネクションを自動的にリサイクルするように指定する。
これは、アプリケーションの起動時において、アプリケーションで接続する全てのエンドポイント向けに1度だけ行う。 (エンドポイントが実行時に決まる場合は、決定する時に行う必要がある)
時間は、1分〜5分程度に設定する方がよい。 (ホスト、ポート、スキーマが重要である)
class SampleClass
{
private static readonly HttpClient httpclient = null;
static SampleClass()
{
httpclient = new HttpClient();
}
public async Task<SomeResponse> CallAPIAsync()
{
var sp = ServicePointManager.FindServicePoint(new Uri("{URL}"));
sp.ConnectionLeaseTimeout = 60 * 1000; // コネクションのリサイクル時間 : 1分
await httpclient.PostAsync("{URL}");
// ...略
}
}
また、1つのHttpClient
クラスは1つのソケット(1つのホスト)として使用した方がよいため、
異なるホストにもリクエストを投げる場合は、別のHttpClient
クラスのオブジェクトを生成する方がよい。
HTTP通信
ベースとなるクラス
// 通信先のベースURL
private readonly string baseUrl;
// HTTPクライアント
private readonly HttpClient httpClient;
// コンストラクタ
public SampleServiceHttpClient(string baseUrl)
{
this.baseUrl = baseUrl;
this.httpClient = new HttpClient();
}
GET
URLに情報を付加してGETリクエストを送受信する。
HttpClient
クラスのSendAsync()
メソッドは、HttpResponseMessage
クラスを返す。
レスポンスが取得できるため、ステータスコードやボディを確認および使用することができる。
JSON以外のテキストファイルやPDFファイル等をダウンロードする場合、レスポンスのボディにファイル内容が入ることがある。
// URLに情報を付加してGETリクエストを送受信する
public string Get(string someId)
{
String requestEndPoint = this.baseUrl + "/some/search/?someId=" + someId;
var request = this.CreateRequest(HttpMethod.Get, requestEndPoint);
string resBodyStr;
var resStatusCoode = HttpStatusCode.NotFound;
Task<HttpResponseMessage> response;
// 通信の実行
// 引数にrequestを使用する場合は、GetAsync()やPostAsync()ではなく、SendAsync()である
try
{
response = httpClient.SendAsync(request);
resBodyStr = response.Result.Content.ReadAsStringAsync().Result;
resStatusCoode = response.Result.StatusCode;
}
catch (HttpRequestException e)
{
return null;
}
if (!resStatusCoode.Equals(HttpStatusCode.OK))
{ // レスポンスが200以外の場合
return null;
}
if (String.IsNullOrEmpty(resBodyStr))
{ // レスポンスのボディが空の場合
return null;
}
return resBodyStr;
}