「Pythonの基礎 - クロージャ」の版間の差分
細 (Wiki がページ「クロージャ(Python)」を「Pythonの基礎 - クロージャ」に、リダイレクトを残さずに移動しました) |
細 (文字列「<source」を「<syntaxhighlight」に置換) |
||
8行目: | 8行目: | ||
== クロージャを理解する == | == クロージャを理解する == | ||
まず、クロージャを理解するために、関数内関数を見ておく。<br> | まず、クロージャを理解するために、関数内関数を見ておく。<br> | ||
< | <syntaxhighlight lang="python"> | ||
def OuterFunc(a, b): | def OuterFunc(a, b): | ||
def InnerFunc(): | def InnerFunc(): | ||
27行目: | 27行目: | ||
これは、まだInnerFunc関数が実行されていない状態である。<br> | これは、まだInnerFunc関数が実行されていない状態である。<br> | ||
この状態を記憶して、後で使用することができるものがクロージャである。ここでは、InnerFuncがクロージャになる。<br> | この状態を記憶して、後で使用することができるものがクロージャである。ここでは、InnerFuncがクロージャになる。<br> | ||
< | <syntaxhighlight lang="python"> | ||
def OuterFunc(a, b): | def OuterFunc(a, b): | ||
def InnerFunc(): | def InnerFunc(): | ||
44行目: | 44行目: | ||
クロージャを実行するには、次のように行う。<br> | クロージャを実行するには、次のように行う。<br> | ||
以下の例では、OuterFunc関数をfuncオブジェクトに代入している。これに、丸括弧()を付けてfuncオブジェクトを実行している。<br> | 以下の例では、OuterFunc関数をfuncオブジェクトに代入している。これに、丸括弧()を付けてfuncオブジェクトを実行している。<br> | ||
< | <syntaxhighlight lang="python"> | ||
def OuterFunc(a, b): | def OuterFunc(a, b): | ||
def InnerFunc(): | def InnerFunc(): | ||
63行目: | 63行目: | ||
まず、2種類の横の数値を与えた後、オブジェクト変数ac1とac2にAreaCalcFuncオブジェクトを代入している。<br> | まず、2種類の横の数値を与えた後、オブジェクト変数ac1とac2にAreaCalcFuncオブジェクトを代入している。<br> | ||
このオブジェクト変数ac1とac2に丸括弧()を付けて縦の数値を与えることで計算が実行される。<br> | このオブジェクト変数ac1とac2に丸括弧()を付けて縦の数値を与えることで計算が実行される。<br> | ||
< | <syntaxhighlight lang="python"> | ||
def AreaCalc(width): | def AreaCalc(width): | ||
def AreaCalcFunc(height): | def AreaCalcFunc(height): |
2021年11月24日 (水) 17:28時点における版
概要
Pythonには、クロージャというものが存在する。
クロージャとは、参照環境を伴ったような関数、あるいはその関数への参照のことを指す。(関数内関数やC/C++/C#の関数オブジェクトに似ている)
関数内の変数を扱う時、その関数が宣言された時のもの(スコープ)によって実行されるというような説明もできる。
クロージャを理解する
まず、クロージャを理解するために、関数内関数を見ておく。
<syntaxhighlight lang="python"> def OuterFunc(a, b): def InnerFunc(): return a + b return InnerFunc() print(OuterFunc(2, 3)) # 出力 5 </source>
クロージャは、上記のサンプルコードを次のように変更する。
以下の例では、OuterFunc関数の戻り値が、InnerFunc関数を呼び出すのではなく、丸括弧を使用せずにInnerFuncオブジェクトを記述している。
このサンプルコードを実行すると、InnerFuncオブジェクトのアドレスが返される。
これは、まだInnerFunc関数が実行されていない状態である。
この状態を記憶して、後で使用することができるものがクロージャである。ここでは、InnerFuncがクロージャになる。
<syntaxhighlight lang="python"> def OuterFunc(a, b): def InnerFunc(): return a + b return InnerFunc print(OuterFunc(2, 3)) # 出力 <function outer_function.<locals>.inner_function at 0x10d86b7b8> </source>
クロージャの実行
クロージャを実行するには、次のように行う。
以下の例では、OuterFunc関数をfuncオブジェクトに代入している。これに、丸括弧()を付けてfuncオブジェクトを実行している。
<syntaxhighlight lang="python"> def OuterFunc(a, b): def InnerFunc(): return a + b return InnerFunc func = OuterFunc(2, 3) print(func()) # 出力 5 </source>
次に、長方形の面積を計算するサンプルコードを記述する。(横(width)と縦(height)を乗算)
以下の例では、引数に横(width)を与えるAreaCalc関数を定義して、その中に縦(height)を引数を定義して面積を計算するAreaCalcFunc関数を定義している。
戻り値は、丸括弧()を外したAareaCalcFuncオブジェクトを返す。(クロージャになっている)
まず、2種類の横の数値を与えた後、オブジェクト変数ac1とac2にAreaCalcFuncオブジェクトを代入している。
このオブジェクト変数ac1とac2に丸括弧()を付けて縦の数値を与えることで計算が実行される。
<syntaxhighlight lang="python"> def AreaCalc(width): def AreaCalcFunc(height): return width * height return AreaCalcFunc # widthが25と50の場合を計算 ac1 = AreaCalc(25) ac2 = AreaCalc(50) # heightを10として面積を求める print(ac1(10)) print(ac2(10)) # 出力 250 500 </source>