「回路計算 - RL直列回路」の版間の差分
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コイルLにかかる電圧E<sub>L</sub>(t)[V]は、次式となる。<br> | |||
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\begin{align} | |||
E_L(t) &= L \frac{di(t)}{dt} \\ | |||
&= L (\frac{E}{R} (1 - e^{- \frac{R}{L} t}))' \\ | |||
&= \frac{LE}{R} (- \frac{R}{L}) e^{- \frac{R}{L} t} \\ | |||
&= E e^{- \frac{R}{L} t} | |||
\end{align} | |||
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コイルLの電圧E<sub>L</sub>(t)のグラフは、電圧はE[V]から始まり、ある程度時間が経過する(定常状態に達する)と、電圧の大きさは0[V]になる。<br> | |||
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したがって、電源を投入した直後は、電源の電圧がすべてコイルLに掛かるが、定常状態に達すると、<br> | |||
コイルLには電圧がかからず、電源の電圧はすべて抵抗Rにかかる。<br> | |||
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2020年11月9日 (月) 09:09時点における版
概要
RL直列回路は電源を投入すると過渡現象が起こるため、回路に流れる電流は時間的に変化して、ある程度の時間が経過すると一定値になる。
このような時間的に変化する過渡現象の電圧や電流を求める時は、以下のような手順で解く。
- 対象の回路の回路方程式をたてる。
- 初期条件を考慮して微分方程式または積分方程式を解く。
ここでは、RL直列回路に流れる電流と電圧を、ラプラス変換を用いて求める。
電流の求め方
まず、RL直列回路の回路方程式をたてる。
回路に流れる電流を、とする時、次式(1)の微分方程式となる。
…(1)
(1)式をラプラス変換すると以下となる。
上式(2)において、部分分数分解を行う。
より、
となる。
したがって、(2)式は次式(3)に変形される。
最後に、上式(3)を逆ラプラス変換する。
したがって、RL直列回路に流れる電流i(t)は、時間が経つにつれて増加が緩やかになる。
下図に示すように、RL直列回路に流れる電流i(t)は0から始まり、ある程度の時間が経過する(定常状態に達する)とE/Rの大きさの電流が流れ続ける。
つまり、定常状態に達すると、コイルLは短絡されているのと同じということになる。
また、RL直列回路の時定数τは、である。
抵抗Rに掛かる電圧の求め方
RL直列回路に流れる電流i(t)は、上記のセクションで求めた式を使用する。
抵抗Rにかかる電圧ER(t)[V]は、次式となる。
抵抗Rの電圧のグラフにおいて、電圧ER(t)はi(t)にRを乗算しただけなので、i(t)と同じような形のグラフになる。
抵抗Rの電圧は0[V]から始まり、ある程度時間が経過する(定常状態に達する)と、電圧の大きさはE[V]になる。
したがって、電源の電圧がすべて抵抗Rに掛かることになる。
つまり、定常状態に達するとコイルLが無い場合と同様(コイルが短絡された状態と同じ)ということになる。
コイルLに掛かる電圧の求め方
RL直列回路に流れる電流i(t)は、上記のセクションで求めた式を使用する。
コイルLにかかる電圧EL(t)[V]は、次式となる。
コイルLの電圧EL(t)のグラフは、電圧はE[V]から始まり、ある程度時間が経過する(定常状態に達する)と、電圧の大きさは0[V]になる。
したがって、電源を投入した直後は、電源の電圧がすべてコイルLに掛かるが、定常状態に達すると、
コイルLには電圧がかからず、電源の電圧はすべて抵抗Rにかかる。